税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2023年03月

 国税庁は令和4年12月に令和3事務年度 法人税等の調査実績の概要を公表しました。今回はその中で海外取引等に係るものを取り上げたいと思います。

 海外取引等のある法人については租税条約等に基づく情報交換制度の活用等により厳正な調査が行われており、海外取引や外国子会社合算税制、移転価格税制に係る非違や申告漏れの件数は前年度と比べて増加しています。

1.法人税
現地の登記情報等を端緒に外国子会社合算税制の適用誤りを把握した事案
日本において調査対象となったA社は、軽課税国であるX国に100%出資の外国子会社を有していたにもかかわらず、当該外国子会社について申告を行っていませんでした。
国税庁は現地の登記情報等から外国子会社の実態を確認し、当該外国子会社について外国子会社合算税制の適用が漏れていたことが発覚しました。

<主な調査事例>
非違内容 申告所得漏れ
金額
国外関連者から収受すべきロイヤリティ収入の計上漏れ 約22億円
国外関連者に対して独立企業間価格より低い金額で
商品を販売
約6億円
暗号資産取引を海外取引所で行うことで売却益を除外 約1億円


2.源泉所得税
外国法人に対する借入金に係る利子の源泉徴収漏れを把握
日本において調査対象となったA社は、X国の子会社からの借入金に係る利子について、当該借入金の元本に繰り入れており、実際に金銭の支払いをしていなかったことから源泉徴収を行っていませんでした。
この場合、実際に金銭の交付がされていなかったとしても、支払債務が消滅する一切の行為が「支払」に該当するため、源泉徴収が必要となります。

<主な調査事例>
非違内容 追徴税額
外国法人に支払った人的役務の提供事業の対価に係る
源泉徴収漏れ
約1億3千万円
外国法人に支払った使用料等に係る源泉徴収漏れ 約6千万円


 昨今の海外渡航制限緩和や税制改正等により海外取引等に係る調査での指摘件数は今後も増える可能性が高いです。海外取引等に係る指摘による修正申告は金額が大きくなる場合もありますので、最新の制度内容等をご確認のうえ申告内容に誤りのないようご注意ください。


 中国のコロナ政策が終了し、いよいよ数年ぶりに中国現地法人に対して中国での本社監査を検討されている先も多いと思います。その監査の前に必ず確認してほしいのが、年度監査報告書となります。単に財務諸表の確定版というだけではなく、報告書・注釈まで確認していただきたい事項がございます。

 本セミナーでは、まもなく22年の年度監査報告が出来上がる時期であることを踏まえ、回収するだけで満足しがちな年度監査報告書について、どういった情報が記載されているのか、解説させていただきます。中国での本社監査に携わる方、今後、中国現地法人の管理に携わる方におすすめの内容となっております。


◆カリキュラム
1)年度監査報告書の基本構成
2)注釈の確認すべき事項
3)本社としてどのように管理していくべきか?

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部  税理士 近藤 充

◆開催要項
日 時  :2023年4月6日(木) 15:30~17:00
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:中国での本社監査に携わる方、今後中国現地法人の管理に携わる方
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 海外子会社へ貸付を行う際に移転価格税制の観点から独立企業間価格に基づいた適正な水準の金利を回収する必要があることはご存知の通りかと思いますが、この金利の設定方法について改正後の移転価格事務運営要領による運用が開始されています。

 2022年6月に移転価格事務運営要領の一部改正が公表されました(「移転価格事務運営要領」の一部改正について(事務運営指針)|国税庁 (nta.go.jp))。改正後の運営要領は2022年7月1日以降に開始する事業年度分の法人税の調査について適用されますので、3月決算の会社の場合は2023年4月開始の事業年度から対応が求められます。

 以前の運営要領では、銀行に照会した同条件で借入を行う場合の利率や国債等で運用した場合の利率といった簡易的な金利設定方法が認められていましたが、改正後では原則これらの方法が認められなくなり、現実に行われる比較対象取引や借り手である海外子会社の信用力に基づいた金利の設定が求められます。

 あくまで独立企業間価格として適正かという判断になるため従前の設定方法を用いているという事実のみで金利の設定を否認されることはないと考えられますが、子会社へ多額の融資を行っている場合には指摘を受けた場合の影響額も大きくなることが想定されます。1度ご確認をいただけると良いかと思います。

<参考リンク>
国税庁「移転価格事務運営要領」の一部改正について(事務運営指針)

 世界情勢が不安定になる中、豊富な労働力と好調な内需を背景に世界からの再び注目と投資を集めるベトナム。安定した政治体制と良好な日越関係は日本企業にとっても安心材料となり、さらなる有望な市場への成長期待は高まるばかりです 。一方で現地法人の試算表や監査報告書を見ても見るポイントがわからず、現地法人の実態が見えないという声もいただきます。​
 本セミナーでは、まもなく年度監査報告が出来上がる時期であることを踏まえ、回収するだけで満足しがちな年度監査報告書について、どこにどういった情報が記載されているのか、解説させていただきます。​

◆カリキュラム
1)年度監査報告書の基本構成​
2)注釈の確認すべき事項​
3)本社としてどのように管理していくべきか?

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部 石田 権治

◆開催要項
日 時  :2023年 3月22日(水) 14:00~15:00
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:ベトナム進出企業様、海外進出企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 毎年1月は前年の第四四半期(10~12月)の申告月でありますが、事業税の申告月でもあります。事業税は、営業税又は営業許可税とも呼ばれ、日本の法人住民税均等割に類似していると思います。以下、事業税の概要となります。

1.申告期限
 新設企業の場合は、設立初年度の翌年1月30日までに申告を行います。当初申告額から変更が生じない場合は、翌年以降の申告は不要となります。また、仮に翌期の申告額が変化する場合は、翌年1月30日までに申告が必要となります。

2.納税期限
 毎年1月30日までに納税します。

3.申告納税額
 企業登録証明書(ERC)に記載される定款資本金額により決定されます。定款資本金額がない場合は、投資登録証明書(IRC)に記載される投資額によって決定されます。

レベル 資本金額(ドン) 年間事業登録税額(ドン)
レベル 1 100億超 300万
レベル 2 100億以下 200万
レベル 3 支店、駐在員事務所、
事業拠点、その他の経済組織
100万
※100億ドン≒5千6百万円

 なお、事業税のベトナム語は通常、Le phi mon baiといわれ、mon baiは漢字「門牌」が当てはまるそうです。私は漢字からこの税金が「看板を門扉に掲げる税金」とイメージしています。

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