ふるさと納税について、過度な返礼競争を防ぐために返礼品の規制が入る予
定であり、今年も世間を騒がせそうです。今回は、海外赴任者のふるさと納税
について考えてみましょう。

 ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄付(ふるさと納税)を行った場
合に、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則と
して全額が控除される制度です(一定の上限があります)。控除を受けるため
には原則として、ふるさと納税を行った翌年に確定申告をする必要があります。

 しかし、例えば2019年4月1日に1年以上の予定で日本を離れ、海外勤務する人
は、2020年1月1日現在において国内に住所を有しないため、2019年分の所得に
対する住民税の納付義務がありません。そのため、2019年において実施したふ
るさと納税による住民税の減額の適用を受けることができません。その一方で、
所得税については、確定申告を行うことで寄附金控除の適用を受けることがで
きます。

 次にワンストップ特例についても考えてみましょう。ワンストップ特例とは、
平成27年4月1日以降、確定申告の不要な給与所得者等は、ふるさと納税先の自
治体数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税を行った各自治体に申請す
ることで確定申告が不要になる制度です。ワンストップ特例の適用を受ける場
合には、所得税の寄附金控除は適用されず、ふるさと納税に係る所得税相当額
を含め、ふるさと納税を行った翌年の6月以後に支払う住民税の減額という形で
控除されます。つまり、ふるさと納税による税額軽減をすべて住民税で吸収す
ることになります。

 したがって、年の途中で海外赴任される方については翌年の住民税がありま
せんので、ワンストップ特例を適用して税額メリットを享受することはできま
せん。そのため、確定申告を行い所得税の寄附金控除だけを適用することにな
ります。

 以上のように海外赴任をした方については、ふるさと納税による税額軽減を
全て享受することができませんので、海外赴任の可能性がある方は、年内に赴
任することがないと分かった段階でふるさと納税をした方が良いかもしれませ
ん。