税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2023年05月

 4月14日に国税庁より「グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし」が公表されました。

内容は以下の通りです。

  1. 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設
  2. 特定基準法人税額に対する地方法人税の創設 
  3. 情報申告制度の創設
  4. 外国子会社合算税制等の見直し

制度で特に難解なのは
1.各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設
の中の 国際最低課税額の計算 になりますが、わかりやすくまとめられていますので、是非<参考リンク>をご確認をいただけると良いと思います。

<参考リンク>
国税庁「グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし」(令和5年4月)(PDF/1,064KB)
 4ページ目からの(4)国際最低課税額の計算 をご覧ください

※本日2回目の投稿です。※
オンラインセミナーのご案内となります。
尚、今回のセミナーは中国からのライブセミナーとなります


 中国のコロナ政策の終了に伴い、数年ぶりに中国へ出張し、中国事業の現状確認を検討される企業も多いと思います。また、進出当時と比較し、中国現地法人を取り巻く事業環境が大きく変化し、今後、中国現地法人を含めた中国事業をどのように進めるか、再検討しようと思っている、との声が聞かれるようになりました。
 今回は、最近の中国事業に関する相談事例から、多くの企業に共通する課題を取り上げたうえで、選択肢の一つとして、撤退(持分譲渡・清算)における検討すべき事項についてお話させていただきます。


◆カリキュラム
1)中国事業に関する最近の相談事例と、撤退の3類型(持分譲渡、清算、破産)
2)持分譲渡を検討する際の留意事項
3)清算を検討する際の留意事項

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部  税理士 近藤 充

◆開催要項
日 時  :2023年5月25日(木) 15:30~16:30
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:中国進出企業様、中国事業の撤退をお考えの企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 令和5年1月国税庁は「令和3事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要」を公表しました。

 租税条約等に基づく情報交換制度とは、税に関する情報を税務当局間で互いに提供する仕組みで、「自動的情報交換」、「自発的情報交換」及び「要請に基づく情報交換」の3つに区分されています。この情報交換制度の活用により、海外への資産隠しや各国の税制の違いを利用した租税回避の防止に取り組んでいます。

1.自動的情報交換
 自動的情報交換では、CRS情報(非居住者の金融口座情報)、CbCR(多国籍企業グループの国・地域ごとの収入金額や納付税額の配分状況等)、法定調書情報(利子、配当、不動産賃貸料等)の交換が行われています。
 中でもCRS情報の件数は近年増加しており、令和3事務年度においては約250万件の情報を受領しています。こちらは、日本国内の財産不足により所得税を滞納していた非居住者について海外の金融口座を把握する等に活用されています。

2.自発的情報交換
 自発的情報交換では、自国での調査等の際に入手した情報で、外国税務当局にとって有益と認められる情報を、自発的に提供する程度です。特定の国から大量の情報を入手した令和2事務年度と比較し、令和3事務年度は大幅に件数が減少しています。
 こちらは海外法人から製品輸入を行っている法人が、その支払いを海外法人代表者個人名義の預金に送金しており、海外法人において売上計上漏れが想定されたため、それに関する情報を外国税務当局に提供する等に活用されています。

3.要請に基づく情報交換
 要請に基づく情報交換では、個別の納税者に対する調査において、国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に、必要な情報の収集・提供を外国税務当局に要請するものです。
令和3事務年度に外国税務当局へ行った情報交換要請は639件で令和2事務年度と同水準となっています。
 こちらは、内国法人が申告していた輸出取引について取引先の外国税務当局へ資料提供を要請し、その取引が架空取引であった事実を把握する等に活用されています。


 2023年3月1日現在、日本との租税条約締結国は151か国と徐々に増えてきており、情報交換制度が活用される機会も増えてくることが予想されます。 
 近年は個人投資家による海外投資や企業の海外取引も増えていますので、最新の海外取引状況及び税制を改めてご確のうえ、申告内容に誤りの無いようご注意ください。

 3月末は、法人が前年中に支給した給与及び報酬に関する個人所得税の確定申告の期限となります。この手続きは、日本の年末調整に相当する税務手続きとなります。前年中に支払った給与及び報酬に関する個人所得税について、法人は個人所得税を源泉徴収し、四半期(又は毎月)ごとに納付します。この個人所得税の確定申告により、法人はこれら納付した個人所得税の過不足を精算します。

 掲題の証明書は、日本の源泉徴収票に相当しますが、個人所得税控除証明書には、日本の源泉徴収票と違う点が3点あります。

  • 日本の源泉徴収票と違い、法人は全ての給与受給者に証明書を交付する必要はありません。前年中に退職した者が他の法人に就職した場合、又は、退職した者が自身で確定申告をする場合に交付する必要があります。
  • 手書きで作成する必要があります。証明書綴りから切り離し、一人あたり一通(複写式)を手書きにより内容を記載します。
  • 税務局へ使用状況(使用枚数及び破棄枚数など)を報告する必要があります。

 手書きで作成しなければならない点は、非常に不便です。早期に電子化されることが望まれます。手書きであるがゆえに法人の代表者が自署をし、会社印の押印も必要です。この証明書は、必要があれば年度中でも発行できます。手書きであるため迅速な発行が難しく、発行については計画的に行いたいものです。

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