税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2018年02月

海外子会社の管理はどうされていますか。 

 日本本社での海外子会社管理や現状把握についての相談が増えています。海
外進出企業は多様化しており、本社規模も様々です。そうした中で、海外子会
社管理へ投資できる経営資源(ヒト、モノ、カネ)は会社によって異なります。
経営資源が多い会社であれば資源を投入し、管理ができています。しかし、そ
うでないと管理をすることは難しいようです。


 私どもの業種柄なのか、その中で最も多い相談が業績把握のズレです。海外
子法人を管理できず、現状の業績を把握できない、というものです。


 考えられる原因が2つあります。言語の問題と会計制度・申告制度の相違の
問題です。言語の問題は言わずとも知れた内容ですが、会計制度・納税制度の
相違はなかなか手をつけられないようです。その中身を紐解いてみると実際は
「計算方法が違うので、でてくる結果(業績)が違う」といった至ってシンプ
ルな仕組みになっていることがほとんどです。この問題を解決するためには、
海外子会社の試算表・決算書が現地法制度上どのように構成されているかを把
握します。海外子会社の試算表・決算書の構成内容を把握することによって日
本本社の試算表・決算書との違いを把握できます。これが分かれば、どちらが
歩み寄るのかを決めることになります。歩み寄ること自体はそこまで難しくな
いことが多いです。(現状把握で問題が大きくなることはありますが)


 計算方法を合わせて、正確な業績把握をしていきましょう。

2017年10月17日に、国家税務総局公告(2017)第37号「非居住企業所得税
源泉徴収に関する問題の公告」が発表され、2017年12月1日に施行されることと
なりました。子会社である中国現地法人を含めた中国企業と取引を行う日本企
業にとって、影響のある規定ですので、今回はこちらを紹介させて頂きます。

 主な改正点は下記のとおりです。
1.契約の締結時に求められていた契約書の届出義務の廃止
2.配当の際の源泉徴収義務の発生日の改定
3.持分譲渡を分割して取引する際の源泉徴収方法の明確化

上記改正点につき、下記に説明させていただきます。


1.契約の締結時に求められていた契約書の届出義務の廃止
従来まで、特許権使用料、持分譲渡等の財産譲渡所得に係る契約を締結した際
には、契約から30日以内に登記することが求められていました。
(国税発(2009)3号)
今回の37号規定により、納税者の負担軽減を目的に廃止されています。
ただし、役務提供収入等の非貿易取引で5万米ドル以上の送金を行う際に求め
られている税務局への届出義務は廃止されていないので、ご留意ください。


2.配当の際の源泉徴収義務の発生日の改訂
従来は、配当の納税義務の発生日は配当決議日とされていました。
(国家税務総局公告(2011)第24号)
今回の37号規定により、納税義務の発生日は実際支払日とされ、上記旧規定の
関連条文は廃止されています。
なお、納税義務の発生日より7日以内に申告納税を行うこととされています。


3.持分譲渡を分割して取引する際の源泉徴収方法の明確化
持分譲渡を分割して取引する場合、全てを単一の取引とみなし、先行する分割
される収入から、順に持分原価を控除することとなりました。
具体的には、37号規定の解釈の事例を用いて、下記のとおり、説明します。

例:持分譲渡収入1,000万人民元、持分譲渡原価 500万人民元
(収入は第1回目300万、第2回400万、第3回300万の3回に分けて支払われる)   
  ⇒ 第1回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得0 
   (譲渡収入300万から譲渡原価500万のうちの300万を原価とする)
  ⇒ 第2回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得200万元
   (譲渡収入400万から譲渡原価500万のうち、のこりの200万を原価とする)
  ⇒ 第3回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得300万元
   (譲渡収入300万に対し、譲渡原価は上記2回で費消しているため、原価0)


 配当、持分譲渡等の取引がある企業につきましては、上記規定にご留意くだ
さいませ。

海外出向する従業員は、出国する時点で年末調整をすることになります。

 出国日の翌日からこの出向者は非居住者となりますので、それ以降に支払わ
れる給与があれば、それは国外源泉所得となりますので、通常は源泉徴収不要
となり、この時点で出向者の源泉問題は解消されたように考えてしまいます。


 ただし、出国日以降に支払われる賞与について、その支給対象期間が出国日
をまたぐようなケースでは、国内で勤務した期間に相当する部分は国内源泉所
得とされます。この場合、非居住者に対する国内源泉所得の支払いとなり、一
律20.42%(復興特別所得税を含む)の源泉徴収をすることになります。


 例えば、8月31日出国、支給対象期間4月~9月の賞与を12月10日に支給する
ケースでは、12月10日に支給する額の6分の5が国内源泉所得とされます。


 通常、ここまでは考えつくのですが、成果報酬型賞与体系が含まれている決
算賞与を支給しているケースでも、賞与の中に国内源泉所得が含まれているの
かどうかという判断をしなくてはなりません。


 出国後、1回目の賞与ではよく気がつくのですが、2回目、3回目の賞与では
失念するケースが目立ちますので注意が必要です。

最近、弊グループのお客様より、ベトナム人人材を受け入れたいというご要
望をお聞きすることがしばしばあります。お客様の事業現場では、日本人を募
集してもなかなか人が集まらないという現状があるようです。また、ベトナム
人を含めた外国人は日本人と違い、一旦、就業すればすぐ辞めることはないと
いう、ご意見もあります。

 さて、医療においても、労働力が不足しているのは他業種と同様のようです。
看護師に限って述べますと、外国人人材は、日本の看護師資格を有していれば
何年でも(在留期間の更新は必要)滞在・就労することができます。しかし、
日本の看護師資格を受験するには、自国の看護師資格所有者でなければならな
いといったハードルがあります。そのハードルの中でも日本語能力試験N-1(
最高位)資格所有というのは大きなハードルとなっているようです。この資格
は、日本人でも勉強をしないと不合格となってしまうようなレベルの試験とな
っています。

 このハードルを緩和するための措置として看護師候補者のEPA(経済連携協
定)の枠組みによる就労・研修の制度が平成20年度より実施されており、EPA
によるベトナム人看護師候補者の日本への就労・研修は平成26年度より実施
されております。

 EPAの枠組みでは、ベトナムでの2年間の実務経験が必要となりますが、日本
語能力N-1というハードルがN-3まで緩和されています。N-3は日常的な場面で
使われる日本語をある程度理解することができるレベルといわれています。
N-3については、私の個人的な実感ですが、ビジネスレベルでは全く通用しな
いと感じています。なお、本制度による滞在期間上限は看護3年、介護4年とな
っています。つまり、EPAの枠組みによる就労・研修と看護師資格による就労
の関係は、EPA制度は、あくまで看護師資格による就労の前段階ともいうべき
ものであり、これを補完するもとも言えます。


 今後は、このEPAの枠組みにより医療分野においても日越の人材交流がます
ます進むことになると考えられます。

海外展開というと、現地に拠点を設けてと考える方が多いと思いますが、
最近は現地に拠点を設けることなく海外進出する企業が増加しています。

下記の方法も海外展開の一つです。

国外に拠点を設けることは時間も投資もある程度の規模が必要になりますが、
国外に拠点を設けることなくまずは海外展開を行い、自社の進むべき方向が
決まってから拠点を作る選択も自社資源が限られている中小企業には有用です。

1.インターネットを使った国外マーケットを開拓する

2.自社製品の販売権を現地企業へ提供し国外で販売する

3.自社製品を製造する海外企業を見つけて、製造を委託する

4.自社に海外の優秀な人材を採用し、人材確保する


上記の方法も一度検討してみてはいかがでしょうか。

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