税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2018年11月

  平成29年12月に、国税庁より「『国際戦略トータルプラン』に基づく具体的
な取組状況」が公表されています。

 「国際戦略トータルプラン」は平成28年10月に国税庁より公表されたものです。
これは、パナマ文書やBEPSプロジェクトの進展により、国際的な租税回避行為
に関して国民の関心が高まっていることから、国税庁が、国際課税上の問題に
対して積極的に対応していくことを明らかにしたものですが、今回公表された
資料では、国際戦略トータルプランから「国外送金等調書」「財産債務調書」
「租税条約に基づく情報交換制度」等を活用した調査事例が紹介されています。

  詳しくは公表の資料をご確認いただければと思いますが、興味深いのは、納
税者側から提出される情報のみではなく、納税者や金融機関から提供される情
報と、外国当局との情報交換制度に基づいて得られた情報を組み合わせて調査
対象としている事例がみられることです。
  例えば、外国当局との情報交換制度により、海外に預金口座を保有している
ことを把握したものの、国外送金等調書の提出がなかったという場合において、
調査を実施した事例等も公表されております。

  今後も、当局としては、こういった国際戦略トータルプランの取り組みに加え、
マイナンバー制度の実施等により、今まで以上に国境をまたいだ取引について
の課税を強化してくことと思われます。
 海外進出企業様はもちろん、海外に資産をお持ちの個人の方についても、
こういった資料を今一度ご確認いただければと思います。

<参考>
平成29年12月 「国際戦略トータルプラン」に基づく取組方針
http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/strategy/pdf/action_policy_201712.pdf
「国際戦略トータルプラン」に基づく具体的な取組状況
http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/strategy/pdf/action_report_201712.pdf
平成28年10月 「国際戦略トータルプラン -国際課税の取組の現状と今後の方向-」
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/kokusai_kazei/index.htm

 資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人については、
下記の制度(いわゆる中小企業向け特例措置)の適用はありませんが、この取
り扱いは親会社が外国法人である場合も同様です。

(1)貸倒引当金の繰入れ
(2)欠損金等の控除限度額
(3)軽減税率
(4)特定同族会社の特別税率(留保金課税)
(5)貸倒引当金の法定繰入率の選択
(6)交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
(7)欠損金の繰戻しによる還付制度

 株主に異動があった際には特に注意が必要です。例えば日本法人の設立時に
は親会社の役員が一部個人出資しているなどの理由により完全支配関係ではな
かったものが、株式を親会社に譲渡して完全支配関係となるような場合が想定
されます。このような場合には上記特例が適用できなくなり、税額に大きな影
響を与えることになります。
 一方で、グループ法人税制については外国法人との間の取引については適用
対象外となりますので、この点にも留意が必要です。

 来年、2019年の最低賃金がベトナム労働総同盟と商工会議所等との経営者サ
イドとの協議により結論に達した。労働側が7-8%を、経営側が2%程度を主張
し、最終的には上昇率は5.3%と過去最も低い水準での妥結となった。過去3年
間の推移は下記の通りである。

        2017年   2018年   2019年 (前年比%)(単位:ドン)
第一地域   3.750,000   3,980,000 (6.1%)  4,180,000 (5.0%)
第二地域     3,320,000   3,530,000 (6.3%)  3,710,000 (5.1%)
第三地域     2,900,000   3,090,000 (6.5%)  3,250,000 (5.2%)
第四地域     2,580,000   2,760,000 (6.9%)  2,920,000 (5.8%)

 各地域の経済状況に応じて第一から第四の地域に分類され、ハノイ、ホーチ
ミンなどは第一地域に指定され最低賃金は高くなっている。第一地域で日本円
にして2万円強程度である。

 では、実状はどうかと言うと、ホーチミンのある労務コンサル会社のデータ
によれば大卒初任給が350ドル前後、ワーカーが250ドル弱ということである。
一方で、シンガポールの転職情報会社によると、ホワイトカラーの中間管理職
の昇給が20%~24%というデータもある。

「毎年、最低賃金の上昇率程度の昇給を行う」との話はよく聞くが、技術者や
中間管理職など特定の職種・人物の確保には思い切った人事も片隅に置いてお
く必要はあるかもしれない。

 JICAホームページにて「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の2018年度第
二回公示が、9月18日にされました。
 事前登録締切は10月4日(木)正午、企画書提出締切は10月15日(月)正午
です。

 日本の中小企業の海外展開を支援する政府開発援助事業が2012年から開始
され今年の8月末までに実施件数は715となり、中小企業の海外展開の支援
の一つとして浸透されつつあります。

支援事業はJICAが窓口となり、
「基礎調査」「案件化調査」「普及・実証事業」の3通りあります。

 特に今後はアフリカ等発展が遅れている地域への後押しに力を入れていく
ことになりそうです。
 現在の自社の海外展開の位置づけを踏まえ、上記支援事業を検討されては
いかがでしょうか。

 2018年8月31日の第十三期全人代において、個人所得税法の改定が決定し、
2019年1月1日より施行されることが決定しました。また、2018年9月7日
には財税[2018]98号が発表され、2018年10月1日より、一部の変更が前倒
しされることとなりました。

今回の改定において、留意すべき事項は下記のとおりです。
1)納税者の定義の変更
2)月単位から年単位の納税に変更と基礎控除額の変更
3)「総合所得」の導入
4)税率表の改定
5)控除項目に子女教育費、継続教育費、高額医療費、住宅ローン利息又は
住宅賃料、高齢者扶養支出を明記。

 上記変更により、基礎控除の拡大(従来、中国人3,500元外国人4,800元
であったのを、5,000元に引き上げ)及び税率変更により、高所得者を除き、
個人所得税は減税となる可能性が高い状況です。さらに、追加控除項目が設
定されたことにより、さらなる減税も見込まれます。

 また、10月1日以降に支給される給与については、前倒しで基礎控除・税
率表の変更が前倒しでスタートすることになります。

 今後、関連規定が発表されることになりますので、随時情報収集を行い、
対応を検討されることをお勧めします。

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