先日、中国現地法人の現場調査を行い、そこで出てきた事項がいかにも中国的な事柄が多く、
ご紹介させていただきます。
・決裁ルールの未整備
費用の決裁ルールが整備されておらず、どのような支出なのか見積もり等の検証材料もなく、
妥当な支払いなのか判断できない。
→ 決裁者が流用しようとすれば、歯止めが利かない状況。そもそも中国においては、会社で
必要なものは会社の経費という認識が強い。たとえば、家で仕事をすることもあるから、という
理由でパソコンを購入し、家で利用する、としてしまう。
・バラバラな給与制度
個々の採用の際に、都度特殊要因を設定している。
(例:携帯費用の全額負担or一部負担、住居費用の一部負担、出張手当の支給 等)
→ 本来的な給与の格差が見えにくく、昇給・賞与決定時期等に留意する必要がでてくる。また、原則的
には毎月決まって支給されるものは個人所得税の課税対象であるが、それも個別処理をすること
によってもれやすくなる。
・固定資産の処理ルール
計上に際しての目安となる金額はあるものの、それを超える資産も、費用処理されている事例多発。
処分に関しても、董事会での決定等の根拠もなく進められている。
→ 費用にしてしまうことで、利益操作が可能となってしまう。さらに他の費用と紛れることで内容の把握が
困難になる。
処分については、廃棄として処理しながらも、実は勝手に売却し、その金額を個人が入手してしまう
ことも懸念される。
・発票の取り扱い
発票が回収できない先への支払いが生じた場合、個人使用も含めた発票を集めて処理を行う。
→ 他の発票にて流用することで、本来の支出項目がわからなくなる。さらに個人使用のもの、偽造発票が
含まれていれば、そもそも損金処理ができなくなってしまう。
上記は決して珍しい事例ではありません。本社の管理の目が届かない現地法人においては、特定の個人の
考え方で運営方法が決められてしまいます。
また、コストの上昇、PM2.5等の環境不安というような理由から本社からの駐在員の数が減少しているのは
間違いありません。結果、今後は駐在員はゼロで現地ローカル社員だけで運営していく会社も増加することで
しょう。
となると、駐在員がいる今はよくても、駐在員が帰任し目が届かなくなる将来においては、なお一層管理方法
を検討する必要があるでしょう。