税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2020年06月

 非永住者は、次の所得に対して課税されます。

1   国内源泉所得
2-1 国外源泉所得で日本国内において支払われたもの
2-2 国外源泉所得で日本国内に送金されたもの
 
※非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に
日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいい
ます。
  
 今回は、上記「2-2」のいわゆる送金課税について記載します。

●概要
 非永住者について、国内源泉所得のうち国外で支払われたものがあり、かつ、
同年に国外から日本国内に送金されたもの、がある場合には下記の例のように
課税所得を計算します。

●例
・国内源泉所得 国内払い:700万円
・国内源泉所得 国外払い:300万円

・国外源泉所得 国外払い:400万円   
・国外から日本国内への送金額:500万円

国内源泉所得は、
700万円 + 300万円 = 1,000万円
となります。

国外から日本国内に送金されたもの、として課税される金額は次のいずれか少
ない金額となります。

・国外源泉所得 国外払いの合計額 400万円
・送金額500万円から、“国内源泉所得 国外払い”300万円を控除した
 残額200万円
    
よって、200万円 < 400万円 となり、200万円が国外源泉所得で日
本国内に送金されたもの、として課税されます。

以上より、
1,000万円 + 200万円 = 1,200万円
が日本での課税所得となります。 

 送金課税は送金資金の原資が、送金した年の国外源泉所得ではない、又は送
金元の口座が国外源泉所得の発生国の口座ではなくても課税されます。

 送金資金の原資を問わずに、課税の対象となるため注意が必要です。

 2020年5月7日現在、ベトナムのコロナウィルス感染者数は、288名となって
おり、4月17日からの新規感染者は、全て海外からベトナムへ入国した方となっ
ております。バス及びタクシーなどは通常通りの運行をしており、国外便は依
然として、原則、受入を行っていませんが、ベトナム国内航空便も徐々に運行
を再開しています。5月7日には、ディスコなどを除き、全てのサービス業の営
業が認められました(依然として、店内では、マスクの着用、手洗い及び消毒
をしなければなりません)。

 このような状況において、ベトナム政府が新型コロナウィルス感染防止のた
め経済活動休止命令したことに対し実施した主な経済対策は、以下の通りとな
ります。

1.賃金支給のための無担保・無利息貸付(最長3か月)
2.社会保険料の一部延納(最長1年間)
3.労働者に対する賃金補填
  2020年4月~6月の3か月間、1,000,000VND~1,800,000VND/月
4.税及び土地使用料の延納
  付加価値税、個人所得税及び法人税が対象。業種及び企業規模の制限あり
5.商業銀行貸付利息軽減の要請

 これらの対策では、経済活動休止及び海外の経済停滞による影響を軽減する
ことはできないとの報道もあります。日系企業は、親子ローンや日本の銀行か
らのクロスボーダーローンが当面の対策となりそうです。

 なお、出入国について、依然として外国人は出国することはできますが、原
則、入国できないこととなっております。

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大して
おり、感染者や死者が増加するなど状況が世界的に深刻化しています。

 3月時点では業績への影響が少なかった企業様もありましたが、4月に入ってか
らは状況が大きく変わりました。3月では売上減少1割程度だったのが、4月になる
と売上減少5割となっている事例もあります。

 各国において休業要請が出されたことで海外現地工場が休止となってしまい、
日本側に資材や製品が納入されなくなってしまったケースや、逆に海外現地工場
は稼働しているものの、日本側の経済活動が縮小しているため納品が延期されて
しまっているケースなどがあります。

 人の移動に関しても、駐在員を日本に帰国させたものの、入国規制等によって
海外現地へ戻すことができずに、現地では日本人がほとんどいない状況が長期化
し、処理に遅れが生じているなどの事態も生じています。

 日本では5月25日に5都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)
についても緊急事態宣言が解除されました。しかし、新たな生活様式を踏まえた
経済活動では復調までに相当の時間を要するものと予想されています。

 緊急事態宣言が解除された現在は、第2波、第3波に備えて準備をしておく非
常に大事な時間です。そのためにも資金繰りは非常に重要です。経済産業省など
の各省庁HPでは新型コロナウイルス感染症により業績悪化した企業に対する支援
策を日々更新しています。融資、助成金、納税猶予など様々な支援策があります
ので、頻繁にチェックして利用可能な制度は極力利用しながら、資金を捻出して
おくことが必要です。

 なお、各種支援策については、申請から入金までタイムラグが生じるものもあ
りますので、資金計画も重要です。また、各国においても支援策が打ち出されて
いますので、現地での情報収集も可能な限りしておく必要があります。

 内国法人が事業年度終了の時に外貨建資産等を有する場合には、その種類に
応じて期末時レートにより換算し評価するもの(以下「期末時換算法」といい
ます。)と、発生時のレートにより評価するもの(以下「発生時換算法」とい
います。)に区別されます。決算時において、外貨建資産等の把握を行い、そ
の上で期末時レートによる評価が必要なものか不要なものか判断を行うことと
なります。どちらの換算方法によるものかは、概ね次のように判断されます。

1.外国通貨・・・期末時換算法

2.外貨預金・・・発生時換算法又は期末時換算法

3.外貨建債権及び外貨建債務・・・発生時換算法又は期末時換算法

4.外貨建有価証券
 (a)売買目的有価証券・・・期末時換算法
 (b)償還有価証券(売買目的有価証券を除く。)
           ・・・期末時換算法又は発生時換算法
 (c)a.b以外の有価証券・・・発生時換算法

 上記のうち「又は」との記載があるものについてはどちらの方法によるか選
定を行い、「又は」の記載が無いものについてはその方法により換算を行いま
す。換算により生じた差額は、その事業年度の益金の額又は損金の額に計上さ
れ法人の課税所得を構成します。

 選定を行うべき外貨建資産等について、その選定を行わない場合には法定換
算方法が適用されます。法定換算方法については次の通りです。

・外貨預金
(1)短期外貨預金・・・期末時換算法
(2)(1)以外のもの・・・発生時換算法

・外貨建債権債務
(1)短期外貨建債権債務・・・期末時換算法
(2)(1)以外のもの・・・発生時換算法

・外貨建有価証券
 償還有価証券(売買目的有価証券を除く。)・・・発生時換算法

 選定された方法を変更する場合には、納税地の所轄税務署長へ申請書を提出
し承認を受ける必要がありますが、その期限は変更しようとする事業年度の前
事業年度末までに承認を受けなければなりません。変更申請を行う場合には期
限にご留意ください。

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