税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2017年12月

今回はみなし外国税額控除について簡単にご説明します。

 みなし外国税額控除(タックススペアリングクレジット)とは、実際に外国
で納税した税金ではなく、あらかじめ決められた税率で計算した税金で納税し
たものとみなして、外国税額控除を受けられる制度です。


 みなし外国税額控除は租税条約によりその適用があるかどうかが決まります。
新興国などで自国の経済開発促進のために外国からの投資を優遇する租税上の
特別措置を講じている場合であっても、全世界所得課税により、優遇措置を受
けた所得も相手国で課税所得に取り込まれてしまうことがあります。こういっ
た優遇措置の効果を減殺しないように、相手国で優遇措置により減免された租
税についても減免前の税額で納付したものとみなして、外国税額控除の適用を
受けることを認めています。


 例えば、中国子会社からロイヤリティ100を日本の親会社が受け取ってい
る場合は次のとおりとなります。

 ロイヤリティは、使用料に該当し、中国では、10%の源泉徴収が課されま
すので、10の納税が発生します。日本の親会社は90の手取り分を受け取り
ますが、日中租税条約の適用を受けた場合、日本の親会社は20を納税したも
のとみなして、外国税額控除を受けることができます。日本の親会社は、申告
の際に支払った10ではなくて20の税額を控除します。


 以上のように、この制度を適用すれば実際に納税していない税金を納付した
ものとみなして、外国税額控除を受けることが可能となり、その分だけ日本の
親会社の租税負担を減らすことが可能です。くれぐれも適用漏れのないように
注意が必要です。

今回は現地視察についてお話しさせていただきます。

 昨今では海外進出が大企業・中堅企業に限らず中小企業まで広がりみせ、進
出の目的・方法も多様化されています。現地での視察も目的・方法にあった形
をとる必要がでてきます。


 そこで重要なことは、国内事前調査時に作成する“企画書”です。企画書を
基に概略で結構ですので道筋を立てましょう。

現地調査で行うべきは以下の通りになります。

1.国内事前調査内容が現地で合致しているかのチェック
2.国内で調べられなかった細かな事項の調査
3.現地事情を体験・確認
4.取引先・同業者・パートナーとの面談・打合せ


 国内で調べた内容がいざ現地へ行ったら、全く違っていたということも珍し
くありません。国内調査でこういうことだったから、現地でもこういう結果が
出るだろうと推測すると危険です。比較考慮を行うことが重要です。


 そして概略しか調べることのできなかった内容については、現地で細かい情
報を得ましょう。現地だからこそ細かな情報が得られることも多くあります。
そして、それらの内容に合わせて現地事情を自らの五感を使って確認します。
他人から聞いているより、実際に体験することは新たな気づきを与えてくれま
す。


 次は、実際一緒に事業を行う取引先・パートナーとの打合せです。現地では
どういったニーズがあるのか等々、実際に自ら事業を行うことをイメージしま
す。初めての現地調査は内容が盛りだくさんになることが多くあります。優先
順位を決めて予定をたてましょう。また、現地へ行ってから調べるべき内容が
出てくることがあります。予備日を作っておくことをお勧めします。

2017年6月6日に、「小型薄利企業の所得税優遇政策範囲の拡大に関する通知」
(財税[2017]43号)が発表され、通常、企業所得税の税率は25%となるところ、
20%の税率が適用される範囲が拡大しました。

 この優遇規定の適用を受ける場合は、課税所得も通常の50%と抑えられること
になりますので、実質的な税負担は50%×25%=10%まで引下げられます。


 今一度、こちらの規定の条件を確認し、自社の適用可能性につき、確認をお願
いします。


小型薄利企業の判定基準

1)課税所得 50万元以下(従来は30万元以下)
2)従業員数 製造業 100人以下  その他 80人以下
3)資産総額 製造業 3,000万元以下 その他 1,000万元以下

※ 従業員数には派遣契約による派遣社員も含めます。
※ 従業員数及び資産総額については、四半期平均値の通年平均値 
  
 上記条件につき、条件を満たすことができそうな場合においては、この10月~
12月の課税所得の計上を注視し、条件満たすことができるよう管理することも必
要な対応といえます。 
   

昨日12/14(木)に税制改正大綱が発表されましたが、その中で、国際観光
旅客税(仮称)が導入されることが示されました。

税率は出国一回当たり1,000円で、納税義務者は日本国民・訪日外国人を含
む日本国から出国する国際観光旅客ということですが、乗り継ぎ旅客や2歳
未満の者など、一部の人は除かれています。


納付については空港税と同様、航空券チケット等の代金に上乗せして行われ
ることになりそうですので、旅行客にとっては単に「航空運賃の増加」に思えて
しまうこともあるかもしれません。


なお、法務省の統計によると平成28年度の出国者数の合計は約4,030万人と
いう事ですので、単純計算で約400億円超の財源となる見込みです。


平成31年1月7日以後の出国より適用という事なので、旧正月に日本を訪れる
中国人や一時帰国する中国駐在の方等はさっそく対象になってくると思われます。


海外子会社や海外取引がある等で海外出張の多い企業・個人の方について
は少なくない負担となるでしょう。


(参考)
統計資料:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001183063
平成30年度税制改正大綱:https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf


海外へ進出する企業が増加し、目的も多様化するなか、内部統制構築につい
ての考え方が変わりつつあります。近年、海外現地法人は単なる生産拠点では
なく営業拠点として機能するなど、海外拠点の機能が変化しています。また、
最近の傾向として日本人駐在員を派遣せず、現地メンバーで事業を行うといっ
た組織体制の企業も増加しています。

 これまでのように法令で決められているから内部統制を行うのではなく、戦
略的かつ実効性のある内部統制構築が求められるようになっています。海外事
業では、日本国内のみで事業を行っていたときには理解しがたい問題が発生し
ます。問題の発生を最初から全てクリアにしておくことは非常に難しいため、
問題が発生した際には、それを避けるのではなく、積極的に規定の文書化、
ルールの周知、その運用評価を行うことが大切です。それによって、今まで不
可解であった海外子会社を理解し、統括することができ、グループ全体として
最適な戦略を踏むことが可能になります。
 もう一つ重要なのは問題が発生しているかもしれないと気付いた段階でどれ
だけ早く対処するかという点です。
 
内部統制構築の基本的なフェーズは
「1.現状調査」
「2.改善の方向性検討」
「3.改善後の業務記述書作成」
「4.リスク・コントロール・マトリスク作成」
「5.整備、運用評価」
となります。

一度、内部統制を見直してはどうでしょうか。

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