税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2018年09月

「一人当たりの生産量は日本工場の1/4」(機械加工)
「せめて中国工場の50%まではもってゆきたい」(縫製関係)

と、コツコツ働くベトナム人ではあるが、その生産性でご苦労をなさっている
現地法人の方からお話をお聞きすることがある。どんなに賃金が安くとも、成
果物への生産性が悪ければ利益の計上は難しいということになる。

そこで、日越の労働生産性(付加価値)にどの程度の差があるのかを計算してみた。

付加価値生産性とは、
付加価値労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働量  で求めることができる。

付加価値額は、GDP(国内総生産)で、労働量は働いている人の総数(就労人口
者数)の総労働時間で現わされるだろうから、それぞれの数値を探してきて時間
当たりの付加価値生産性を出してみた。

    2018年        日本       ベトナム 
GDP(購買力平価)  561.9(百億ドル)   70.5(百億ドル)
   就業者人口      6,698万人(5月)  6,190万人(※下記にて推計)
※ベトナム就業者人口:労働力人口6,330万人×(1-失業率2.2%)≒就業6,190万人


年間労働時間を、日本(365日-120日)×8時間=1,960時間。
ベトナムを(365日-110日)×8時間=2,040時間としてみると、

日本  :561.9(百億ドル)÷6,698万人÷1,960時間 =42.80ドル/時間
ベトナム: 70.5(百億ドル)÷6,190万人÷2,040時間 = 5.53ドル/時間


という一時間当たりの付加価値の生産高が出てくる。
日本は1時間に42.80ドルの付加価値を稼ぎ出し、ベトナムは5.53ドルを稼ぎ出す。
つまりは、ベトナムは日本の約7.7分の1という事になる。


年間にすれば、正社員もパートさんも全部ひっくるめて日本では一人当たりの
約922万円/年間(42.80ドル×1,960時間×110円)であるのに対し、ベトナム
は約124万円/年間(5.53ドル×2,040時間×110円)ということになる。


「ワーカーさんの賃金が2.5万で安いっ!!」とベトナムに飛びついても、デー
タからみると、月12万円程度の付加価値を稼ぎ出すに過ぎないということである。

もちろん、ベトナム全体での平均なので、日系の現地法人がこんなに低い生産性
とは思わないが、安い労働力ばかりではなく、“生産性”を加味して収益モデル
が成り立つかどうかの検討・確認はしておきたいものです。

安い賃金は要素であり、欲しいのは高い付加価値労働生産性ですよね。

 中国における現地法人の会計処理において、何よりも必要とされてきたもの、
それは発票ではないでしょうか?「会計処理をするには発票がないとできませ
ん。」このような話を聞いたことは無いでしょうか?

 これは正確にいえば、会計処理は発票がなくても可能、ただし、税金計算上、
控除できる損金とするためには、発票が必要、ということとなります。従来ま
でのスタンダードであった、このような取扱が変更される可能性がある規定が
施行されましたので、今回はこちらを取り上げます。

 先日2018年7月1日に、「企業所得税税前控除証票管理弁法」が施行されまし
た。これは、企業所得税の税前控除(損金算入)証票の管理方法に関する規定
となります。この規定により、一定の条件を満たす場合、発票以外の証票によ
る損金算入が一部認められることとなります。

 その一定の条件とは、相手方が、税務登記の必要のない単位、または少額零
細経営業務に従事する個人の場合、その支出については、税務機関により代理
発行された発票、または領収書及び自社作成の内部証票をもって、損金算入と
なります。ただし、領収書には、領収者名称、個人姓名と身分証明書番号、支
出内容、領収金額等の関連情報を記載しなければなりません。

 とはいえ、従来のいわゆる「発票主義」と言われる取り扱いから、どこまで
変化があるのかは、運用をみていく必要がありますが、より柔軟な対応がとれ
る可能性がでてきたことは朗報といえそうです。

 今回は海外進出前の計画作成時に必要な撤退戦略について検討します。
最近では外部環境の変化(例:顧客が他国へ移動する、人件費の増加が想定以
上で採算が合わない、外資規制により思った通りに販売活動がなきなくなった
等)や自社の内部環境の変化(合弁相手との意思疎通ができない、駐在員の退
職、内部資源の集中)によって海外事業を撤退や縮小しなければならないケー
スが増えてきています。進出前から撤退を検討することは、縁起がよくないよ
うに感じますが、過去の延長線上に未来がない昨今、前向きな海外進出を安心
して進めるためにも整理だけはしておくべきであると考えます。


 進出前ですので、綿密で具体的な撤退戦略を持つことは不要ですが、ある程
度のことは考慮しておいたほうがよいかと思います。

 以下のようなことは整理しておいください。

・進出国での日系企業撤退事例を収集したか。
・固定資産の売却は可能か。土地の売却は可能か。
・人員整理に関する法的規制はあるか。(解雇の取り扱いは?法定退職金はあるか。)
・撤退する時に不利となる雇用契約になっていないか。

  本年1月より中国では「環境保護税」が導入されました。対象となるのは、
「大気」「水」「固体」「騒音」の4項目とされ、それぞれの排出量をもって、
課税根拠となり、企業から税金という形で徴収されることとなります。

 具体的には、「環境保護税税目税額表」に、排出量に対する税額が規定され
ています。例えば、「大気」の場合は、1.2元~12元、「水」の場合は、1.4~
14元、「固体」の場合は、5~25元、「騒音」の場合は、騒音によって350~
11,200元/月とされています。税額に幅があるのは地方政府の裁量によって、
決定することとなっているためです。

 このベースとなっているのは「汚染排出費」制度であり、環境保護部門の
管轄でした。これを今回、徴収は税務部門の管轄へ移し、徴収機能を強化す
るとともに、環境保護部門は環境保護の監視を一層強化する目的で整理され
ています。

 天津での爆発事故以降、危険物に対する保管機能の強化が求められるとと
もに、環境汚染への影響度合いが強いとされる業種・企業(製紙、ゴム成型
・めっき加工等)への管理は確実に強化されています。さらに、製造業一般
に対しても、サンプル調査というような形での調査により、騒音対策、排出
対策を余儀なくされる企業が増加しています。

 このような状況の中では、従来のような人的対応でのうやむやな解決を図
ることは難しく、何らかの設備導入をもって解決せざるをえないケースがほ
とんどです。さらには、仕入先についても、同様の原因で供給が滞る事象も
生じており、自社のみならず、仕入先の対応状況についても把握しておく必
要性が高まっているといえます。

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