税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

2020年09月

 経済産業省のHPにて、「日本企業のグローバル税務ガバナンス体制の整備に
向けた現状、及び検討課題の整理と9つの提言」が公表されました。
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/kokusaisozei.html

 グローバル税務ガバナンスとは、企業がグローバルレベルで税に関する法令
や規則を遵守して適正に納税し、企業の経済活動の状況の変化などを通して税
コストを最適化するための体制を整備すること、と整理されています。

 このグローバル税務ガバナンス体制を整備するための提言として、以下の9
つが示されています。
1.経営者の税務に対する積極的な関与を促す
2.税務ポリシー・税務戦略の策定のため内容を検討
3.税務ポリシー・税務戦略のグループ内への浸透方法を検討
4.日本親会社・海外子会社間の最適な業務分掌を検討
5.税務部門と事業部門の事前連携ルールを事業部と検討、策定
6.自社の税務ガバナンス体制に見合った人材配置の検討
7.企業全体を対象とした税務の観点の業績評価制度の検討
8.税務に関する情報の収集のための情報範囲や時期の検討
9.税務に関する情報の管理・共有について効率性を追求

 この中のうち少しではありますが、実務上問題になりやすい5と8について
触れたいと思います。

5.「税務部門と事業部門の事前連携ルールを事業部と検討、策定」
 税務調査の指摘で税務部門と事業部門の連携が取れていなかったと判明する
ことがあります。

 実際に、国外関連者からロイヤリティを取るべき取引を事業部が税務部門へ
の相談なしに進めたことで、ロイヤリティの徴収漏れを税務調査で指摘された、
という事例がありました。これは事前に税務部門へ相談があれば防げたはずで
すので、事業部への税に対する意識付けが重要と感じた事例でした。事業部へ
税引後利益を意識してもらうよう、経営者を巻き込んで働きかけて、連携ルー
ルを策定することが税務リスクを低減させるためには必要となります。

8.「税務に関する情報の収集のための情報範囲や時期の検討」
 外国子会社合算税制の検討をするための資料が不足する、特に申告書の回収
が日本親会社の申告時期までに回収できないことがあります。

 例えば、現地から申告書として送られてくる資料が、実際は申告書ではない
など、現地担当者や現地会計事務所へ必要資料がうまく伝わっていないことな
どが要因として挙げられます。国によっては申告期限が長いところもあります
ので、決算終了から相当期間経過しているものの、申告が終了していないケー
スもあります。

 また、今回のコロナウィルスで現地法人が在宅勤務となり、全く連絡が取れ
なくなったケースもありました。

 必要な情報を必要な時期に現地法人から吸い上げるルートの整備は、今後よ
り重要になるものと感じています。

 ベトナム国外からの入国者を除くベトナム国内のCovid-19の感染状況は、7月
後半から再び増加傾向になりました。中部のダナン市にて市中感染が確認され
たためです。これを受けてダナンでは即時にロックダウンが施行され、市内で
の活動が制限されている状況です。

 8月10日現在、ハノイやホーチミンでは毎日数名の感染者が公表されておりま
すが、集団感染の発生は抑えられています。また、現在の感染状況では2都市に
おいてはロックダウンをする計画はないと政府が発表しております。ただし、
今後の感染状況次第ではロックダウンをする可能性が高いので引き続き注視す
る必要があります。

 Covid-19に伴う企業業績悪化に対応するため、6月19日ベトナム国会では、法
人税の減額措置に関する議決 No.116/2020/QH14が可決されました。減税内容は、
2020年の納付すべき法人税額が30%減額されます。減税の適用対象は、2020年
の総売上高が、2,000億ドン(9.2億円相当)未満の企業となります。本議決は
2020年8月3日から有効となります。中小企業の多くが減税の対象になりますの
で、詳細に関しては現地専門家に相談することをお勧めいたします。

 3月28日以降、中国において、外国人の入国は原則として認められなくなり
ました。たとえ、各種ビザ・居住許可を保有していても、一時停止の取り扱い
となり、それらを根拠とした入国は認められていません。また、従前認められ
ていた、ノービザでの15日以内の滞在も認められていません。

 そのような状況下であり、現時点では業務遂行を目的として中国に入国する方法は
【1】「中国において招聘状を取得し、その招聘状に基づき、日本でビザを取得すること」
【2】「現在保有している居留許可に基づき、日本でビザを取得すること」
の2通りしかありません。

 今回は、上記について取り上げたいと思います。
 (2020年9月1日時点の状況に基づきます。)

【1】中国において招聘状を取得し、その招聘状に基づき、日本でビザを取得すること
(1)招聘状の申請先
・各地の外事弁公室あるいは商務部門
 ⇒従前は外事弁公室で対応していたものの、このコロナ対応のタイミングで
  商務部門に権限が移管されたケースも。
  また、区レベルあるいはその下の街道レベルでの申請窓口となっているこ
  ともあるため、確認が必要。

(2)招聘状の申請に必要な書類
・来華申請表
・招聘者パスポートの写し 
・招聘者情報表
・(保有している場合)就労許可・居留許可の写し
・招聘企業 営業許可証の写し
 ⇒申請先によって異なるため、窓口での確認が必須。

(3)招聘状の申請に要する期間
・多くのエリアで3週間くらいみておいてほしい、と言われることがほとんど。
  

(4)日本でのビザの取得
・上記招聘状を取得後、東京・大阪・名古屋のビザセンターにて取得。
 東京・・・https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/aboutus/281029.shtml
 大阪・・・https://bio.visaforchina.org/OSA2_JP/aboutus/282363.shtml
 名古屋・・https://bio.visaforchina.org/NGO2_JP/aboutus/281029.shtml
 ⇒9/1以降、オンライン申請,オンライン予約が求められている点に留意く
  ださい。

(5)日中のフライト状況
・在中国日本大使館・・・https://www.cn.emb-japan.go.jp/files/100047926.pdf     
 ⇒現時点では、各航空会社が週1本1路線を原則とし、感染者が出ていない路
  線について、週2便となっている路線あり。予約が集中しており、航空券
  の確保も大きな課題。路線が限られている現段階では、費用も20~40万円
  と非常に高額となっている。

(6)訪中前のPCR検査
・搭乗5日以内に検査取得したPCR検査による「陰性証明書」の取得及び
 外国籍乗客の場合は「健康状態声明書」の申請が必要との規定が7/21に発表
 されている。
 ⇒PCR検査は在外公館の指定又は認可した機関で行うこととなっている。
  発表された情報が限定であるため、渡航前に確認・対応が必要。

(7)渡航後の取り扱い
・14日間の隔離で基本は指定施設で隔離される。
 ⇒但し、7/23に新たな規定が発表され、前半7日間でPCR検査で陰性の場合、
  一定の条件を満たせば、後半7日間は自宅での隔離が認められる。

 ※一定の条件
 ・一人暮らし、同居人が居る場合は、同居人も併せて隔離となることの了承
  が得られる場合
 ・個人用トイレがあること
 ・自宅の社区の許可

【2】現在保有している居留許可に基づき、日本でビザを取得すること
 日本でのビザ取得については、上記(4)以下と同様です。
 但し、その日本でのビザ取得に際して、8/22以降は、有効な居留許可を保有
 している日本国籍人員は、招聘状が不要となりました。

  これに伴い、居留許可を保有する駐在員が、一時帰国していて、招聘状の取得が
 できておらず、中国に戻れずにいたような場合には、適用できる可能性があることと
 なります。

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