移転価格税制に係る新文書化制度は、以下の3形態とされています。
(1)国別報告書(CBCレポート)
(2)事業概況報告書(マスターファイル)
(3)同時文書(ローカルファイル)
対象企業は基本的に大企業であり、直前会計年度の連結総収入金額が1,000
億円以上の多国籍企業グループの最終親事業体である内国法人等は、国別報告
書において国別報告事項(多国籍企業グループが事業を行う国ごとの収入金額、
税引き前当期利益の額、納付税額など)を、事業概況書において事業概況報告
事項(多国籍企業グループの組織構造、事業概要、財務状況など)を、平成28
年4月1日以後に開始するその最終親事業体の会計年度終了の日の翌日から1年
を経過する日までに、税務署長に提供しなければなりません。
同時文書に関しては、国外関連取引を行った法人が同時文書(独立企業間価
格を算定するために必要と認められる書類)を、平成29年4月1日以後に開始す
る事業年度分の法人税についての確定申告書の提出期限までに作成し、原則と
して7年間保存しなければなりません。
ただし、一の国外関連者との取引金額(受払合計)が50億円未満であり、か
つ、その一の国外関連者との無形資産取引金額(受払合計)が3億円未満であ
る場合は、その一の国外関連者とのその国外関連取引については、その同時文
書の作成及び保存義務が免除されます。
また、同時文書化義務の有無に関らず、決められた期限内に同時文書又は同
時文書に相当する資料等の提出等がなかったときは、推定課税のリスクがある
ことにご留意ください。