日本では、居住者に対しては「全世界所得課税」として、その居住者に対
する全ての所得に対して課税します。一方で、非居住者に対しては「源泉地
国課税」として、日本の国内源泉所得に対してのみ課税をします。

 上記の通り、「居住者」に該当するか「非居住者」に該当するかにより課
税される所得の範囲が異なるため、その判定は重要なものとなります。

 所得税法上、居住者とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年
以上居所を有する個人をいう。」と定めています。(所得税法2条3項)

 一方で、非居住者とは「居住者以外の個人をいう。」と定めています。
(所得税法2条5項)

 さらにこの判定については、所得税法施行令にて推定規定が存在し、その
中で次のように定められています。

 国内に居住することとなった個人が次のいずれかに該当する場合には、そ
の者は、国内に住所を有する者と推定する。
1.その者が国内において継続して一年以上居住することが通常必要とする
職業を有すること。(所得税法施行令第14条)

 国外に居住することとなった個人が次のいずれかに該当する場合には、そ
の者は、国内に住所を有しない者と推定する。
1.その者が国外において継続して一年以上居住することを通常必要とする
職業を有すること。(所得税法施行令第14条)

 つまり、海外出張等の場合で出張期間が1年に満たないことが明らかな場
合は、その海外出張中も含めて日本の居住者に該当するという判定となりま
す。

 また、この規定は、出張後に出張期間が変更となっても遡及しないことと
なっています。例えば、当初2年の予定で海外出張をした場合において、出
張期間の変更により半年で帰国したときは、その出国から帰国までの間は非
居住者に該当し、帰国後から居住者に該当することとなります。