税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2022年07月

 世界情勢が不安定になる中、豊富な労働力と好調な内需を背景に世界から再び注目と投資を集めるベトナム。安定した政治体制と良好な日越関係は日本企業にとっても安心材料となり、さらなる有望な市場への成長期待は高まるばかりです 。
 今回はベトナムへの進出する際に抑えておきたいポイントを実際の事例を用いてお伝えいたします。また、本社での検討が必要な事項も併せてお伝えいたします。ベトナムにご関心のある方のご参加をお待ちしております。

【カリキュラム】
 1)ベトナムの概要
 2)進出の手続き、押さえておきたいポイント
 3)本社での検討事項

【講師】
 税理士法人名南経営 国際部 石田 権治

【開催要項】
 日 時:2022年9月13日(火) 15:30~17:00    
 会 場:Microsoft Teamsライブイベント機能を利用したオンラインセミナー
 対象の方:海外進出企業様、ベトナム進出ご検討企業様
 (同業の方のご参加はご遠慮ください)
 受講料:無料
 定 員:50社様

◆◇◆お申込方法及び詳細◆◇◆
・こちらの申込フォームからお申込みください。
https://www.meinan.net/seminar/detail/00520/

※参加URLは、開催日の3営業日前【9月8日頃】に、お申込み時にご登録のメールアドレスへお送りします。
尚、開催日前日のAM10:00時点で参加URLのメールが届かない場合、お手数ですが、登録フォームの問合せ先までご連絡ください。


 2022年3月14日に、中国法人に留保されている増値税の還付政策が発表されました。今回は、こちらの内容について、取り上げたいと思います。

財政部 税務総局
増値税期末留保税額還付政策の実施を更に拡大する公告について
(财政部 税务总局公告2022年第14号)

財政部 税務総局
増値税留保税額の全額還付政策の対象拡大に関する公告
(财政部 税务总局公告2022年第21号)


どんな内容?
→まだ売上増値税から控除されていない仕入増値税が還付される。


対象となる企業は?
→1)製造業及び小型薄利企業(小型企業及び、薄利企業)

製造業 卸売業 小売業
大型
企業
従業員1,000人~かつ
営業収入40,000万元~
対象外 対象外
中型
企業
従業員300~1,000人 かつ
営業収入2,000~40,000万元
対象外 対象外
小型
企業
従業員20~300人 かつ
営業収入300~2,000万元
従業員5~20人 かつ
営業収入 1,000~5,000万元
従業員5人未満 あるいは
営業収入1,000万元未満
薄利
企業
従業員20人未満 あるいは
営業収入300万元未満
従業員5人未満 あるいは
営業収入1,000万元未満>
従業員10人未満 あるいは
営業収入100万元未満
根拠:工信部联企业〔2011〕300号

→2)製造業
  • 製造業
  • 科学研究及び技術サービス業
  • 電力、熱力、ガス及び水の生産と供給業
  • ソフトウエア及び情報技術サービス業
  • 生態保護及び環境整備業
  • 交通運輸、倉庫保管及び郵便業
※上記業務に関わる売上が全体売上の50%を超える企業

→3)21号公告により追加された業種
  • 卸売・小売業
  • 農業・林業・畜産業・漁業
  • 宿泊・飲食業
  • 生活サービス・修理・その他サービス業
  • 教育業
  • 衛生・社会事業
  • 文化・スポーツ・娯楽業
※上記業務に関わる売上が全体売上の50%を超える企業


還付の対象となる金額は?
→1)増加留保税額
  1. ①還付を受け取る前、2019年3月31日時点残高と当期末留保税額を比較して増加した金額。
  2. ②還付を受け取った後、当期末留保税額

→2)留保税額
  • ①当期末留保税額が2019年3月31日時点残高より大きい場合、2019年3月31日時点残高
  • ②当期末留保税額が      〃      小さい場合、当期末留保税額

還付までの流れ
→1)小型企業・製造業
  1. 22年4月以降の納税申告時期に増加留保税額の還付申請が可能。
  2. 22年5月以降の  〃    留保税額の還付申請が可能。

→2)薄利企業
  • 22年4月以降の納税申告時期に留保税額の還付申請が可能。

→3)製造業の中型企業
  • 22年7月以降の納税申告時期に留保税額の還付申請が可能。

→4)製造業の大型企業
  • 22年10月以降の納税申告時期に留保税額の還付申請が可能。

その他の条件は?
→申請企業が下記条件を満たしていること。
  • 納税信用等級がA級またはB級であること。
  • 税還付の申請前36カ月間に未控除税額、輸出税還付の騙取もしくは増値税専用発票の虚偽発行の状況
  • が発生していないこと。
  • 税還付の申請前36カ月間に脱税により税務機関に2回以上処分されたことがないこと。
  • 2019年4月1日より「即時徴収・即時還付政策」、「先徴収・後還付政策」を享受していないこと。

 欧米を中心にウィズコロナへ舵を切っている中、ベトナムもコロナ規制緩和に向けて動いております。ベトナムへの入国に関しては、5月15日からコロナ禍で設けられた入国制限が撤廃されました。コロナ前と同じ方法で入国することが可能です。撤廃されたのは以下の項目です。
  • 搭乗72時間前の陰性証明書取得不要
  • ワクチン接種証明書の提示も不要
  • 入国後の隔離不要

 また、日本国のパスポートを所持している場合14日間の滞在に関してはビザが免除となります。14日未満の短期出張であれば特段手続きなしで入国することが可能なりました。

 なお、ベトナムから日本へ帰国に関しては引き続き下記の手続きが必要になります。
  • 搭乗72時間前の陰性証明書取得が必要です。
  • 空港到着時のPCR検査
  • 入国後3日間の自宅隔離

※3回分のワクチン接種証明書があれば空港到着時のPCR検査および自宅隔離不要となります。日本への帰国に関しては厚生労働省の水際対策のHPをご参照ください。(ベトナムは黄色に分類されます)

 海外展開を行う際にはさまざまリスクが存在します。

 海外展開にあたり現地法人の設立のご支援をさせていただく機会がありますが、設立前に損益予測を行い、事業計画を策定し、進出後には当初計画の進捗を追って予実管理をされている企業というのはあまり多くないのが実情です。

 適切な海外事業の評価、進退の判断をするためにも、海外展開の前に事業計画を策定することができる、さらにいうと、計画策定時に予想損益計算書だけでなく、貸借対照表やキャッシュフロー計算書を作成し、海外展開後は予算実績対比やギャップの要因の把握を経て、海外事業の評価ができる環境があると良いと思います。

 計画策定にあたり、例えば、売上については売上ルート(開拓方法、情報収集方法)や販売計画、取引先の信用度、売上の回収条件、取引通貨など検討をする必要があります。経費については、現地の人員構成や待遇、現地での販促費、交際費など。資金繰りについては、そもそも資金の管理方法や、利益の還元方法、借入・出資のバランスや債務の支払条件、現地での設備投資など検討すべきことは多岐にわたります。

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