税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2019年10月

 2018年3月に財政部・税務総局・税関総署より「増値税改革の深化に関する
政策の公告」(財政部 税務総局 税関総署(2019年)39号)が発表されまし
た。このうち、税率変更・交通費仕入税額控除についてこれまでに報告させて
いただきました。今回は、仕入増値税の還付について報告させていただきます。

 増値税の納税額の計算は、日本の消費税に類似しており、売上増値税から仕
入増値税を控除して計算を行います。ただし、消費税との相違点としては、売
上消費税よりも仕入消費税の方が上回る場合還付となるのに対し、増値税は、
売上増値税よりも仕入増値税の方が上回る場合は、翌月以降に仕入増値税の繰
延となり、還付されることはありませんでした。(輸出の場合は除く)

 それが今回の改正によって、一定の条件を満たす場合は、仕入増値税の還付
が認められることとなりました。
 
1.仕入増値税の還付が認められる条件
 1)2019年4月以降、6カ月連続で繰越税額の増加があり、かつ、6カ月目の
  未控除税額(2019年3月末残高からの増加額)が、50万元以上であること。
 2)納税信用ランクがA級、もしくは、B級であること。
 3)還付申請前36カ月の期間、脱税行為(不正還付、発票の偽装など)が発
  生していないこと。
 4)還付申請前3カ月の期間、税務機関からの処罰が2回未満であること。
 5)2019年4月1日以降、即時徴収・即時還付、事前徴収・事後還付という優
  遇措置を受けていないこと。
 
 ⇒50万元という基準で小規模の還付を対象外とするとともに、適正な納税対
応をとっている企業に対してのみ実施するという意図が明確になっています。

2.仕入増値税の還付の計算
 還付金額=増加した仕入増値税額×仕入構成比率×60%
※仕入構成比率とは、全ての仕入増値税に占める「増値税専用発票」「税関輸
入増値税納税証明」「税務納税証明」の合計仕入増値税の割合となります。

 ⇒仕入増値税は今回の改正により、交通費も仕入増値税の計算対象となった
り、加算対象となったりしているため、仕入構成比率はあくまでも通常の資産
及びサービスの購入に係る仕入増値税のみを還付対象とする、という解釈です。

 生産型企業で投資・仕入が先行している会社であれば、最短で19年10月以降
の還付申請が可能になるため、自社の状況が仕入先行となっている場合、要件
に合致するか、確認をお勧めします。

 ハノイ市税務局は、間接出資持分の譲渡について、税務局の課税方針を示し
た公文書(2019年6月10日付ハノイ市税務局はオフィシャレーター第44290/CT-
TTHT号)を発行しました。この公文書では、外国法人(外国の法令により設立
された法人)が、ベトナムの法令により設立された法人に出資している他の外
国法人の株式等を第三者の外国法人に譲渡する場合、譲渡法人の経営拠点にか
かわらず、ベトナム法人の出資持分譲渡による所得があるとして、ベトナムに
おける企業所得税を納付する義務があるとするものです。

 つまり、ベトナム法人である孫会社の出資持分を保有するベトナム国外にあ
る子会社株式を譲渡した場合、子会社株式を譲渡した親会社にベトナム孫会社
の出資持分譲渡所得の納税義務があるということになります。このことにより、
一定の要件を満たせば出資持分や株式譲渡所得が課税対象にならない国(シン
ガポールなど)などに設立した子会社が、ベトナムに孫会社を有する場合、そ
の子会社株式を譲渡した際に、親会社は子会社所在国では申告納税義務はなく
ても、ベトナムでの申告納税(納税は必要な場合)を行う必要があるというこ
とになります。

 納付すべき企業所得税額は、譲渡収入、取得原価及び持分譲渡活動費用に基
づき確定され、申告納付は孫会社であるベトナム法人が行うこととなります。

 グループ内にベトナム法人がある場合、グループ内の株式及び出資の譲渡に
はご注意ください。

 海外へ進出する企業が増加し、目的も多様化するなか、内部統制構築につい
ての考え方が変化しています。これは海外現地法人が単なる生産拠点ではなく
営業拠点として機能するなど、海外拠点の機能が変化していることと、日本人
駐在員を派遣せず、現地メンバーで事業を行うといった組織体制の企業が増加
していることが影響していると考えられます。

 海外現地法人の形態が多種多様になるため、これまでの法令で決められてい
るから内部統制を行うのではなく、戦略的かつ実効性のある内部統制の構築が
求められるようになっています。日本国内のみで事業を行っていたときには理
解しがたい問題が発生します。この問題の発生を最初から全てクリアにしてお
くことは非常に難しいため、問題が発生した際に、それを避けるのではなく、
積極的に規定の文書化、ルールの周知、その運用評価を行うことによって、今
まで不可解であった海外子会社を理解し、統括することによってグループ全体
として最適な戦略を踏むことが可能になります。もう一つ重要なのは問題が発
生しているかもしれないと気付いた段階で、どれだけ早く対処するかという点
です。

 内部統制構築の基本的なフェーズは「1.現状調査」「2.改善の方向性検
討」「3.改善後の業務記述書作成」「4.リスク・コントロール・マトリス
ク作成」「5.整備、運用評価」となります。

 詳細については今後記載させていただきたいと思っています。

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