「一人当たりの生産量は日本工場の1/4」(機械加工)
「せめて中国工場の50%まではもってゆきたい」(縫製関係)

と、コツコツ働くベトナム人ではあるが、その生産性でご苦労をなさっている
現地法人の方からお話をお聞きすることがある。どんなに賃金が安くとも、成
果物への生産性が悪ければ利益の計上は難しいということになる。

そこで、日越の労働生産性(付加価値)にどの程度の差があるのかを計算してみた。

付加価値生産性とは、
付加価値労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働量  で求めることができる。

付加価値額は、GDP(国内総生産)で、労働量は働いている人の総数(就労人口
者数)の総労働時間で現わされるだろうから、それぞれの数値を探してきて時間
当たりの付加価値生産性を出してみた。

    2018年        日本       ベトナム 
GDP(購買力平価)  561.9(百億ドル)   70.5(百億ドル)
   就業者人口      6,698万人(5月)  6,190万人(※下記にて推計)
※ベトナム就業者人口:労働力人口6,330万人×(1-失業率2.2%)≒就業6,190万人


年間労働時間を、日本(365日-120日)×8時間=1,960時間。
ベトナムを(365日-110日)×8時間=2,040時間としてみると、

日本  :561.9(百億ドル)÷6,698万人÷1,960時間 =42.80ドル/時間
ベトナム: 70.5(百億ドル)÷6,190万人÷2,040時間 = 5.53ドル/時間


という一時間当たりの付加価値の生産高が出てくる。
日本は1時間に42.80ドルの付加価値を稼ぎ出し、ベトナムは5.53ドルを稼ぎ出す。
つまりは、ベトナムは日本の約7.7分の1という事になる。


年間にすれば、正社員もパートさんも全部ひっくるめて日本では一人当たりの
約922万円/年間(42.80ドル×1,960時間×110円)であるのに対し、ベトナム
は約124万円/年間(5.53ドル×2,040時間×110円)ということになる。


「ワーカーさんの賃金が2.5万で安いっ!!」とベトナムに飛びついても、デー
タからみると、月12万円程度の付加価値を稼ぎ出すに過ぎないということである。

もちろん、ベトナム全体での平均なので、日系の現地法人がこんなに低い生産性
とは思わないが、安い労働力ばかりではなく、“生産性”を加味して収益モデル
が成り立つかどうかの検討・確認はしておきたいものです。

安い賃金は要素であり、欲しいのは高い付加価値労働生産性ですよね。