税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2024年12月

 国と国をまたがる国際的取引に係る課税(いわゆる国際税務)においてポイントとなるのは、(1)誰に (2)どの所得を課税するのか、です。
 今回は(1)について、基本的な考え方を整理します。


所得税法上は、次のように定められています。(所法2条1項三~五、所法7条)
【居住者】
  • 国内に住所を有する個人
  • 現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
  • 居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人(非永住者といいます。)
【非居住者】
  • 居住者以外の個人
法人税法上は、一般に、外国法人の日本国での課税は、*恒久的施設(所法2条1項八の四、法法2条1項十二の十九)を有するか否かによって異なります。
外国法人が日本国内にPEを有する場合、そのPEに帰属する所得が国内源泉所得として位置づけられています。

*恒久的施設とは、PE(PermanentEstablishment)の略で、次の3つが定義されています。

1号PE
事業を行う一定の場所(支店、事務所、工場、倉庫業者の倉庫、鉱山等天然資源採取場所等)
保管、展示、引渡しなどの活動にのみに使用する一定の場所は、準備的又は補助的な機能を有するものに限り、PEに含まれません。

2号PE
建設、据付け、組立て等の作業のための役務提供で、1年を超えて行う場所
PEに該当しないように契約を1年以下に分割した場合は、期間を合算して判定します。
保管、展示、引渡しなどの活動にのみに使用する一定の場所は、準備的又は補助的な機能を有するものに限り、PEに含まれません。

3号PE
国内に置く代理人等(事業に関し、反復して契約を締結する権限を有し、または契約締結のために反復して主要な役割を果たす代理人等)
代理人等など

一般に、非居住者および外国法人が日本国内で事業を行っていても、日本国内にPEを有していない場合にはその非居住者および外国法人の事業所得は日本で課税されることはないのです。
*イメージとして、どこに居住しているかを問われていると考えてはいかがでしょうか。


 海外との取引をする場合には、恒久的施設を有するか否か(該当するか否か)が重要になります。
 海外進出に向けた計画は、お気軽に税理士法人名南経営の国際部にご相談いただければと思います。

 ベトナムの確定申告は、法人によるものと個人によるものがあります。
 
 ベトナム法人による個人所得税の確定申告は、日本の年末調整と同等の手続きを翌年3月末までに行うものです。手続きの名前は確定申告ですが、内容は日本の年末調整と同じで、その年の給与所得者の個人所得税の過不足を精算する手続きとなります。

 給与を2社以上から受給しているベトナム居住者は、法人による確定申告とは別に、個人として個人所得税の確定申告をする必要があります。

 給与を2社以上から受給している者が確定申告する場合、給与支給額及び控除額(源泉徴収税等)を証明する書類が必要となります。ベトナム法人の証明書は、日本の源泉徴収票に相当するものとなります。ベトナムの源泉徴収票は給与所得者全てに発行されるわけではなく、確定申告する者のみに発行します。また、ベトナムの源泉徴収票は税務局によって管理されており、ベトナム法人はその保有状況を税務局へ報告する必要があります。

 給与を日本本社から受給している場合、給与支給額及び控除額の明細について、本社のしかるべき者の署名捺印のある書類を作成し、証明書として確定申告に使用します。

 今年はデフレ脱却のための経済政策として定額減税が実施されました。
海外赴任をしていて月次減税の対象外とされた場合でも、赴任の時期により年調減税の対象となる事例がございます。今回は海外赴任者の年末調整時に気を付けるポイントについて事例別に記載いたします。

1.海外赴任が1年未満の場合

1年未満の赴任の場合は所得税法上の居住者に区分され月次減税の対象となります。居住者に対して支払う給与は源泉徴収の対象であり、出国後に支払う給与についても月次減税を実施します。

2.海外赴任が1年以上の場合 ~出国時~

1年以上の赴任の場合は所得税法上の非居住者となるため出国時に年末調整を行う必要があり、この年末調整にて年調減税を実施します。

*国内法人の役員として1年以上海外で勤務する場合、非居住者に区分されますが役員報酬から源泉徴収をする必要があります。ただし今回の定額減税の対象者は「令和6年分所得税の納税者である居住者」と定められているため、源泉徴収されていても定額減税の対象者には該当しません。

3.海外赴任が1年以上の場合 ~帰国時~

1年以上の海外赴任から帰国した場合、6月以降に帰国した従業員は月次減税の対象にはなりませんが、年末調整にて減税を実施します。

4.同一生計配偶者の判定

6月時点で非居住者であった同一生計配偶者が12月31日時点では居住者となる場合、月次減税の対象にはなりませんが年調減税の対象になります。
一方で月次減税の計算に含めていた同一生計配偶者が12月31日時点では非居住者となる場合、定額減税の対象から外れるため年末調整時に精算が必要となります。

今年は定額減税関連の留意点が多く存在します。再度要件を確認して年末調整に備えましょう。

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