税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2025年01月

 ベトナム法人設立から数年がたち、事業の今後を検討していくうえで持分譲渡を検討される相談が増えております。ベトナムの場合、日本企業同士でベトナム法人の持分譲渡した場合でも、ベトナムに課税権が認められる場合があります。今回は有限会社や非上場会社の持分譲渡に伴う税務に関してご説明いたします。

 譲渡に伴う税金は売手に対して課税され、税率は属性により異なります。

法人
ベトナム法人:譲渡益(=譲渡額-取得価格-譲渡費用)に対して法人所得税20%
外国法人:ベトナム法人と同様

個人
ベトナム居住者:譲渡益に対して個人所得税20%
非居住者:譲渡額に対して個人所得税0.1%。


 なお、日本法人にてベトナムで譲渡における課税が発生した場合、日本側で外国税額控除の適用の検討が可能です。これは、日本、ベトナム双方での二重課税を回避するためです。

 また、ベトナムでの課税権に関しては日越租税条約第 13 条に規定があり、1. 2.のいずれかの要件を満たす場合にベトナムに課税権が認められるとされています。

  1. 譲渡事業年度のいずれかの時点においてベトナム法人の株式の25%以上を保有する者がその5%以上を譲渡した場合
  2. 譲渡されるベトナム法人の財産が主にベトナム不動産で構成されている場合

 上記以外の場合は租税条約を申請することによりベトナムでの納税が発生しない可能性があります。

 ベトナム法人の持分譲渡に関しては、検討事項が多くあり複雑です。検討の際は専門家に確認することをお勧めいたします。

 節目となる年明けから海外赴任が始まる方もいらっしゃるかと存じますので、今回は国外転出時の情報を発信いたします。

 給与所得者が1年以上の予定で海外赴任する場合、所得税法上の非居住者となりなります。主たる給与が1か所のみで国外転出時までの給与収入額が2,000万円以下であれば勤務先にて最後の給与支給時に年末調整が行われるため手続きは不要です。
 しかし、下記のような要件を満たす場合には日本において納税・届出といった手続きを行う必要があります。


1.国外転出前に自身で確定申告をする場合
1日1日から出国までの居住者期間に生じたすべての所得について、出国の日までに所轄税務署に確定申告書の提出および納税をする必要があります。これを準確定申告といいます。
配偶者控除や扶養控除は出国時の現況で判断します。保険料控除は非居住者となる日までに支払った金額のみが対象となります。

2.国外転出後に日本で課税所得が発生する場合
不動産所得や譲渡所得など国内で生じた所得がある場合にも確定申告が必要です。
納税管理人を定め、「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を非居住者の所轄税務署に提出しなければなりません。
※納税管理人とは確定申告書の提出や税金の納付などを非居住者に代わって行う人のことで、法人でも個人でも可能です。

出国までに納税管理人を指定した場合、その年1月1日から出国する日までの間に生じたすべての所得と、出国した日の翌日からその年12月31日までの間に生じた国内源泉所得を合算し、納税管理人を通じて確定申告および納税をすることになります。

海外勤務となった年の翌年以後も、日本国内に国内源泉所得があり、その所得の金額が基礎控除額を超える場合には、原則として納税管理人を通じて確定申告をする必要があります。


 上記はあくまでもよくある事例をまとめたものになりますので、すべてのケースを網羅するわけではありません。赴任国現地の租税条約との照らし合わせも必要になってまいりますが、海外赴任時において確定申告をしなければならないかどうか一度ご確認をいただくことをご推奨します。


<参考リンク>
国税庁HP
「No.1926 海外勤務中に不動産所得などがある場合」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1926.htm
「No.1923 海外勤務と納税管理人の選任又は解任」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1923.htm

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