税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2020年08月

 普段街を歩いていたり、電車に乗っていたりしても、インバウンドの影響か
至る所で英語を見かけます。時代の流れか、そのような風景が当たり前となっ
ている中で、会計税務用語を英語で見かける機会も非常に多くなっているので
はないでしょうか。今回はそんな会計税務に関する用語を、英語で表してみた
いと思います。

 まずは会計の大枠部分から、決算書、貸借対照表、損益計算書といった用語
はどう表現されるでしょうか。こちらは既にお馴染みかもしれませんが、
・決 算 書:「Financial Statement」
・貸借対照表:「Balance Sheet」
・損益計算書:「Profit and Loss Statement」
と表現されます。それぞれ省略して「F/S」「B/S」「P/L」と呼称されているた
め、既に日本語のような感覚になっていると思います。

 ただし他にも表現の方法はあり、例えば貸借対照表であれば「Statement of
Financial Position」のように表現することもあります。“Statement”一つで
は、陳述、供述、発言という意味になりますので、直訳すると“財務の位置の
陳述”となり、日本語の貸借対照表をイメージすることもできるのではないか
と思います。

 貸借対照表の表示科目については、「Current Assets」「Fixed Assets」及
び「Investment and other Assets」から構成される資産の部と、「Current
Liabilities」「Fixed Liabilities」から構成される負債の部、「Net Assets」
から構成される純資産の部となります。

「Current Assets」で流動資産を表し「Current Liabilities」で流動負債を表
します。続いて固定資産、固定負債を“固定する”という意味を持つ“Fix”を
用いて「Fixed Assets」「Fixed Liabilities」と表現しますが、流動資産、流
動負債の相反するものとの表現から「Non-Current Assets」や「Non-Current
Liabilities」と表現したりもします。

 損益計算書の一番上に表示される勘定科目、売上は「Sales」が一般的でしょ
うか。他にも、収益を意味する「Revenue」や「Earnings」を利用する場合もあ
るようです。売上原価は「Cost of sales」と表現します。“Cost”は、既に和
製英語となっておりコストとしてそのまま≪費用≫の意味合いで使われるケー
スが多く感じますが、会計上では「Cost」は原価を表していることが一般的で
す。

 一方で、販売費や一般管理費などのいわゆる≪費用≫については「Expense」
と表現することが多いと思います。「Entertainment Expenses」などにより、
接待交際費は表現されます。税務として一般的な交際費の損金不算入は「Non-
Deductible Entertainment Expenses」などと表現されます。

 上に記載したものはあくまでも一例にすぎず、同じ用語でも様々な表現の方
法があります。タックスヘイブンの検討など、海外子会社の財務諸表や現地申
告書を見る機会が増加していると思いますので、少しでも参考にしていただけ
ますと幸いです。

 令和2年度税制改正大綱により、「国外中古建物の不動産所得に係る損益通
算等の特例」が新設されました。これによって、令和3年以降の各年において、
海外不動産を活用した、節税スキームが利用出来なくなります。 

【背景】
 投資目的で海外中古不動産を購入した富裕層等は、減価償却の簡便法を利用
して、多額の減価償却費を計上し給与所得等と損益通算する事で、所得税を減
額させる節税スキームを利用する事が出来ました。

 しかし、本改正の以前から日本の減価償却の特例を、海外中古不動産に利用
するのは合理的ではないとされていました。

 例えば、下記の簡便法を、法定耐用年数の全部を経過した木造住宅の海外中
古不動産で利用した場合、減価償却期間は4年で年間の減価償却費が多額とな
り、不適切な損益通算を利用出来るためです。
 
●中古資産の耐用年数(簡便法)

(1)法定耐用年数の全部を経過した資産
 その法定耐用年数の20%に相当する年数
(2)法定耐用年数の一部を経過した資産
 その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に
 相当する年数を加えた年数

【改正概要】
 上記の背景があり、令和3年以降の各年において、海外中古不動産から生じ
る不動産所得に損失の金額がある場合、同不動産の減価償却費について損失の
金額のうち、同償却費に相当する部分は生じなかったものとみなされます。こ
れにより、損益通算を利用した節税スキームが封じられる事になります。

 また、当該特例の適用を受けた、海外中古不動産を売却した際には、譲渡所
得の金額の計算上、同特例により生じなかったもの、とみなされた減価償却費
に相当する部分の金額は除かれます。

 通常の不動産投資では、売却年まで毎年、減価償却費が計上されるため、譲
渡所得の計算上、償却期間が長いほど売却した際の譲渡所得が大きくなります。

 これが本改正により、切り捨てられた生じなかったもの、とみなされた減価
償却費に相当する金額は売却時に活用される事になります。

【実務上の留意点】 
 本改正の最大の留意点は、改正後に取得した海外中古不動産から適用される
のではなく、すでに海外中古不動産を所有している全ての個人が対象となる点
です。

 海外中古不動産を所有し、損益通算を利用した節税スキームを利用している
個人は、損益通算が出来なくなる、令和3年までに、具体的にどのような対策
を取るべきなのかを検討する事が必要です。

 6月下旬、日本政府がベトナムを含む4か国とのビジネス往来の検討を行って
いるとの報道があり、本件につき、日本に居られる顧客様からお電話でお問い
合わせをいただきました。関心の高さが伺えます。ベトナムに駐在する日本人
にとっても日本帰国は関心事であり、懇親会の席などでは必ずと言ってよいほ
ど日越往来可能時期の話題に上ります。 

 このような中、6月25日から27日の3日間に440名ほどの日本人がベトナムへ
入国しました。いずれもビジネスのための渡航で、ベトナム当局指定のホテル
に14日間隔離され、指定ホテルの滞在費等を含めた渡航費用は、40万円ほどに
なるとのことです。ちなみに、あるレストランで5月に日本から渡越された方
と偶然隣り合わせ、隔離中のお話を聞くことができました。隔離場所に指定さ
れたホテルは、リゾート地にあるホテルで眺めも良かったらしいのですが、室
外へ出ることは許されず、部屋のバルコニーにも出ることはできなかったそう
です。朝晩の検温があり、食事は三食ベトナム料理でかなりストレスが溜まっ
たとのことでした。

 私の駐在するベトナムにおけるコロナウィルス流行状況ですが、ベトナム国
外から入国する者から新規感染者は検出されるものの、国内での新たな感染は
なく、すっかりコロナ以前の状況に戻っています。そして、ベトナム人のコロ
ナウィルスに対する恐怖心は日本人の想像を超えています。このような状況で
は、1日の新たな感染者が100人を超える(7月2日は194人)日本からの訪越者
をベトナム人は歓迎しないでしょう。大衆の意向は、ベトナム政府当局の決定
に大きく影響します。ワクチン等が開発されていない状況では、日本もベトナ
ム並みとは言わないまでも、新規感染者数0の日が連続1ヶ月以上などの状況に
ならなければ、日越往来の可能性は見えてこないのではないでしょうか。なお、
7月2日現在、ベトナム航空は8月末まで、ベトジェットは9月15日まで日本発着
の全便の運休を決定しています。

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