平成29年6月9日、国税庁は「移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプラ
イアンスの維持・向上に向けて~」を公表しました。移転価格文書化制度につ
いては、平成28年度税制改正において、平成29年4月1日以後に開始する事業年
度よりローカルファイルの同時文書化が義務化されており、平成29年4月から
はその作成等が本格化する時期となっています。今回公表されたガイドブック
は、ローカルファイルを作成するにあたっての手引きとして利用することにな
ると思われます。

 移転価格ガイドブックは、(1)移転価格に関する国税庁の取組方針、
(2)移転価格税制の適用におけるポイント、(3)同時文書化対応ガイド、
の3部構成となっています。

 (1)の国税庁の取組方針では、平成29年7月から国税局に個別取引等に関
する相談窓口が設置されること、それに併せて、国税局の調査部の職員が同時
文書化義務の対象となる見込みがある企業を対象として、ローカルファイル
作成に関する指導、助言等のための企業訪問が実施されることが記載されてい
ます。

 (2)では、調査で問題となりやすい点を調査官側と納税者側の双方の立場
から簡単に説明しており、(3)ではローカルファイルのサンプルが公表され
ています。

 全体的にわかりやすく記載されており、納税者である企業側が移転価格税制
について自発的に検討できるように、という国税側の意図が感じ取れる内容に
なっています。実務的には(3)のサンプルを参考に自社用にアレンジすると
いう流れになると思われます。