税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

2023年02月

 令和4年12月に令和5年度税制改正大綱が閣議決定されました。今回はこの中から国際税務について抜粋してお伝えしたいと思います。

1.外国子会社合算税制の見直し
 外国子会社合算税制とは外国子会社等の利用による税負担回避に対処するための制度で、一定の要件に該当する場合に外国子会社等の所得相当額のうち一定額が日本親法人の所得に合算される制度です。
 今回の改正で特定外国関係会社のトリガー税率が30%から27%に引き下げられます。これによりペーパーカンパニー等である外国子会社等の租税負担割合が27%以上である場合には、所得合算の対象から外れることとなります。なお、特定外国関係会社以外の外国子会社等のトリガー税率についての改正はなく、20%のままとなっています。
 また、申告書作成による事務負担軽減のため、合算課税の適用がない部分対象外国関係会社の決算書添付が不要となり、トリガー税率未満の外国関係会社の株主情報については出資関係図等への記載でよいこととなります。


2.グローバル・ミニマム課税
 世界的な法人税の引下げ競争に歯止めをかけるため、2021年10月OECD/G20で本制度導入について合意がされました。 所得合算ルール(IIR)、軽課税所得ルール(UTPR)、国内ミニマム課税(QDMTT)の3つの制度があり、各国において法制化が進められています。
 令和5年度税制改正では、所得合算ルールへの対応として「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(仮称)」が創設されます。こちらは法人税の最低税率を15%に設定し、外国子会社の最低税率に対する不足分の税額を親会社である日本法人に課税するというものです。特定多国籍企業グループ※に属する日本法人が対象とされているため、大企業向けの制度であると言えます。

 ※特定多国籍企業グループ・・・直近4事業年度のうち連結総収入金額が7.5億ユーロ以上の年度が2以上ある多国籍企業グループ

 また、本制度実施に向けて「情報申告制度」が創設されます。これにより特定多国籍企業グループに属する日本法人は、その構成会社の名称及び各国の実効税率、その他一定の事項を税務当局へ報告する必要があります。
 軽課税所得ルール及び国内ミニマム課税については令和6年以降の法制化が予定されており、今後の動向が注目されます。

 旧暦がベースとなっている中国においては、旧正月にも1週間ほどの大型連休があります。駐在員の方も、この旧正月休暇で一時帰国をされることが一般的でした。
 ただし、2020年以降は、新型コロナの影響で一時帰国も難しかったのですが、現在は、昨年末に発表された、中国入国時の隔離も原則撤廃となり、久しぶりの一時帰国をされた駐在員も多いのではないでしょうか。
 今回は1月8日以降、中国へ入国する際の検査対応について、取り上げます。

1.渡航前検査
1)検査回数と時期
出発前の48時間以内にPCR検査を1回。
例:出発時刻が1月10日14時→1月8日14時以降に実施。

2)検査機関及び検査報告書
 ※従来あった、指定検査機関、指定フォーマットは廃止。
 
2.健康申告
1)必要書類
  • PCR検査陰性報告書
2)申請方法(下記3つの方法のいずれか)
  1. WeChatミニプログラム「海関旅客指尖服務」に登録し、『中華人民共和国出入国健康申請書』へ記入223_WeChat
  2. ネット申請 下記アドレスから「中華人民共和国出入国健康申請書」へ記入https://htdecl.chinaport.gov.cn/htdeclweb/home/pages/healthDeclare/declare.html
  3. アプリ「掌上海関」をダウンロードし、『中華人民共和国出入国健康申請書』へ記入

※なお、日本への一時帰国に際して、22年12月30日以降、中国からの直行便で帰国される方、及び中国に7日以内の渡航歴がある方については、全員入国時に検査が必要となります。
陽性が判明した場合、検疫所長の指示に従い、検疫所長の指定する宿泊療養施設等での療養が必要になります。
※なお、PCR検査陰性報告書については、紙ベースでの持参が必須となっています。
サンプル的に提供を求められることがあるようです。ご注意ください。

 昨今の日本国内での人手不足や、ベトナム現地法人の技術力向上のため、ベトナム法人の従業員を企業内転勤として日本本社へ派遣を検討する企業様が増加しております。企業内転勤のメリットとして従業員を転勤させるため、新規採用が不要であること、実績のある人材を日本での業務に従事させることができる等があります。今回は日本とベトナムでの要件の概要に関してご説明いたします。


◆日本側の要件

受け入れ条件
  • 転勤予定日の直前までで、海外法人にて継続して1年以上勤務している。
  • 転勤直前の勤務は「技術、人文知識、国際業務ビザ」に該当する業務に従事し、転勤後も同様の業務に従事する。
  • 日本人と同等以上の報酬を受け取ること。
  • 海外法人が日本法人と出資等の関連があること。

転勤期間
  • 5年、3年、1年、3か月で申請することが可能ですが、必ずしも申請した期間で認可が下りることはありません。


◆ベトナム側の要件

管轄機関への登録
  • 90日未満の期間で外国へ従業員を派遣する企業は省の人民委員会に属する労働機関に登録。
  • 90日以上の期間で外国へ従業員を派遣する企業は、労働・傷病兵・社会省に登録。
また、出国後に従業員に関する情報や毎年12月に海外研修の状況を管轄機関に報告が必要となります。

また、企業・従業員間で下記の契約の締結が必要になります。
  • 日本法人とベトナム法人間で従業員受入契約。
  • ベトナム法人とベトナム人従業員の間で外国における出向契約。
  • ベトナム法人とベトナム人従業員間で労働契約。(採用時から締結しているもの)



以上、ベトナムから日本へベトナム人従業員を受け入れる場合の条件に関して記載しましたが、上記条件はほんの一部であり詳細は専門家に相談することをお勧めいたします。

↑このページのトップヘ