税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2018年03月

 3月もまもなく終わりを迎えようとしています。この時期、多いのは「送別会」
です。年度替りに人事異動が実施・発表されるケースが多いためです。

 私もいくつかの送別会に参加してきました。が、今年はいつもと違うなと感
じたことがあります。

 後任者がいないケースが散見されたのです。


 実感として駐在員の数は減っています。

 いろいろな理由はあるのでしょうが、業績が厳しくなり人事コストを削減す
る意味合いが大きいと考えています。

 但し、コストが下がって現地法人の運営がよくなると断言できるのでしょう
か?


 駐在員の役割は多岐にわたります。自分の専門分野に限定されることなく、
営業、人事管理、財務状況のチェック、本社とのやり取り等、広範な範囲の業
務を行っています。

 この部分の引継ぎを上手く出来ていなければ、また、上手く引継ぎ出来てい
ても、知らない間にルールを変えられてしまっていたりすれば、業績を引き上
げるどころか、さらに落ち込む可能性があります。


 駐在員の帰任とは、本社からすれば、現地法人の管理を強化する必要性の高
い出来事と考えていただく必要があります。

 現地法人の運営状況については、駐在員に一任されていたり、特定の人員だ
けが関わるプロジェクトというような形で本社管理部門のガバナンスが及んで
いないケースは、大手企業を除けば比較的多いと感じております。

少し以前の話になりますが、平成27年度改正で国外事業者が国内消費者等に
対して行う電子書籍や音楽、広告の配信などは消費税の課税対象取引となって
います。

 
 改正が入る前には、例えば、インターネットを介して海外にあるアマゾンの
サイトで電子書籍をダウンロードした場合、国境を越えるサービスに消費税が
課されないという問題がありましたが、現在は課税されます。

 課税方法は、以下のとおりになります。 
1.事業者向けの場合:リバースチャージ方式により国内事業者に納税義務
2.消費者向けの場合:役務の提供者である国外事業者に納税義務


 1.のリバースチャージ方式とは、納税義務を役務の提供を受けた者に転換す
る方式です。通常、消費税の納税義務者は役務の対価を受け取った者、すなわ
ち、役務を提供する者ですが、リバースチャージ方式では逆に役務の提供を受
けた者が納税義務者となります。
 
 ただし、課税売上割合が95%以上であれば、当面の間、リバースチャージ課
税はなかったものとする経過措置が設けられています。

 最近、ベトナム法人設立のお手伝いやご相談を受けておりますと、設立後、
会計・税務のオペレーションで苦労されているとのお話をよくお聞きします。

 会社設立時は当然ながら売上がなく、予算も限られるため、経費はなるべく
抑えたくなるものです。このような状況ではスタッフの数はなるべく少なくし
たい。固定費となる総務系のスタッフなら尚更だと思います。


 会計税務業務の経験があり、かつ、日本語が堪能なベトナム人人材の確保が
できれば、問題はありませんが、このような人材を雇用するのは、ほぼ不可能
と言ってもよいでしょう。


 このような場合には、現地会計事務所などの記帳代行サービスや税務申告サ
ポートサービスを利用されるのも一つの解決方法だと思います。


 会社設立時から数ヶ月から数年間はこれらのサービスを利用し、現地会計事
務所のサポートをうけながら現地法人スタッフを育成し、会計税務業務の外注
から社内処理へと移行する。外部チェックが足りないと感じられた場合は、現
地会計事務所の監査をうける。


 弊グループは、ベトナムに会計事務所がございます。
上述のような業務の他、会社・駐在員事務所設立業務、相談業務、個人所得税
の申告業務及びM&Aサポート業務などに対応可能です。

 ベトナム進出・会計税務などでお困りの際には、お気軽にお声掛けください。

 現在、撤退を検討されている中国現地法人があり、経済補償金の試算をお受
けしています。

 経済補償金とは、日本では退職金と翻訳されることもありますが、基本的な
考え方としては、労働契約を継続しないことに対する補償金となり、会社都合
で労働契約を解除するような場合に支給が求められるものです。


 会社を清算するような場合には、この資金負担が大きくなることが予想され
るため、事前に試算をすることが必要となります。


今回の状況としては
・従業員 200名
・平均給与 3,100元
・平均在職年数 7.5年

 どのくらいになると思われますか?


 試算した結果、570万元となり、1元=17円で換算すると、およそ1億円ほど
となってしまいます。

 基本的な計算式は、経済補償金=「勤続年数」×「前12ヶ月の平均給与」と
なります。非製造業に比べ、人員を多く抱える製造業においては、経済補償金
が大きくなる傾向があります。

 経済補償金だけでこれほどの撤退コストを要するとなると資金的には厳しく
なり、この負担を減少させる方法を検討することになります。


 経済補償金のポイントとして、自己都合で退職する場合には支給不要という
ことがあります。

 具体的には、契約更新時に従来を下回らない条件提示をしたにも関わらず、
従業員が更新しない場合には支給不要となります。


 もちろん経済環境の影響が大きい訳ですが、給与が上がらないなら、退職し
 て別の職場で勤務する、という選択する従業員はいるはずです。

 したがって、契約更新時期を洗い出し、給与の引き上げ幅を検討・調整する
ことで経済補償金の資金負担を減少させられる可能性があります。

名南アカウンティング・ベトナムでは、駐在員事務所及び法人の設立業務を
お受けしております。この業務を通じ、ベトナムに初めて拠点を持たれる会社
様のご相談にのることも多々あります。拠点設立当初はいろいろご相談事項が
多いですが、その中でも「いつからベトナムで個人所得税を納めるか」という
のも多いご相談です。

 拠点を持たれない会社様のベトナム担当者は、ベトナムで拠点設立の可能性
を調査するため設立前に度々ベトナムを訪れることが多く、その方が拠点設立
後ベトナムに駐在される場合、日本側で正式に赴任とする日以前の期間につい
ても、ベトナム税務局より個人所得税を納めるよう指導されることがあります。

 日本本社様では、ベトナム法人が設立され、ベトナムに駐在者用の住居も賃
借し、正式赴任後からベトナムで個人所得税を納税すればいいという認識であ
っても、時には通用しないことがあるということです。以前もこのメルマガで
お伝えしましたが、日本とベトナムの間には、日越租税条約があり、この条約
により同一給与を両国で課税されることは、役員給与を除き、ありません。で
すが、ベトナムにおいては、実務上、租税条約の一部の条項は機能していませ
ん。

 したがって、題名の問いに対する回答としては、「法律上は、○○ですが、
実際は××で…」といったご説明しかできず、ご相談を受ける側としては心苦
しい場面でもあります。このような場合、正式赴任前の期間の居住者証明書の
取得をお勧めしております。これがあるから絶対に問題が生じないというもの
ではありませんが、次善の策といえる手段と考えられます。

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