税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2019年02月

 ベトナムの有給休暇制度の概要をご説明します。

 1年以上勤務した労働者に対して通常12日間の年次有給休暇が与えられます。
1年未満勤務の場合、労働期間に比例して算定され、通常勤務1か月につき1日与
えられます。年次有給休暇は5年毎に1日増加します。また、試用期間も有給休
暇の計算期間に含みます。

 未消化の有給休暇の取扱いは労働法で規定されておりません。従って、企業
は買取か繰越のいずれかの方法を規定することができます。買取の場合、年度
末に当年の未消化有給を買い取るケースが多いです。翌年以降に繰越す場合、
繰越期限を1年以内とするケースが多いです。まれに年度末に未消化の有給休暇
を消滅させるケースもございます。
 なお、従業員が退職するにあたり、未消化の有給休暇があり従業員が希望し
た場合、企業側は買取する義務があります。

 従業員が在籍中と退職時の場合では未消化の有給休暇の取り扱いが異なりま
すので留意が必要です。

 EPEとは、Export Processing Enterprisesの略称であり、日本語では「輸出
加工企業」などと言います。法令上の定義は、「輸出加工区内で設立され、操
業している企業」又は「工業団地内または経済区内で操業し、製品すべてを輸
出する企業」とされています。

 上述のとおり、EPEは製品を全て輸出することを前提としており、外資を呼び
込むことに一定の役割を果たしてきたと言えるでしょう。すなわち、EPEはベト
ナムの安価な人件費の利用の他、税務及び手続き上の優遇を受けることができ
ます。税務上の優遇の主な内容は、材料輸入及び製造機械設備輸入時の関税及
び付加価値税の免除、並びに製品輸出時の関税の免除となります。手続き上の
優遇としては、簡素な通関手続きなどとなります。

 このようにEPEは輸出前提の制度ですが、ベトナムのGDPは年々上昇し(1,154
USD/人:2008年→2,353USD/人:2017年;世界銀行資料より)、ベトナム人の購
買力も向上しています。また、ベトナムは人口約9千3百万人とされており、ベ
トナム国内市場は、購買力の向上と人口ボリュームから、外国投資家にとって
無視できないマーケットとなっています。

 このような中、EPEの形態で操業を行っている企業もベトナム国内販売をする
企業が多くなってきています。商品販売をするには、商品販売のライセンス取
得及び支店の設置又は在庫・会計帳簿の区分が求められます。製品を国内販売
する場合は、輸出入取引の手続きを行う必要があります。法令上、「国外にあ
る会社」に類似した扱いを受けているため、国内販売をする場合、ベトナム国
内企業に比べ税務及び手続き上、煩雑であると言えます。

 さらに、近年、EPE企業に与えられてきた関税及び付加価値税などの優遇措置
は、EPEでない企業でも類似の恩典を受けることができるようになりました。
今後、ベトナムへ進出する製造業の企業形態は、EPEとする割合は低くなること
が予想されます。

 今回は「社内レート」について記載させていただきたいと思います。
社内レートとは文字通り「社内で使用するレート」です。社内レートの決定
方法は過去の実績から為替の推移を予測して設定します。

 予算管理や事務処理などを行う時に都度、為替変動の影響を反映させよう
とすると、業務量が多くなります。それらを回避し効率的に業務を行うため
に設定するものです。

 為替相場が大きく変動した場合に、上場企業の想定レート変更が新聞で報
道されることになりますが、想定レートも社内レートの一種です。社内レー
トが実際の相場から大きく相違する場合には、見込みの売上高や収益が大き
く変動する可能性がありますので、新たなレートを再設定する必要がありま
す。但し、社内レートの水準と実勢相場の差は結果として為替差損益か営業
外損益かに反映され、最終の損益は変わりません。

 社内レートは内部管理上のレートになるため、用途に合わせてレートを変
えることがあります。例えば、事業計画を作成するために使用する社内レー
トは通年に適用するレートを決めますが、日々の取引用に使う場合には、よ
り短い期間に見直しをすることが一般的です。

 社内レートの水準決定の際に考慮すべき点は、社内レートはあくまでも社
内で使用するレートになるため、株主への報告や税務当局等に報告する際は、
会計ルールや税務ルールに則ったレートを使用しなければいけません。
業務の効率性と正確性のバランスを取りながら、ルールを決めていただけれ
ばと思います。

 日本で働く外国人労働者について年末調整を行う場合、国外に住む家族につ
いて配偶者控除や扶養控除の適用を受けようとする場合には、その家族につい
ての「親族関係書類」や、実際に仕送りをしていることを証明する「送金関係
書類」といった書類を、扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書へ添付し提出、
または提示する必要があります。
 「親族関係書類」はパスポートの写し及び戸籍謄本など、その家族の氏名、
住所、生年月日等が確認できる書類が該当します。
 「送金関係書類」は、その家族に対しての送金であることが確認できる書類
や、その家族がクレジットカードの利用により生活用品を購入し、その購入費
用を送金している場合には、そのクレジットカードの利用明細なども「送金関
係書類」に該当します。
 複数の親族について扶養控除等の適用を受けようとする場合には、その親族
ごとに送金を行う必要があり、その親族ごとに「送金関係書類」の提出、提示
をすることとなります。

 一方で、一部の外国人労働者については源泉所得税自体の取り扱いが異なる
ケースがあります。国内法の規定よりも優先される租税条約の規定により、一
定の要件を満たす大学教授や留学生等については、その支払いを受ける給与に
ついて源泉所得税の免除や軽減されることが定められています。
 大学教授については、学校教育法に規定する学校において行う教育または研
究に対して支払われる報酬が対象となります。留学生等については、学校教育
法に規定する学校の学生であり、「資格外活動」の認定によりアルバイトをし
ている場合におけるそのアルバイト料が対象となります。この場合における
「学校」には、学校教育法に規定するものが対象であるため、民間の日本語学
校等は含まれません。
 租税条約の規定により源泉所得税が免除等されるためには、その給与等の支
払者の所轄税務署長に「租税条約に関する届出書」を提出することが要件とな
ります。届出書の提出が無い場合には、通常通りの源泉徴収が必要であること
にご留意ください。

 また、上記免税等の規定は日本と租税条約を締結している国が対象となりま
す。国ごとによって租税条約の取り扱いも異なるため、適用の場合には事前確
認が必要です。

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