税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2019年07月

 設立5年前後のお客様より税務調査に関するご質問を頻繁に受けるようにな
りました。ほとんどのお客様にとって初めての税務調査になるので気になるこ
とも多いとのこと。今回は、税務調査の概要をご紹介いたします。

 まず、税務調査のタイミングですが、毎年のように調査が入る会社もあれば、
10年以上も調査がない会社もあります。罰金の時効が5年のため、5年に1回の
ペースで調査が入るのが一般的です。

 また、日本の税務調査同様、税金の過少申告が指摘されると、罰金、重加算
税、延滞税等の追徴課税がなされます。特に重いのが重加算税で担当官の裁量
で100%から300%の追徴課税される可能性があります。

 税務調査の流れとして、税務調査実施1~4週間前に税務署より調査内容・日
程に関して連絡があります。その際、正当な理由があれば日程調整が可能です。
次に、実施調査を会社にて行います。通常4名程度の調査官が1週間程度、帳簿
や契約書等の資料を確認します。実施調査の後、1週間程度で決定書のドラフト
が作成され、指摘条項が通知されます。最後に、決定書のドラフト通知後3週間
程度で正式な決定書が発行され、追加納付をして完了となります。

 税務調査において指摘される項目には傾向があります。駐在員の個人所得税
を適切に納付しているか、海外法人と取引で各種税金の納付漏れはないか、金
額規模の大きい取引の確認、優遇税制の適用に問題ないか等です。これらの項
目は、専門家の指導がない限り見落としがちな項目となりますので、税務署と
しても指摘しやすい項目となります。

 いずれにせよ、税務調査対応は専門家との連携が不可欠となりますので、日
ごろから専門家との相談を密にすることが、税務調査リスクを低くする鍵とい
えそうです。

 日本・フィリピン間の租税条約では、「みなし外国税額控除」が規定されて
おりますが、この適用の期限を迎え、平成31年1月1日以後に開始する各事業年
度において日本の居住者が取得する所得から廃止されています。つまり、3月決
算だと進行期の令和2年3月期から適用がありませんので、注意が必要です。

 また、3月決算法人を前提として、平成31年3月期において収入計上した使用
料等については、その支払いが翌期の令和2年3月期において行われたとしても、
すなわち、フィリピンでの課税が翌期になったとしても、みなし外国税額控除
の適用がありますので、その点もご留意下さい。

(みなし外国税額控除とは)
 発展途上国では、経済発展や開発促進を目的に自国に先進国の企業を誘致す
るための手段として、外国企業の税金を減免する場合があります。この進出企
業にとってのメリットを外国税額控除の仕組みが帳消しにしてしまいます。そ
れは、外国税額控除が全世界の所得を一旦すべて日本の法人税の課税対象とす
る制度だからです。開発途上国で減免を受けたはずの所得に対して日本の高税
率の税金がかかってしまい、減免の効果がなくなってしまいます。そこで、租
税条約の定めにより、本来納付していない減免税額を納付したものと「みなし
て」外国税額控除を適用できる「みなし外国税額控除」という制度が定められ
ています。

 ベトナム、ホーチミンへの新規企業進出は、日本での人手不足とベトナムの
IT企業の誘致を反映したIT、オフショア開発企業が多くなっております。今回
は一定条件を満たしたソフトウェア開発企業に適用される優遇税制に関して説
明いたします。

 優遇税制の内容は、15年間の優遇税率10%および4年間の免税、9年間の50%
減税となっています。優遇税制を適用するには、前提として「ソフトウェア製
造」をしている必要があります。「ソフトウェア製造」とは、対象企業が下記
3条件を満たす場合となります。

≪1≫企業登録証明書、投資登録証明書の承認がある。

≪2≫通達09/2013/TT-BTTTTに記載のソフトウェア製品リストのうち、最低1項目
 を製造している

≪3≫下記1) 2) のいずれかに該当している
1)工程2~4のうち、一つ以上を行う場合
2)工程1または5を行う場合、工程2~4のいずれかと合わせて行う場合
3)工程6を行う場合、加えて工程1~5を全て行う場合

工程1:要件定義
工程2:分析、設計
工程3:プログラミング、コーディング
工程4:検査
工程5:完成、梱包
工程6:インストール、メンテナンス
工程7:販売 、配布

 上記条件に該当する企業はソフトウェア開発企業への優遇税制は受けられま
すが、条件を満たすか否かについては、適用前に専門家に相談することをお勧
めいたします。

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