税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2023年04月

 
 中国のコロナ政策の終了に伴い、数年ぶりに中国へ出張し、中国事業の現状確認を検討される企業も多いと思います。また、進出当時と比較し、中国現地法人を取り巻く事業環境が大きく変化し、今後、中国現地法人を含めた中国事業をどのように進めるか、再検討しようと思っている、との声が聞かれるようになりました。
 今回は、最近の中国事業に関する相談事例から、多くの企業に共通する課題を取り上げたうえで、選択肢の一つとして、撤退(持分譲渡・清算)における検討すべき事項についてお話させていただきます。


◆カリキュラム
1)中国事業に関する最近の相談事例と、撤退の3類型(持分譲渡、清算、破産)
2)持分譲渡を検討する際の留意事項
3)清算を検討する際の留意事項

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部  税理士 近藤 充

◆開催要項
日 時  :2023年5月25日(木) 15:30~16:30
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:中国進出企業様、中国事業の撤退をお考えの企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 令和5年度税制改正によりグローバルミニマム課税が導入される予定です。大綱、法律案ベースとなりますが、グローバルミニマム課税のポイントを簡単にご説明いたします。

1.制度趣旨
 各国で法人税率の引き下げや優遇税制によって外国企業を誘致するような動きがありました。これを放置すると法人税の継続的な引き下げにより各国の法人税収基盤の弱体化、及び、税制面において企業間の公平な競争条件を阻害するという問題が懸念されます。そこで、OECD/G20のBEPS包摂的枠組みにおいて議論が進められ、2021年10月に軽課税国にある子会社の税負担が最低税率(15%)を下回る場合には、15%に至るまでの不足分を親会社で課税するというグローバルミニマム課税の導入が合意されました。

2.対象となる企業
 対象となる特定多国籍企業グループ等とは、企業グループ等のうち各対象会計年度(多国籍企業グループ等の最終親会社等の連結財務諸表の作成に係る期間)の直前の4対象会計年度のうち2以上の対象会計年度の総収入金額が7億5,000万ユーロ(約1,100億円)相当額以上であるものとされます。

3.スケジュール
 内国法人の令和6年4月1日以後に開始する対象会計年度から適用されます。3月決算の法人の場合、令和7年3月期から適用が開始されます。特定多国籍グループ等の判定は令和3年3月期から令和6年3月期までの4会計年度を用いて行い、最初の申告期限は令和7年3月から15月後の令和8年6月となります。

◆3月決算法人の場合のスケジュール
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 春の異動の時期です。特に今年はゼロコロナ政策の廃止に伴い、この3年間に比べて、異動が多くなるのではないでしょうか?
 人事異動に伴い、中国駐在員の個人所得税への影響が出てきますので、今回はそちらを取り上げたいと思います。

1.外国籍駐在員の個人所得税の申告
暦年単位(1月1日~12月31日)で、中国の滞在期間に応じて、ステータスが変わります。
 1)中国に183日以上滞在する場合 → 居住者
 2)中国に183日未満滞在する場合 → 非居住者

2.居住者と非居住者の課税方式の違い
・居住者
 →累計金額にて申告・納税を行います。
  年の前半は低い税率が適用され、
  年の後半は高い税率が適用される可能性が高いです。
・非居住者
 →月単位で申告・納税を行います。
  毎月の給与が変わらない場合は、毎月同じ税率が適用されます。

3.年の中途で帰任になる場合の留意事項 
 前年まで居住者で申告していた場合、引き続き居住者で申告している可能性が高いです。その場合、帰任する年に183日未満の滞在となると、非居住者へステータスが変更となるため、非居住者での申告へ修正が必要です。

4.検討事項
 居住者から非居住者への修正申告を進行月で行う場合、追加納税額が発生する場合は、延滞金が発生します。しかし、翌年1月1日から1月15日までに居住者から非居住者への修正申告を行う場合は、追加納税額は発生しないため、延滞金も発生しません。
 ただし、この場合、帰任後に申告・納税することになり、納税額を会社が負担すれば、帰任した個人に対する給与所得となるため、日本で確定申告が必要となります。

 日本には法人税の予定(中間)納税がありますが、ベトナムにも似たような仮納税制度があります。異なる点は日本の予定納税の場合、前年度の申告内容を基に予定納税額が決まるのに対し、ベトナムの場合、進行期の確定法人税額の何%と納税時に確定法人税額の予想を立てる必要がある点です。このベトナムの仮納税ですが昨年の10月に改正がありましたので改正点についてご説明いたします。

 2020年10月、企業は第3四半期終了後30日以内に確定納税額の75%以上を納税する必要がある旨の政令126/2020/NDCPが発行されました。仮納税額の金額が確定納税額の75%を下回る場合、下回った金額に対し延滞利息が課されるようになりました。従って企業は第3四半期終了時に決算時の利益と法人税額を予測し仮納税する必要があり、資金繰りの圧迫や仮納税額の算定に対応する事務コストの負担がありました。

 2022年10月に上記政令を修正する政令が発行され、第4四半期終了後30日以内に確定納税額の80%以上を納税することとなりました。期限が第3四半期から第4四半期に延長されたことにより確定納税額の予測がしやすく、また資金繰りにも良い改正となりました。ただし、確定法人税額の80%を下回った場合、下回った金額に対し延滞税が課されることには変更ありませんので留意が必要です。

 このようにベトナムの法人税の申告には確定法人税額を事前に予想しなくてはいけません。従って年次計画を高い精度で作成、管理することをお勧めいたします。年次計画の作成にあたり一番参考になるのが前年度の決算書になるかと思います。

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