EPEとは、Export Processing Enterprisesの略称であり、日本語では「輸出
加工企業」などと言います。法令上の定義は、「輸出加工区内で設立され、操
業している企業」又は「工業団地内または経済区内で操業し、製品すべてを輸
出する企業」とされています。

 上述のとおり、EPEは製品を全て輸出することを前提としており、外資を呼び
込むことに一定の役割を果たしてきたと言えるでしょう。すなわち、EPEはベト
ナムの安価な人件費の利用の他、税務及び手続き上の優遇を受けることができ
ます。税務上の優遇の主な内容は、材料輸入及び製造機械設備輸入時の関税及
び付加価値税の免除、並びに製品輸出時の関税の免除となります。手続き上の
優遇としては、簡素な通関手続きなどとなります。

 このようにEPEは輸出前提の制度ですが、ベトナムのGDPは年々上昇し(1,154
USD/人:2008年→2,353USD/人:2017年;世界銀行資料より)、ベトナム人の購
買力も向上しています。また、ベトナムは人口約9千3百万人とされており、ベ
トナム国内市場は、購買力の向上と人口ボリュームから、外国投資家にとって
無視できないマーケットとなっています。

 このような中、EPEの形態で操業を行っている企業もベトナム国内販売をする
企業が多くなってきています。商品販売をするには、商品販売のライセンス取
得及び支店の設置又は在庫・会計帳簿の区分が求められます。製品を国内販売
する場合は、輸出入取引の手続きを行う必要があります。法令上、「国外にあ
る会社」に類似した扱いを受けているため、国内販売をする場合、ベトナム国
内企業に比べ税務及び手続き上、煩雑であると言えます。

 さらに、近年、EPE企業に与えられてきた関税及び付加価値税などの優遇措置
は、EPEでない企業でも類似の恩典を受けることができるようになりました。
今後、ベトナムへ進出する製造業の企業形態は、EPEとする割合は低くなること
が予想されます。