中国国家税務総局は、非居住者企業の持分譲渡に対する税務処理に関して、
国家税務総局公告[2013]72号を公布しました。
中国においては、従来から非居住者企業の持分譲渡に対する税務処理において、
通常は課税(一般性税務処理)とし、一定の条件を満たす場合にのみ課税の繰り延べ
(特殊性税務処理)の2本立てとなっていました。
しかし、実務上において、特殊性税務処理の適用が外資企業において認められる
ケースはほとんどなく、課税されていた状況でした。今回の72号公告により、その状況の
変化が期待されています。
この72号公告の主な内容としては、下記のとおりです。
・譲渡の具体的なケースを前提とし、その場合の特殊性税務処理適用の手続きを明確にした。
・持分譲渡契約を締結し、且つ工商登記が変更された後、30日以内の届け出提出が必要。
・主管税務機関は届出を受け取らなくてはならず、不備がない場合、その場で届出にサイン・押印し、
1部返却する。
・主管税務機関は届出受理後、内容を審査し、30日以内に省級税務機関へ報告が必要。
(具体的なケース)
①「非居住者」が有する出資持分を、他の「非居住者」に譲渡するケース
②「非居住者」が有する出資持分を、他の「居住者」に譲渡するケース
①については、例えば、日本法人から日本・香港等の中国以外の国に存在する法人へ
持分譲渡するケースです。
②については、例えば、日本法人から中国に存在する法人へ持分譲渡するケースです。
今までの運用では、①の場合、日本から香港へと国が変わる場合には、特に法人税率及び
配当に対する源泉徴収税率が低い国への変わる場合には、「合理的な商業目的がない・租税回避」
という主張で、特殊性税務処理の適用が認められなかったという傾向があり、それに対する国家税務
総局のスタンスを明確にしたと考えられます。
但し、譲渡者と譲受者が同一の国に存在しない場合、譲渡後の譲受者に対する配当につき、
租税条約の優遇措置は受けられないと明記され、以後の配当につき、メリットが生じないことが明確に
されました。
この公告が出たからといって、ただちに現場レベルの運用が変わるものではありませんが、今後は
特殊性税務処理の適用がほとんと認められなかった従前の状況よりも改善されることが期待されます。
