入国管理法の改正により新たな在留資格が創設され、日本で働く外国人の増
加が予想されます。日本における相続税法についても、日本で働く外国人の増
加に対応するような改正が一昨年行われました。前回は「居住無制限納税義務
者」の改正ポイントについて記載致しましたので、今回は「非居住無制限納税
義務者」について見ていきましょう。

◆非居住無制限納税義務者について
 相続又は遺贈により財産を取得した者が、非居住無制限納税義務者に該当す
る場合には、その取得した財産が国内であろうと海外であろうと日本の相続税
が課されることとなります。一昨年の改正により、非居住無制限納税義務者に
該当するかどうかの判定が次のように変更されております。
「非居住無制限納税義務者」の名前の通り、日本に居住していない者に対して
日本の相続税を課税するものですが、日本国籍を有するか有しないか、により
その判断基準が異なることとなります。

(1)日本国籍を有する場合
 相続人がその相続開始前10年以内のいずれの時においても日本に住所を有し
たことがなく、かつ被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場
合には、非居住無制限納税義務者から除外。

(2)日本国籍を有しない場合
 被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合には、非居住無
制限納税義務者から除外。

 改正前は、親子ともに海外居住であるケースの日本の相続税について、海外
居住期間が相続開始の時点にて5年超経過していた場合には、国外財産について
は日本の相続税が課税されないこととなっていましたが、一昨年の改正により、
その期間が10年に延長されることとなりました。
 また日本で働く外国人が日本で亡くなった場合、母国に居住するその外国人
の家族に対して、母国の財産についても日本の相続税が課税される法体系でし
たが、そちらについても上記改正により判断基準が緩和されることとなりまし
た。

 どちらのケースにしても、日本にある財産を相続や遺贈により取得した場合
には、引き続き日本の相続税が課税されることとなります。相続があった時点
における状況を整理し、相続税の対象となる財産の範囲を整理することは、相
続税を考慮する上で重要なこととなります。