前回、駐在員の社会保険の免除対象となる要件についてお伝えしたかと思い
ますが、今回は健康保険についてお話したいと思います。

 「社会保険」と言うと、大きな意味では健康保険も含まれる場合があります
が、前回お伝えした社会保険の免除要件に該当したとしても、健康保険は免除
されません。現状では、3カ月間以上の労働契約に基づき勤務する外国人は、
健康保険に加入する必要があります。この場合、駐在員の負担は対象給与の
1.5%、会社負担は3%となります。

 実務上、労働契約書が作成されている場合は、健康保険に加入されている駐
在員の方が多いようです。現地採用の方がこれに該当します。日本の本社から
出向されている方については、労働契約書を作成していない場合もあるため、
中には健康保険に加入されていない方もいらっしゃるようです。

 健康保険に加入しても、実際に使用する機会はほとんどないといっても良い
でしょう。ベトナムの医療水準は、昨今、外国人や富裕層向けの診療所等を中
心に上がっていますが、外国人や富裕層向けの診療は、健康保険の対象でない
ことがほとんどです。その他の病院や診療所は医療水準や言語の問題もあり、
駐在員にとって利用することは難しい状況です。従って、健康保険は駐在員に
とって掛け捨てということになります。多くの駐在員は、日本で損保などが取
り扱っている海外駐在員保険に加入し、必要があれば外国人向けの診療所へ行
き、海外駐在員保険より診察料や薬代を支払うことがほとんどという状況です。