税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2018年12月

 ベトナムでは労働者保護の観点から雇用者には厳しい解雇規制がございます。
今回は、雇用者側での一方的な解雇が認められている手続きをご紹介いたしま
す。前提としてベトナムの雇用形態には試用期間、有期雇用契約、無期雇用契
約の3形態あることにご留意ください。

 試用期間や有期雇用の場合、雇用契約を更新しない旨を期間終了(試用期間
30日前、有期雇用15日前)までに書面にて通知する必要があります。また、無
期雇用契約の場合、労働者が頻繁に労働契約に定める業務を遂行しない場合、
病気・事故で一定期間労働能力を回復しない場合、自然災害等による生産規模
縮小などの場合のみ認められ、雇用者から従業員に対して契約解除日の45日前
に書面にて通知する必要があります。

 なお、懲戒解雇する場合はさらに厳しくなり、まず労働者側が《1》懲戒解
雇事由に該当すること、雇用者側で《2》懲戒手続きが必要となります。

《1》懲戒解雇事由とは
a. 窃盗、横領、賭博、故意に人を傷つける行為、職場内での麻薬の使用、技
術的機密及び企業秘密の漏洩、知的財産権侵害、その他使用者の財産及び利益
に対して重大な損害を与える行為又は特別重大な損害を与える恐れがある行為
を行った場合。
b.懲戒処分として昇給の据え置き及び降格が行われた場合において、一定期
間内に同一内容の違反を犯した場合
c.正当な理由なく月5日または年間20日欠勤した場合

上記3点が労働法上の解雇事由に規定されております。

《2》懲戒手続きとは
法廷で聴聞手続きを経る必要があります。手続きには従業員と労働組合の執行
委員会が出席し、雇用者は従業員の過失を証明する必要があります。
また、従業員は弁護士を選定する権利があり、雇用者は労働者の過失を証明す
る必要がございます。聴聞手続きで認められた場合のみ、正式に懲戒解雇が可
能となります。

 上記のように、労働者の解雇手続きは法律に明記されており、労働者の解雇
を検討する際には慎重に検討する必要がございます。

 人口減少による労働力の低下が年々進行する中、海外から日本への留学生は
増加傾向にあります。そういった状況から、以前よりも留学生の採用を考える
企業が増加しているのではないでしょうか。
 実際、留学生の中でも日本での就職を希望しそのまま日本へ滞在を続けたい
という方、日本での数年の就業後母国へ帰国したいという希望を持つ方等多様
化しており、企業にとっても意向にマッチした人材の採用が叶えば相当のメリッ
トがあるように感じます。

 留学生の採用による企業側のメリットとしては、以下のようなものが考えら
れます。

《1》海外子会社のバックアップ
 将来的な海外子会社への勤務を見越して採用するケースが考えられます。
企業としては、海外子会社へ勤務となる人間が、日本への留学、就業経験のあ
る人間であることは、日本の文化等に馴染んだ上での勤務となるため共通意識
をもっての仕事が可能となります。

《2》語学力への期待
 海外子会社と、より強固な意思疎通を図るために採用するケースもあるでしょ
う。母国語及び日本語での意思疎通が可能であれば、海外子会社への指示指導
や、現地勤務従業員の不平不満等の把握など、日本本社の業務に従事している
間であっても、海外子会社との橋渡し的な役割を任せられそうです。

《3》優秀な人材の確保
 本社の希望する、知識や経験を有する人材が偶々留学生であったというケー
スも考えられます。その上で語学力等の付加価値があれば、よりその留学生が
採用に際し魅力的に感じます。

 上記のように業務について魅力的な部分も多い反面、文化の違い等により企
業になじめない、といったケースについても考えられます。メリット及びデメ
リットを総合的に判断の上、採用をお考えいただく必要がございます。

 企業が海外進出をするにあたっていくつかの手順を踏む必要があります。
今回はこの手順について記載させていただきます。

 手順を大きく分けると「海外進出検討段階」、「海外進出準備段階」、
「生産・営業準備段階」の3段階になります。この3段階の中で、最初に行
う「海外進出検討」をさらに細分化すると以下の通りになります。

1.自社の経営理念・ビジョンの明確化と海外進出目的の明確化
2.進出のための情報収集(国内にて)
3.簡易計画書作成
4.現地調査
5.事業計画書作成
6.最終的な意思決定

大切なことは最初に行う「自社の経営理念・ビジョンの明確化と海外進出目
的の明確化」です。海外進出の目的が自社の理念・ビジョンに合っているの
かを確認します。

 下記の問いかけに明確な答えを持っている必要があります。
・なぜ海外なのか、国内ではダメなのか。
・なぜ今なのか、時期の検討はしたのか。
・海外進出のための体制はできているのか。人材はいるのか。

この部分が確定していない場合、2~6に一貫性がなくなり計画を作成して
も実現性が低くなります。

 昨今は規模の大小にかかわらず海外進出を検討する企業様が増加しており
ます。進出ありきになってしまい、海外進出が企業の手段でなく目的になっ
てしまっていないか確認が必要です。タイミングを逸しないためにスピード
も大切ですが、自社の理念・ビジョンの手段として必要な戦略なのかじっく
りご検討をされてはいかがでしょうか。

 資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人については、
下記の制度(いわゆる中小企業向け特例措置)の適用はありませんが、この取
り扱いは親会社が外国法人である場合も同様です。

(1)貸倒引当金の繰入れ
(2)欠損金等の控除限度額
(3)軽減税率
(4)特定同族会社の特別税率(留保金課税)
(5)貸倒引当金の法定繰入率の選択
(6)交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
(7)欠損金の繰戻しによる還付制度

 株主に異動があった際には特に注意が必要です。例えば日本法人の設立時に
は親会社の役員が一部個人出資しているなどの理由により完全支配関係ではな
かったものが、株式を親会社に譲渡して完全支配関係となるような場合が想定
されます。このような場合には上記特例が適用できなくなり、税額に大きな影
響を与えることになります。
 一方で、グループ法人税制については外国法人との間の取引については適用
対象外となりますので、この点にも留意が必要です。

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