税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

2021年07月

 海外進出に伴い、国際税務の重要性は理解しているものの、何から学べば
いいかわからない、どこから手を付けていいかわからない。そのような状況に
なっていませんか?

 どのような分野でもそうであるように、国際税務についても、まずは基礎的な
知識から確実に積み上げる事が大切です。

 今回の勉強会では、実際の税務調査事例を基に、国際税務を理解する上で
大切な事項について、個別論点ごとにお話させていただきます。

【カリキュラム】
 1)中小・中堅企業における海外取引に関する税務調査の実態
 2)ヒト・モノ・カネの移動に伴う税務調査指摘事例
 3)基本的な国際税務に関する事項

 講師:税理士法人名南経営 国際部 水谷純也

【開催要項】
 日 時:2021年9月30日(木) 15:30~17:00
 会 場:Microsoft Teams ライブイベント機能を利用したオンラインセミナー
 参加料:無料(同業の皆様のご参加はご遠慮くださいませ。)
 定 員:100社様


◆◇◆お申込方法及び詳細◆◇◆
・こちらの申込フォームからお申込みください。



(お申込みいただいた方に、開催当日の約3営業日前にメールにて別途アクセス用のURLをお送りします。)

 2021年労働法改正により労働許可書に関しても改正されました。2月には政令
152/2020/ND-CPが施行され、改正労働法に関する細則に関しては今後も徐々
に発行されていくことが予測されます。
今回の政令施行による、実務上の注意点をご説明いたします。

・専門家としての申請
 労働許可書の申請区分として管理者、専門家、技術者の3区分があります。
 代表者以外の役職で申請する場合、通常、専門家として申請しますが、
 今回の改正で専門家での申請が厳格化されました。

 専門家としての条件は2つあります。
 ①ベトナムで就労する予定に適合する学士以上の学位または同等の専門教育
  の修了証明書を持ち、その専門分野に関する仕事に3年以上従事した経験
  を持つ外国人
 ②専門分野に5年以上従事した経験および公認資格証明書を持つ外国人
となっております。

 ①に関しては文学部卒で生産管理、営業管理職として申請することは就労に
適合する学位とは認められない可能性があります。
 ②に関しては具体的にどの証明書が必要かの基準が出ていない状況です。

 従って、駐在員を選抜する際には①の条件を満たすよう、卒業学部を確認し、
就労予定の専門分野と一致しているか確認が必要になります。

 また、労働許可書の更新に関しても厳格化されており、ホーチミン市、
ビンズン省等では労働許可の更新が認められず、新規取得と同様の取り扱い
となっております。新規取得となった場合、無犯罪証明書や大学卒業証明書等
の書類が追加で必要になります。更新手続きは有効期限の45日以内から申請可能
となるので、更新手続きとして申請したものの、新規取得扱いとなった場合、
早急に追加資料を準備する必要がありますので注意が必要です。

 以上、厳格化された点を説明いたしました。
今後も細則が追加される可能性は十分考えられますので、労働許可書の取得には
現地専門家に最新情報を確認することをお勧めいたします。

 海外の取引先と取引をする際、売却価格などの取引条件が外貨で表示されて
いるものを外貨建取引と言います。取引自体は外貨で契約されるのですが、
会社の帳簿は日本円で記帳をしているため、外貨を日本円に換算して記録を
しないといけません。
その際に為替レートを用いますが、為替レートには大きくわけてTTB,TTS,TTMの
3種類がございます。それぞれどのような意味で、どのレートを用いて換算を
すればよいのでしょうか。

 まず、各レートですが、TTBは銀行から見て外貨を買う(buy)ときのレート、
TTSは銀行から見て外貨を売る(sell)ときのレートとなります。
そして、これらの仲値(Middle)がTTMとなります。

 例えば、私が銀行で外貨を円に替えてもらう場合、銀行から見ると外貨を
買って円を売るという取引になりますのでTTBが適用されます。
一方で、私が銀行で円を外貨に替えてもらう場合、銀行から見ると円を買って
外貨を売るという取引になりますのでTTSが適用されます。
一般的にTTS>TTBとなり、この差額が銀行の手数料収入となります。
そして、これらの仲値をTTMといいます。

 また、外貨建取引は原則、取引発生日のTTMで換算を行いますが、継続適用を
前提に当月や前月のTTMの平均とすることもできます。
他にもTTMではなく、売掛債権については将来外貨を円にする必要があるため
TTBを、買掛債権であれば将来円を外貨に換える必要があるためTTSを用いること
も可能です。

 5月中旬の報道にありました通り、新型コロナウィルスによる財政悪化を背景に
東南アジア各国にて課税が強化されているようです。

 東南アジア各国では税財源に占める法人税の割合が高く、新型コロナウィルスに
より増えた財政出動を日系企業を含めた外資系企業への課税を通じて負担を求める
恰好となっています。

 以前、本メルマガにてOECDによる「新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に
関する移転価格執行ガイダンス」の仮訳公表についてお伝えしましたが、東南アジア
の中にはこの指針を全く考慮することなく課税してくる国もあるのではという意見も
あるようです。

 東南アジア各国での税務調査は、反論期間が短いケースが多く、事前の準備が非常
に大事になりますので、国外関連者との取引について、正当性を主張できるように改
めて整理しておく必要がありそうです。

 なお、経済産業省にて「令和2年度 進出先国税制等に係る情報提供セミナー 動画資料」
が公表されており、各国の税務調査で問題になる事項の解説がされておりますので、ご参考
いただければと思います。

https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/itax_seminar2020.html

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