税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2022年10月

 世界的なリスク分散、販路拡大、コスト削減等、日本国内でなく海外へ目を向ける企業様が増えてきております。米国、中国、ベトナム、タイ、欧州等進出する国は様々ですが、進出前に共通して検討が必要な事項があります。
 今回は海外へ進出する際に抑えておきたいポイントを実際の事例を用いてお伝えいたします。また、本社での検討が必要な事項も併せてお伝えいたします。 海外進出にご関心のある方のご参加をお待ちしております。

【カリキュラム】
1)海外進出の概要
2)進出時に押さえておきたいポイント
3)本社での検討事項

【講師】
税理士法人名南経営 国際部 石田 権治

【開催要項】
日 時:2022年11月22日(火) 15:30~16:30    
会 場:Zoom機能を利用したオンラインセミナー
対象の方:海外進出ご検討企業様、海外進出企業様(同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料:無料
定 員:50社様

【お申込フォーム】

【ご注意下さい!】
セミナー視聴用URLは、1メールアドレスに付き1つ発行します。
社内で複数の方が視聴される場合、一つのPCでご覧になるか、視聴されるPC(デバイス)毎でのメールアドレスでの申込が必要となります。

 最近ではコロナウィルスの渡航への影響も緩和されてきており、異動によりベトナム子会社へ赴任された方もいらっしゃるでしょう。本稿では、海外事業経験の少ない会社からベトナム子会社へ赴任された方の現地給与の決定及びその給与の税務調査での取り扱い例についてお話したいと思います。

1.ベトナムでの給与の決定 
 ベトナムの子会社設立が初めての海外進出という会社など、あまり海外事業経験がない会社では、海外赴任に関する本社の規定自体がない会社も少なからずあります。それは、このような会社が海外進出する場合、進出場所の決定、現地パートナーの探索及び事務所又は工場設置などが優先され、赴任者の現地給与に関する事項はどうしても後回しになることが多いからです。
 このように本社の規定がない中では、ベトナム子会社での現地給与はどのような基準で決定されることが多いのでしょうか。実際には、日本支給給与の〇%、ベトナム子会社の職位に応じた現地水準給与及びベトナムで1か月暮らせる程度の金額など、様々な基準で決定されています。

2.現地給与が現地の給与水準以下の場合の税務調査での取り扱い例
  • ベトナム:ベトナム税務調査での現地給与金額が少ない旨の指摘
 このような場合、現地給与の引き上げ及び追加納税を指導されることもあります。なお、このような指摘を受ける場合は、日本給与を合算し、全世界所得をベトナムで確定申告していないケースが多いです。
  • 日本:日本税務調査での現地給与金額が少ない旨の指摘
 日本の税務上、他法人への出向者給与について、本社と出向先の給与水準に差がある場合であって、出向先の職位に応じた適切な給与を出向先が負担している場合、その差額を本社が負担することは認められています。しかし、現地給与が少ない、すなわち、ベトナム子会社負担の給与が職位に応じた現地水準給与を下回っている場合、日本本社での給与負担額を否認される可能性があります。

現地給与の設定は慎重になさることをお勧めいたします。

 先日、「ハローキティ」で有名なサンリオが、東京国税局から約13億円の追徴課税処分を受けたとの報道がありました。この追徴課税には「タックスヘイブン対策税制」が適用されたようです。
 そこで、今回サンリオが適用されたタックスヘイブン対策税制について解説いたします。

 ご存知の方も多いとは思いますが、「タックスヘイブン」とは税率の低い地域のことで「租税回避地」と訳されます。このタックスヘイブンで事業活動を行うことに充分な経済合理性があると認められる場合を除き、タックスヘイブン対策税制が適用されることとなり、この合理性の判断基準を経済活動基準といいます。

 サンリオの香港・台湾の子会社はこの経済活動基準を満たしていないと判断されたようです。

 タックスヘイブン対策税制の経済活動基準には4つあります。

 以下の4つのうち1つでも満たさない場合で、対象外国関係会社の各事業年度の租税負担割合が20%未満であれば当該税制の対象となります。

  1. 事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)
  2. 実体基準(本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有すること)
  3. 管理支配基準(本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること)
  4. 次のいずれかの基準(業種によっていずれか適用)
  • 所在地国基準(主として本店所在地国で主たる事業を行っていること)
  • 非関連者基準(主として関連者以外の者と取引を行っていること)

 上述した経済活動基準をすべて満たした場合であっても、実質的活動のない事業から得られる所得(受動的所得)については、内国法人の所得とみなして課税されるのでご注意ください。

 サンリオ側は今回の処分を不服として訴訟を提起する意向のため今後が注目されます。

 中国における印紙税法が2022年7月1日より施行されました。従前は1988年に発表された「印紙税暫定条例」に基づいて運用されていましたが、今回根拠法が整備され、正式に施行された、という状況です。従来までの運用と異なる部分があるため、今回はこちらを取り上げたいと思います。

今回施行された印紙税法と印紙税暫定条例の変更点

1)国外で締結された契約についての取扱い
 中国の国外で締結された契約であっても、中国の国内で使用されるものに関する契約は中国の印紙税の課税対象となります
 納税人が国外にいる場合、代理者が源泉徴収義務者となります。

2)課税ベースの明確化と税率の変更
 課税ベースを増値税抜きの金額であることを明示しました。金額が記載されていない契約の場合は、実際の決済金額で確定します。
 課税対象と税率は下記表のとおりです。
ブログ211
※表を拡大されたい場合、表をクリック下さい

3)申告について
 課税契約、所有権譲渡証書の印紙税は四半期ごと、または回ごとに、課税営業帳簿の印紙税は年ごと、または回ごとに、国外の納税人の場合は、四半期ごと、年ごと、または回ごとに申告することができると規定されています。
 ただし、実務上は、所轄税務局の担当官から、申告方法について、指示が入ることが予想されるため、事前に確認されることをお勧めします。

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