税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2019年05月

 ベトナムの企業は、設立1年後に会計資格所有者をチーフ・アカウンタントと
して登録する必要があります。この情報はインターネットで検索可能なので、
ベトナムに進出している又は進出予定の企業様も良くご存知の情報となってい
ます。

 昨年末に定められた財務省の通達(132/2018/TT-BTC)によれば、ある特定の
ベトナム法人は、チーフ・アカウンタントを登録する必要がなくなりました。
ある特定のベトナム法人とは、以下の法人をいいます。

1.農業、林業、水産業及び建設業を営む法人
  社会保険に加入している従業員が年間平均10人を超えない
  売上高及び総資本金が30億VND(約1,500万円)を超えない
2.商社及びサービス業を営む法人
  社会保険に加入している従業員が年間平均10人を超えない
  売上高が100億VND(約5,000万円)を超えない
  総資本金が30億VNDを超えない

製造業は対象外となっていますが、サービス業で進出される場合は、この通達
の恩恵を受けることができるかもしれません。

 ふるさと納税について、過度な返礼競争を防ぐために返礼品の規制が入る予
定であり、今年も世間を騒がせそうです。今回は、海外赴任者のふるさと納税
について考えてみましょう。

 ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄付(ふるさと納税)を行った場
合に、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則と
して全額が控除される制度です(一定の上限があります)。控除を受けるため
には原則として、ふるさと納税を行った翌年に確定申告をする必要があります。

 しかし、例えば2019年4月1日に1年以上の予定で日本を離れ、海外勤務する人
は、2020年1月1日現在において国内に住所を有しないため、2019年分の所得に
対する住民税の納付義務がありません。そのため、2019年において実施したふ
るさと納税による住民税の減額の適用を受けることができません。その一方で、
所得税については、確定申告を行うことで寄附金控除の適用を受けることがで
きます。

 次にワンストップ特例についても考えてみましょう。ワンストップ特例とは、
平成27年4月1日以降、確定申告の不要な給与所得者等は、ふるさと納税先の自
治体数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税を行った各自治体に申請す
ることで確定申告が不要になる制度です。ワンストップ特例の適用を受ける場
合には、所得税の寄附金控除は適用されず、ふるさと納税に係る所得税相当額
を含め、ふるさと納税を行った翌年の6月以後に支払う住民税の減額という形で
控除されます。つまり、ふるさと納税による税額軽減をすべて住民税で吸収す
ることになります。

 したがって、年の途中で海外赴任される方については翌年の住民税がありま
せんので、ワンストップ特例を適用して税額メリットを享受することはできま
せん。そのため、確定申告を行い所得税の寄附金控除だけを適用することにな
ります。

 以上のように海外赴任をした方については、ふるさと納税による税額軽減を
全て享受することができませんので、海外赴任の可能性がある方は、年内に赴
任することがないと分かった段階でふるさと納税をした方が良いかもしれませ
ん。

 ベトナムでは転職は一般的で1年を通じて退職する方が多くいます。今回は
退職した従業員への退職金に関してご説明いたします。

 ベトナムの労働法上、雇用者は1年以上正規雇用した被雇用者との契約を終
了する際、1年につき半月分の賃金相当の退職金を支払う義務があります(労
働法第42条)。退職金の算出のベースとなるのは、退職前6ヶ月間の平均賃金
となり、雇用契約書に記載された手当なども含まれます。なお、懲戒事由で解
雇する場合、退職金を支払う義務はありません(労働法48条)。

 ベトナムでは失業保険制度が2009年より導入され、当該失業保険制度より退
職金が給付される仕組みとなっております。2009年以降の勤務期間に対する退
職金に関しては、失業保険に加入していれば雇用者からの支払いは発生しませ
ん。ただし、2008年12月31日以前の勤務期間に対応する退職金については、雇
用者が退職金を支払う義務があります。したがって、2008年以前より雇用して
いる被雇用者が退職する場合は留意が必要となります。

 従業員の退職時には上記以外にも細かい規定がございますので、専門家に相
談することをお勧めいたします。

 付加価値税(VAT)とは、日本でいう消費税に相当する税で、モノやサービス
などに対して課税される税があります。

 日本なら、企業が大きな投資、赤字(売上少なく)になった場合や輸出取引
(売上は免税、仕入は消費税課税)によって、仮払消費税に超過があった場合
には、確定申告によって納めすぎた税額は還付してもらうことが可能です。

 ただ、ベトナムでは2016年にVAT還付は例外扱いとなり、原則、還付はされ
ない規定となっています。特に、ベトナム国内で商社が行う輸出加工型企業
(EPE)への再輸出取引-海外から仕入れ(付加価値税を負担)た商品をその
まま、EPE企業へ販売(輸出の取引扱い/付加価値税は免除)する取引―では、
付加価値税の還付がされないことで、商社のコスト上昇や、EPE企業にとって
の仕入価格が上昇するという大きな問題を抱えていました。

 それが2017年12月のDecree146にて改正をされました。非関税区域への再販
売、他国への再輸出に関連する未控除の仕入付加価値税が3億VND(約150万円)
以上である場合には還付申請が可能と規定されました。

 これにより、これまで問題となっていた上記の取引についても還付申請が可
能となり、再輸出をメインで行う商社にとっては朗報となりました。また、購
入先であるEPE企業にとっても、仕入価格の引き下げが期待できるのかもしれ
ません。

 2018年2月以降発生の取引は還付申請が可能で、それ以前分については明確
ではありませんが、恐らく還付は可能なものと推測され、当局に確認をしなが
ら手続きをすすめてゆくことになると思われます。

 ベトナムという国は、“とりあえずやってみる”という感覚としか思えない
ほど無思慮に法案を作成し、関連法案間に不整合があっても平然と施行してく
る気がしています。そして、施行後に異論が噴出すると“さっと”引っ込めて
しまう。法案にさえ納税者がチェックする自己責任?が求められているようで
あります。

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