税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

2020年01月

 すでに、報道されているとおり、武漢にて発生した新型肺炎は流行期を迎え、
依然感染者数は拡大の一途をたどっています。政府は流行の拡大阻止を意図し
た様々な施策を打ち出しておりますが、旧正月休暇中である企業も多く、情報
収集が後手に回ることも多いと思いますので、現時点で、現地法人に影響があ
ると思われる事項について、簡単に報告させていただきます。

≪1≫旧正月休暇の延長(全国)
 当初1月31日から休暇明けとされていましたが、2月2日まで休暇が延長され、
2月3日が休暇明けとなりました。
https://mp.weixin.qq.com/s/RZXalFxd-63vyOcVqJpNoA

≪2≫旧正月休暇のさらなる延長(上海)
 上海においては、社会インフラを担う企業を除く企業は2月9日まで、学校は
2月17日まで休暇が延長され、それぞれ2月10日、2月18日が休暇明けとなりま
した。
https://mp.weixin.qq.com/s/zXHWS5GdGuewZJlB6wRkow

≪3≫旧正月休暇のさらなる延長(蘇州)
 蘇州においては、企業は2月8日まで、学校は2月17日まで休暇が延長され、
それぞれ2月9日、2月18日が休暇明けとなりました。
関于加強新型冠状病毒感染的肺炎疫情防控工作的通告(第3号)
http://www.suzhou.gov.cn/

≪4≫労働契約・給与の取り扱い(上海)
1.新型コロナウイルス感染の肺炎患者、疑似患者、密接接触者がその隔離治
療期間或は医学監察期間及び政府の隔離措置或はその他緊急措置の実施により、
正常労働を提供できない企業従業員に対し、企業は従業員のその期間の労働報
酬を支給しなければならず、労働契約法第四十条、四十一条に基づき従業員の
労働契約を解除してはならない。この期間中、労働期間が満了する場合、それ
ぞれ従業員の医療期間満了、医学監察期間満了、隔離期間或は政府の緊急措置
終了まで順延する。

2.企業の生産停止が一賃金支給周期内で、もし従業員が正常労働を提供した
場合、企業は労働契約の規定に基づく標準で給与を支給しなければならない。
一賃金支給周期を超えて、従業員が正常労働を提供した場合、企業の支給する
給与は当地の最低賃金標準を下回ってはならない。従業員が正常労働を提供し
ていない場合、企業は生活費を支給しなければならず、生活費標準は各省、自
治区、直轄市の規定に基づき執行する。
http://www.rsj.sh.gov.cn/201712333/xwfb/zxdt/00/202001/t20200124_1302965.shtml

≪5≫江蘇省工資支付条例(※こちらは今回発表されたものではありません。)
 第31条:雇用主が労働者以外の理由で仕事を中断、生産を停止、または廃業
した場合、給与の一支払期間内であれば、賃金を支払う正常労働として扱われ
るものとする。給与の一支払期間を超える場合、賃金は労働者によって提供さ
れる労働に基づき、両当事者間で新たに合意された標準に基づいて支払われま
す。雇用主が労働者の業務を手配していない場合、労働者は現地の最低賃金基
準の80%が生活費として支払われます。国に他の規制がある場合、それらの規
制が優先するものとします。
https://baike.baidu.com/item/%E6%B1%9F%E8%8B%8F%E7%9C%81%E5%B7%A5%E8%B5%84%E6%94%AF%E4%BB%98%E6%9D%A1%E4%BE%8B
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 以上、取り急ぎ、現時点で発表されている通知を案内させていただきます。
今後も随時状況の進展に伴い、新しい通知が発表される可能性があることや、
エリアごとに詳細が異なる規定が発表されるため、引き続き、情報収集に努め
ていただくよう、お願いいたします。

 また、従業員も、地元ではなく、遠隔地に帰省している方も多く、現時点で
は封鎖されている、あるいは交通手段が止まってしまっている方も多いため、
従業員の情報収集も進めていただきますよう、お願いいたします。

 国外財産調書の提出制度とは、国外財産を有する方は、その有する国外財産
について申告する仕組みです。

 具体的には居住者(非永住者を除きます。)の方で、その年の12月31日にお
いて、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その国
外財産の種類、数量及び価額、その他必要な事項を記載した「国外財産調書」
を、その年の翌年の3月15日までに、住所地等の所轄税務署に提出する必要が
あります。

 2019年7月には「国外財産調書」の不提出(海外預金未申告)による、国外財
産調書法違反容疑で、全国で初めて告発された事件が報じられました。国外財
産調書を提出しなかった場合には、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に
処すること」とありますが、これまで罰則は適用されてきませんでした。

 この背景には、CRS(共通報告基準)の適用により、国税庁がこれまで把
握出来ていなかった“国外財産”そこから発生する収益を認識する事が出来る
ようになった事が影響していると考えられます。

 CRS(共通報告基準)とは、OECD(経済協力開発機構)が定めた基準
で、国際的な租税回避を防止するために、各国で金融口座情報を共通化し、自
動交換する制度です。この基準に参加している国の金融機関は、税務上の非居
住者を特定し、当該口座情報を自国の税務当局に報告する必要があります。非
居住者の金融口座情報を報告する義務を負う金融機関は、銀行等の預金機関、
生命保険会社等、証券会社等とされています。

 日本は2018年からこのCRSの適用が開始されました。そのため、今後も課
税逃れ抑制の動きは益々加速していくと考えられます。国外財産調書は、財産
債務調書と異なり、確定申告書の提出義務にかかわらず、提出義務がある場合
には、提出する必要があります。

 国外財産を有する方は改めてその概要をご確認いただき、国外財産調書の不
提出とならないように十分にご注意ください。

 日本では働き方改革についていろいろ言われておりますが、ベトナムでも労
働者の生活を考慮してか、法定労働時間について労働法改正の動きがあります。

 特に週の労働時間について、現状48時間を44時間に短縮する案がベトナム労
働総同盟提案されていました。しかしながら、雇用主や企業代表者はこの短縮
案に反対であり、ベトナム政府は労働法改正案において、週の労働時間44時間
とする箇所を削除したようです。

 この週の労働時間の短縮は、多くのベトナム製造企業にとっては、あまりプ
ラスの要素はないようです。特に、日系のベトナム製造企業では、日本の親会
社や中国法人で使用していた中古の機械設備を使用している企業がほとんどで
あると聞きます。これらの機械設備は、新品と同様の生産性を発揮できるもの
が多いようですが、中古の機械設備による現状以上の生産性向上はあまり期待
できず、週の労働時間の削減は生産量の減少を意味するものと考えられます。
 
 因みに、年間残業時間については増加させることとなっており、年間200時間
を300時間と増加させるようです。なお、法定残業時間を超えて残業をさせた場
合、その超過時間に対する残業代は、税務上、費用となりません。
(その後、年間残業時間を増加させる案は可決されず、現状どおり、年間200時間
(特殊業種は年間300時間))のままとなっております。)

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