税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2024年08月

 前回(2024年07月04日ブログ記事)に引き続き、今回も輸入をテーマとして商品が輸入された後の返品や廃棄をした場合の消費税の注意点、また、関税の取り扱いについてもご紹介してまいります。

輸入した商品の返品
 海外から商品を輸入したあとに、不良品などの欠陥があることが判明し返品をすることがあるかと思います。販売業者への返品に伴い返金や買掛金の減額を受ける場合には、輸入時に支払った消費税額の調整が必要になります。この場合、商品を海外へ搬出するので輸出免税のイメージをされる方もいらっしゃるかと思いますが、消費税法上は販売業者に返品することを”対価の返還等”に該当します。

輸入した商品の廃棄
 先ほどまでのように海外から商品を輸入したあとに不良品などの欠陥があった際、返金や買掛金の減額は受けるものの、販売業者から購入した商品の返品ではなく廃棄を依頼される場合もあるかと思います。その場合の消費税法上の取り扱いは、輸入した商品代の値引き等として輸入貨物に係る”対価の返還等”に該当します。

 本日ご紹介した事例については、2件とも消費税法上”対価の返還等”に該当する事例でございました。消費税の計算において、輸出免税として課税売上割合の計算に含めないようご注意をお願いいたします。

関税の取り扱い
 関税においても要件を満たしている場合に限り払い戻しを受けることができます。要件の詳細は下記のリンクをご確認頂ければと思いますが、輸入時の性質及び形状変更を加えていないこと、輸入の許可を受けた日から原則6か月以内に保税地域に搬入されたものでなければ手続きを行うことができません。また、返品や廃棄をする前に手続きを完了させていないと、関税の払い戻しが受けられません。


<参考リンク>
国税庁
「No.6363 値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整
 (仕入れに係る対価の返還等)」
税関
「1604 違約品等の再輸出又は廃棄する場合の戻し税の手続
 (カスタムスアンサー)」

海外に進出している企業様の税務調査において海外取引に関する指摘を受けることが非常に多いです。
海外取引についての事前検討が不十分な場合、修正申告による追加納税額も多額となる恐れがあります。
そこで、今回は税務調査等で指摘されやすいポイントに絞り、問題点とその対策についてご紹介したいと思います。

 ・出張者や出向者の費用負担について
 ・ロイヤルティについて
 ・親子ローンについて など

◆カリキュラム
1)税務調査の傾向
2)税務調査で指摘されやすい項目とその対策 

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部 和田 寛之

◆開催要項
日 時  :2024年9月4日(水)14:00~15:00
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:海外進出企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 以前、お伝えしたとおり、7月1日より最低賃金の引き上げが実施されました。以前の水準より約6%の上昇となっており、ハノイ及びホーチミンを含む第一地域の最低賃金は4,960,000 VND(約31,600円)/月となっております。最低賃金の引き上げは、労働者の給与交渉の材料とされることがあります。

 上記の最低賃金の引き上げの他、公的機関の幹部、公務員、ベトナム人民軍の士官及び兵士等に適用される基礎賃金の引き上げも行われています。7月1日より、1,800,0000 VND(約11,500円)/月から2,340,000 VND(約14,900円)/月となっています。この基礎賃金は、社会保険料及び健康保険料、並びに出産育児一時金、労災・職業病に対する手当金等の算出基礎となっています。

 社会保険料及び健康保険料の計算基礎となる給与の上限は、基礎賃金の20倍が上限となります。すなわち、社会保険料の対象となる給与上限は46,800,000VND(298,100円)となります。このような給与の労働者は少ないですが、日本で就労経験があり、かつ、設計など語学以外のスキルがあるベトナム人労働者の中には上記給与以上を受け取っている方もおられます。給与改定がなくても、7月以降のベトナム現地法人の社会保険料が変更となっていることがありますので、お気を付けください。

 海外進出先では依然、人気の高いベトナム。日本での人材不足を補うため、また、人口1億人を超えるマーケット獲得のため、ベトナムに進出された企業は少なくありません。ベトナムに現地法人や駐在員事務所を設立し、事業展開をしているが税務調査の対策が出来ておらず、不安を抱えている企業もあろうかと存じます。本セミナーではベトナムの税務調査の概要と対策をお伝えいたします。調査事例を交え、調査で指摘されやすい事項について解説し、税務調査対策のポイントを分かり易くお伝えいたします。​
 ベトナム税務調査に関心のある企業の担当者様の参加をお待ちしております。


◆カリキュラム
1)ベトナム税務調査の概要​​
2)調査事例
3)税務調査対策

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部 盛田 信

◆開催要項
日 時  :2024年8月30日(金) 15:00~16:00
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:ベトナム進出企業様、ベトナム進出をお考えの企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 令和5年度税制改正により外国子会社合算税制の見直しが行われました。適用は令和6年4月1日以後開始する事業年度からとなっています。今回は、内容再確認のために同税制の概要と改正点を取り上げます。

【外国子会社合算税制とは】
 低税率国にある海外子会社を利用した租税回避を防止するために、その低税率国の海外子会社の所得を、日本親会社の所得に合算して課税する制度のことを指します。タックスヘイブン対策税制とも呼ばれており、こちらの方が皆様には馴染みのある言葉ではないでしょうか。Youtubeチャンネルにて解説動画がありますので詳細は割愛します。最後にURLリンクを添付しております。

【改正内容】
 令和5年度税制改正では大きく2つの改正がありました。

1.適用免除要件の租税負担割合基準引き下げ
「特定外国関係会社」のうち、会社単位での合算が免除される租税負担割合の基準が「30%以上」から「27%以上」に。
特定外国関係会社:ペーパーカンパニー、キャッシュボックス、ブラックリストカンパニーと呼ばれるもの。

2.添付書類の緩和
(1)一定の書類について添付義務から保存義務に。
下記に該当する「部分対象外国関係会社」等に関する書類の保存

    • 部分適用対象金額がない部分対象外国関係会社
    • 部分適用対象金額が2,000万円以下であること等の要件を満たすことにより本制度が適用されない部分

対象外国関係会社
部分対象外国関係会社:外国関係会社のうち経済活動基準のすべてを満たす会社のこと。一定の所得(=受動的所得)のみが合算対象となる。

(2)外国関係会社の株主等に関する記載事項について、記載事項の書類添付に代えて出資関係図に記載することで代用可能に。

 上記は納税者有利の改正でしたが、税制自体が非常に複雑なものとなっています。また、最低税率課税制度の導入に伴い、今後大幅に改正される可能性が見込まれています。判断が難しい部分もございますので、お気軽に税理士法人名南経営の国際部にご相談いただければと思います。また、今回省略した合算対象の要件や用語について詳細をYoutube動画解説しています。ぜひこの機会に下記リンクからご視聴いただけますと幸いです。


<参考リンク>
税理士法人名南経営国際部チャンネル
外国子会社合算税制関連動画リンク

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