ベトナムでは労働者保護の観点から雇用者には厳しい解雇規制がございます。
今回は、雇用者側での一方的な解雇が認められている手続きをご紹介いたしま
す。前提としてベトナムの雇用形態には試用期間、有期雇用契約、無期雇用契
約の3形態あることにご留意ください。

 試用期間や有期雇用の場合、雇用契約を更新しない旨を期間終了(試用期間
30日前、有期雇用15日前)までに書面にて通知する必要があります。また、無
期雇用契約の場合、労働者が頻繁に労働契約に定める業務を遂行しない場合、
病気・事故で一定期間労働能力を回復しない場合、自然災害等による生産規模
縮小などの場合のみ認められ、雇用者から従業員に対して契約解除日の45日前
に書面にて通知する必要があります。

 なお、懲戒解雇する場合はさらに厳しくなり、まず労働者側が《1》懲戒解
雇事由に該当すること、雇用者側で《2》懲戒手続きが必要となります。

《1》懲戒解雇事由とは
a. 窃盗、横領、賭博、故意に人を傷つける行為、職場内での麻薬の使用、技
術的機密及び企業秘密の漏洩、知的財産権侵害、その他使用者の財産及び利益
に対して重大な損害を与える行為又は特別重大な損害を与える恐れがある行為
を行った場合。
b.懲戒処分として昇給の据え置き及び降格が行われた場合において、一定期
間内に同一内容の違反を犯した場合
c.正当な理由なく月5日または年間20日欠勤した場合

上記3点が労働法上の解雇事由に規定されております。

《2》懲戒手続きとは
法廷で聴聞手続きを経る必要があります。手続きには従業員と労働組合の執行
委員会が出席し、雇用者は従業員の過失を証明する必要があります。
また、従業員は弁護士を選定する権利があり、雇用者は労働者の過失を証明す
る必要がございます。聴聞手続きで認められた場合のみ、正式に懲戒解雇が可
能となります。

 上記のように、労働者の解雇手続きは法律に明記されており、労働者の解雇
を検討する際には慎重に検討する必要がございます。