税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2024年01月

 定年間近の従業員がベトナム赴任しており、定年後もベトナム勤務を継続する場合、赴任中に退職金を支払うケースがあるかと思います。赴任中に退職金を支払うと、日本だけでなく、ベトナムでも所得税の課税対象となりますので留意する必要があります。

 まず、日本での課税ですが、海外勤務中の社員に対して支給する退職金のうち、国内勤務期間に対応する金額については、支払時に20.42%所得税を源泉徴収する必要があります。日本の居住者として退職金を受け取れば退職所得控除を受け勤続年数に応じ税負担が軽減されますが、非居住者である場合、退職所得控除を受けられず、比較的高い所得税の負担を強いられることになります。

 また、ベトナムにおいては給与と同様に日本での退職金全額に対し所得税が課される可能性があります。日本企業の退職金は高額になるケースが多いので、給与と同様に課税されると多額の税金を納めることになります。

 このようにベトナム赴任中に退職金を支払うと日本、ベトナム双方で納税義務が発生し、日本で受け取るよりも高額な税負担が生じます。従業員の税負担を考慮し、日本本社の退職金の支給は日本帰国後に実施することをお勧めいたします。なお、日本で受け取る国民年金や厚生年金等の年金に関してはベトナム国内では非課税となりますので税負担は発生しません。詳細は専門家に確認することをお勧めいたします。

 海外進出企業にとって、現地法人の管理は非常に重要な役割を果たします。
一方で、現地状況を把握できておらず、様々なお悩みを抱えていらっしゃる会社様も多いのではないでしょうか。
 今回の配信では、海外子会社管理におけるよくある問題点・その対策を説明します。

 尚、財務管理チェックリストも添付しております。ぜひこの機会に貴社に当てはめながらご活用いただければ幸いです。


~海外子会社の財務管理とは~
国内本社が海外子会社の財務状況を正しく把握するための業務を指します。
現地から送られてくる資料を収集し、資産負債・損益の状況を整理します。
貸借対照表や損益計算書を中心に、帳簿書類や必要に応じて契約書、見積書を確認することで、実態と相違がないかを確認していきます。


<よくある問題点>
日本親会社が海外子会社を管理する際に発生しやすい問題点は以下の通りです。

(1)現地担当者とのやりとり
言語の障壁があり、コミュニケーションがとりづらい。
現地の経理スタッフに全て任せきり。
現地がどういう基準で経理処理をしているか分からない。

(2)月次試算表・決算書が活用できない
決算書は回収するがなんとなく目を通しているだけ。
月次試算表ベースでは数字を見ていない。
会計システムなどの現地システムが分からない。

(3)不正の可能性
本社の目が届いておらず、不正の発覚及びその対応が遅くなってしまう。
〈不正事例〉
現金横領、不正出金、簿外借入、架空売上、架空人件費、架空外注費など


<対策>
先述では問題点を挙げましたが、それぞれの解決方法も取り上げます。 

(1)現地担当者
本社と現地法人で共通の経理マニュアルを作成し、属人化を防ぐ。
作業工程を明確化し、複数人によるチェックや業務分担を行う。
勘定科目の処理基準を設けつつ、日本・現地における科目の対応表を作成する。

(2)財務諸表の活用
日本と現地でデータ共有できる管理体制を作る。
クラウド会計ソフトを利用し、現地からの報告作業を簡素化する。

(3)不正の未然防止・早期対処
売上増減と利益増減が連動していない、不安定な利益率になっていないか等を定期的に確認する。
本社人員を定期的に派遣して現地確認する。
外部専門家も活用し、潜在的なリスクを洗い出してもらう。


最後に、財務管理を行う上で確認すべき項目を勘定科目ごとに分けたチェックリストを添付します。
自社状況把握のためにご活用いただければと思います。(下表をクリック頂くと拡大します。)

256_CheckListSample

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