税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2023年08月

 令和4年4月以降開始事業年度より連結納税制度からグループ通算制度に移行しています。連結納税制度は企業グループを1つの納税主体とみなして課税し親法人がまとめて申告するという制度でしたが、グループ通算制度ではグループ内の欠損法人の欠損金額を他の法人の所得金額と通算するという仕組みは残しつつ、基本的には各法人が個別に法人税額の計算、申告を行う制度となっています。グループ通算制度では基本的に各法人で税額計算を行いますが、外国税額控除、研究開発税制についてはグループ全体で計算を行います。グループ通算制度における外国税額控除の計算のポイントは以下の通りです。

1.控除対象外国法人税額の集計
 単体申告の場合と同様に各通算法人で外国税額控除の対象となる外国法人税等の額を集計します。通算グループ全体で税額控除と損金算入のいずれかを選択するため、税額控除を適用する場合はすべての法人で外国法人税等の額を集計する必要があります。

2.控除限度額の計算
 単体申告の場合の控除限度額は当期の法人税額に国外所得割合を乗じて計算しますが、グループ通算制度の場合にはグループ全体の法人税額に、各通算法人の国外所得がグループ全体の全世界所得(欠損金相殺後)に占める割合を乗じて計算します。また、この計算の結果、控除限度額がマイナスになる法人がある場合(≒国外所得金額がマイナスの法人がある場合)は、上記の調整前の控除限度額に応じて、このマイナス分を各法人の調整前控除限度から控除します。
 連結納税制度ではグループ全体の控除限度額を求めこれを各社で按分しましたが、グループ通算制度では他社の数値を用いながらもあくまで各社ごとに限度額の計算を行うため計算方法が変更になっています。詳細な計算は以下をご参照ください。

<参考リンク>
国税庁「通算法人に係る外国税額の控除の計算」

3.控除額の計算
 上記1.2.の金額を比較し、控除額を求めますが、グループ通算制度の場合も単体申告の場合と同様に3年間の控除限度超過額、控除余裕額の繰り越しが認められています。また、法人税から控除することのできなかった外国法人税等の額は地方法人税や法人住民税から控除することができる点も単体申告の場合と同様です。

 ゼロコロナ政策が終了し、渡航制限も大幅に緩和されたこと、日中間の航空便が増便されていることもあり、中国への出張を検討されている方も多いと思います。
 コロナ前とコロナ後で大きく変わっているのが、QR決済の普及です。もちろんコロナ前からも中国においてはQR決済が普及していましたが、さらに普及が進み、駐在員の方含め、中国滞在者は現金を使用しないことが一般的になっています。

 従前、中国に出張されていた方は空港で日本円を人民元に両替する、もしくはクレジットカードで対応する、ということが一般的でしたが、上記の現状を踏まえると、出張者の方が単独で行動されるような場合、現金もしくはクレジットカードですと非常に不便かもしれません。

 そこで今回は、出張者の方でも中国でQR決済ができる、アリペイ(Alipay)のツアーカード(TourCard)を紹介します。


特徴
  1. 中国国内口座がなくても使用可能。
  2. 日本のクレジットカードからチャージして決済可能。
  3. 有効期間(180日)で、10,000元が上限。
  4. チャージ手数料は5%。
  5. チャージしたものの、使わなかった場合は、返金も可能。
 
準備
  1. Alipay アプリのダウンロード。
  2. 小程序(ミニプログラム)からTourCardを検索。
  3. 各種情報を登録する。

 こちらのサービスは従前は、TourPassという同種のサービスでしたが、それが廃止となり、新しくリリースされたものとなります。ネットで「アリペイ」「ツアーカード」で検索すると、詳細な登録の仕方も出ておりますので、御確認くださいませ。

 使用に際しては、ネット接続が出来ることが前提となりますので、wifi等の準備をお忘れないようにお願いいたします。

 弊社での海外進出相談は増加傾向にあり、特にベトナム進出相談はコロナ禍以前の水準まで増加しつつあります。販路開拓、人材確保、生産委託先の選定等、進出の目的は様々となっておりますが、当初人員計画が5名未満などの小規模での相談が増加している印象です。今回はこれからベトナムに渡航される方の個人所得税の居住者判定に関してご説明いたします。


居住者と非居住者の判定
居住者、非居住者で課税対象範囲と税率が異なるので非常に重要となります。
居住者の条件は以下の (1) (2) いずれかに当てはまる場合となります。

(1) 暦年及び最初の入国日から起算して連続12ヶ月以内に延べ183日以上の滞在している者(入国日、出国日とも各1日としてカウントします)。

(2) 以下の何れかに該当する居住場所を有する者
  1. 滞在に関連する法規に基づき登録された居住場所としての住居(レジデンスカード所有者)   
  2. 賃貸借期間が183日以上の賃貸契約に基づき、住居の目的として賃借された住居


 居住者の課税期間は入国初日から連続する12カ月間のうち滞在期間が183日以上になる場合、課税年度はその入国初日から連続する12カ月間となり、2年目以降の課税年度は暦年となります。 

 注意いただきたいのは183日未満の滞在であっても (2) に当てはまれば居住者と判定される可能性がある点です。仮に (2) に該当しており、日本に居住している場合、日本での居住証明書を取得する必要があります。

 なお、課税対象範囲(給与)に関して居住者は全世界所得(海外所得含む)に対して、非居住者はベトナム源泉所得に限定されます。税率に関しても居住者は5~35%の累進課税に対し非居住者は一律20%となっております。


 個人所得税に関しては税務調査でも指摘されやすい項目となりますので専門家に相談することをお勧めいたします。

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