税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

2018年04月

移転価格税制に係る新文書化制度は、以下の3形態とされています。

(1)国別報告書(CBCレポート)
(2)事業概況報告書(マスターファイル)
(3)同時文書(ローカルファイル)

 対象企業は基本的に大企業であり、直前会計年度の連結総収入金額が1,000
億円以上の多国籍企業グループの最終親事業体である内国法人等は、国別報告
書において国別報告事項(多国籍企業グループが事業を行う国ごとの収入金額、
税引き前当期利益の額、納付税額など)を、事業概況書において事業概況報告
事項(多国籍企業グループの組織構造、事業概要、財務状況など)を、平成28
年4月1日以後に開始するその最終親事業体の会計年度終了の日の翌日から1年
を経過する日までに、税務署長に提供しなければなりません。

 同時文書に関しては、国外関連取引を行った法人が同時文書(独立企業間価
格を算定するために必要と認められる書類)を、平成29年4月1日以後に開始す
る事業年度分の法人税についての確定申告書の提出期限までに作成し、原則と
して7年間保存しなければなりません。

 ただし、一の国外関連者との取引金額(受払合計)が50億円未満であり、か
つ、その一の国外関連者との無形資産取引金額(受払合計)が3億円未満であ
る場合は、その一の国外関連者とのその国外関連取引については、その同時文
書の作成及び保存義務が免除されます。

 また、同時文書化義務の有無に関らず、決められた期限内に同時文書又は同
時文書に相当する資料等の提出等がなかったときは、推定課税のリスクがある
ことにご留意ください。

 今回は、個人所得税の非課税所得と所得控除について記載していきます。

 非課税所得とは収入であっても個人所得税を課されない所得です。

 主なものとして、グロス給与の15%を超える家賃補助、年1回の一時帰国
費用(2回以上は加算)、高等学校までの子女教育費、一定限度までの福利
厚生などがあります。

 適用には、労働契約書や就業規則に明示、契約書等のエビデンス確保など、
各々要件がある点に留意が必要となります。 

 所得控除とは、納税者及びその扶養親族の世帯構成に対する税務上の優
遇になります。

 主なものとして、基礎控除月額900万VND、扶養控除1人当たり月額360万
VND、社会保険料健康保険・厚生年金・雇用保険控除などがあります。

 基礎控除は、ベトナム居住者のみに適用されます。扶養控除の対象は、18
歳未満の子供、18歳以上であるがハンディキャップがあり労働できない子供
や配偶者、扶養する労働年齢を超えた両親等となります。

 社会保険料については、日本で納付している社会保険料は日本側で支払い
証明書を発行する必要があります。

 その他に、国際間二重課税の排除を目的とする外国税額控除があります。

 日越租税条約によると、ベトナム居住者が日本で納税した個人所得税額の
うち、一定額までベトナム側で控除が認められます。

 日本企業の事業展開における海外市場の位置付けが高まる中、新興国の
活力を自社の成長戦略に生かしている企業が増えています。このように企
業戦略として重要な要素となっているからこそ、リスクマネジメントにつ
いての検討が必要になります。

今回は検討すべきリスクについてみていきます。

 リスクを体系的に整理すると「カントリーリスク」、「オペレーショナ
ルリスク」、「セキュリティーリスク」の三つに分類することができます。


 「カントリーリスク」とはその国自体の信用度であり、政治的・経済的・
社会的因から生じる変化が自社の事業に及ぼすリスクになります。例えば
各国の政権交代があります。

 「オペレーショナルリスク」は実際の事業運営において生じるリスクです。
貿易・投資制度・知的財産権・法務問題、雇用・労働、財務・金融・為替、
生産、営業・販売などの面においてさまざまな問題があります。このよう
な問題が、事業運営に支障をきたすリスクになります。

 最後に「セキュリティーリスク」とは対日抗議行動、新興感染症(SARS,
MERS等)、従業員の健康管理、情報セキュリティー、企業の社会的責任に
なります。十分留意することが求められます。

 このように海外進出におけるリスクは多様にあります。まずは自社にどん
なリスクがあるのか、現状把握をしていただければと思います。

 納税管理人とは、確定申告書の提出や税金の納付等を、非居住者に代わって
行う人のことをいいます。

 海外子会社へ1年以上の予定で出向する方などは、日本国内に住所を有しな
いと推察され、その時点から所得税法上の非居住者となります。非居住者の所
得のうち、日本国内で発生した一定の所得については、引き続き、日本の所得
税が課税されます。

 例えば、不動産所得のある従業員が海外転勤したり、所有する自宅を賃貸に
出すケースでは、不動産所得が一定金額以上あれば、毎年、確定申告書を提出
しなくてはなりません。このような場合には、出国する日までに納税管理人を定め
ることになります。納税管理人を定めたときには、その非居住者の納税地を管轄
する税務署に”所得税の納税管理人の届出書”を出国前に提出する必要があります。

 納税管理人は誰でもなることが可能で、個人、法人を問いません。

 納税管理人を定めない場合は、出国前に、出国するまでの間に生じた所得につ
いて、確定申告書を提出するなど注意が必要となります。また、出国後の所得に
ついてもご自身で確定申告をすることになりますので、出国予定のある方は納税
管理人の選定をご検討ください。

 日本から海外子会社へ出張される場合、特に短期出張の場合、出張先国で出
張者が所得税を納税することは稀ではないでしょうか。
 
 一般的に、出張先国における出張者の労働対価は、所在地国の税務関連法令
に基づき、所在地国にも課税権がある場合が多いです。例えばベトナムへ短期
出張する場合、出張者はベトナム非居住者であり、その労働対価の20%を納税
する義務があります。
 
 日本は123カ国・地域と70の租税条約を締結しており(平成30年3月1日現在)、
これら租税条約には短期滞在者免税の条項が設けられています。この条項により
多くの出張者は出張先国で納税の義務が免除されます。
(短期滞在者免税要件(日越租税条約の場合))

1.出張者の暦年のベトナム滞在期間が183日以下であること

2.出張者への報酬がベトナムの居住者でない雇用者(例:日本本社)又はこ
れに代わる者から支払われるものであること

3.出張者への報酬がベトナムにある恒久的施設又は固定的施設によって負担
されるものではないこと
 
 短期滞在者免税の適用について、出張先国によっては上述の要件を満たせば
自動的に適用されるものではなく、出張先国の税務当局へ申請し適用を認めら
れる必要があります。

 また、出張先国の税務当局に短期滞在者免税の適用を認められた場合であっ
ても、注意が必要です。

 出張先国の海外子会社が出張者のホテル代、タクシー代及び日当などを負担
した場合、当該海外子会社の支出は出張先国の税務関連法上、出張者の給与に
該当する場合があります。

 出張者の給与とみなされる場合、上述の免税の要件を満たさなくなり、後日、
出張先の税務当局より、出張者の所得税申告納税漏れ、もしくは、海外子会社
の源泉徴収漏れ等を指摘される可能性があります。

↑このページのトップヘ