税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2025年03月

 日本企業の海外進出に伴い、海外に赴任される方が増加しております。赴任者の赴任前までに検討すべき事項や、税務リスク等、検討すべき項目は多岐にわたります。これらの検討事項には、包括的な情報がない場合が多く、赴任者や人事・経理担当者の悩みも多く聞かれます。 
 本セミナーでは、海外赴任者の出国までの検討事項と税務、社会保険の基本を理解したうえで、赴任者の給与設定を事例を用いながらご説明いたします。
 皆様のご参加お待ちしております。

◆カリキュラム
1)出国までの検討事項
2)税務上のポイント
3)給与設定の実務

◆講師
 税理士法人名南経営 国際部 石田 権治

◆開催要項
日 時  :2025年4月11日 (金) 14:00~15:00
会 場  :Zoom機能を利用したオンラインセミナー
お勧めの方:海外進出企業様
     (同業の方のご参加はご遠慮ください)
受講料  :無料
定 員  :50社様

◆お申込フォーム

 ベトナムでは旧正月も終わり、だんだんと祝日ムードから通常営業に戻ってきている時期かと思います。一般的には企業の決算を12月末で締めるところが多いので、今まさに決算対応中の方も多いかと思います。今回は決算対応におけるポイント2点を記載いたします。

監査法人からの会計監査
 外国法人から資本が入っていれば会社規模の大小は問わず原則として監査法人の会計監査が必要となります。税務申告とは別に、監査法人と契約を締結し決算終了後90日以内までに監査報告書を当局に提出する必要があります。会計監査を受けず、監査報告書を提出しなかった場合、罰金の対象になるので注意が必要になります。

債権債務の確認
 経理担当者に債権債務の管理を任せていることが多いと思いますが、決算のタイミングで改めて確認することをお勧めいたします。滞留債権、債務がないか、関連会社との取引残高が一致しているなど基本的な事項の確認です。特にベトナム以外の国と取引をしている場合、経理担当者が詳細を確認できず、残高が証票と一致していないケースがありますのでご注意ください。

 基本的な内容ではありますがローカルスタッフに任せっきりで決算進捗が思うように進んでいないケースもあります。今一度ご確認いただければと思います。

 一般的に駐在員給与は「日本本社で支給される給与」と「赴任地で現地法人から支給される給与」の二本立てになっていることが一般的です。日本本社の税務調査で問題になるのは上記の前者の取り扱いとなります。意味合いとしては、駐在員は現地法人の業務に就いているため、日本本社には貢献していないとみなし、日本本社で支給する給与をそのまま損金処理してよいか?というものになります。

 損金処理するための考え方は下記のとおりです。

タックスアンサー No5241 出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い

 この状況にもとづく場合は、損金処理が認められる訳ですが、具体的には下記のように考えます。

 あくまでも給与条件の較差を補填するため、という前提条件があるため、現地の役職に基づく給与相場や出向先法人の給与体系に基づき、出向先法人が妥当な金額を負担していることが必要です。

 最近の税務調査の傾向としては、出向先法人の妥当な給与負担額につき、検討をしているケースを除き、日本本社で支給される給与は損金算入が認められない事例が散見されます。
 また検討をしているケースであっても、一定の期間で見直しをしないと現状と乖離してしまうことも考えられます。
 上記を踏まえ、駐在員給与の較差補填につき、社内でのルール策定をご検討ください。

 令和6年11月に国税庁より「令和5事務年度における法人税、法人消費税等、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の調査事績」を公表いたしました。
 海外取引に係る申告漏れ所得(法人税)については総額2,870億円を把握、海外取引等に係る源泉徴収漏れ(源泉所得税)については総額46億円を追徴と記されております。

 海外取引等に係る源泉徴収漏れの具体例としては、非居住者に支払った借入金に係る「遅延損害金」の源泉徴収漏れが紹介されておりますが、この事例は「遅延損害金」は「借入金の利子」に該当するものと指摘されたものになります。

 海外取引がある際には国内法だけではなく、その国との租税条約を確認することが必要になります。今回は借入金の利子に対する源泉徴収の取り扱いを、仮に日本の会社が資本関係のない中国の会社へ借入金の利子を支払った場合に置き換えて、国内法と租税条約の取り扱いを確認していきます。

1. 国内法
日本の会社が日本において非居住者や外国の法人に対して支払われる借入金の利子については20.42%の源泉徴収をする必要があります(所法7条1項四)。

2. 租税条約
一方、日中租税条約では「一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。」とされており、その場合の利子の源泉徴収は10%を超えないものとするとされております(日中租税条約11条1項、2項)。

3. 実際の徴収方法と注意点
この場合は租税条約を優先され10%の源泉徴収を適用することができますが、「租税条約に関する届出書」に必要事項を記載の上、借入金の利子の最初の支払い日までに提出する必要がございます。

4. 源泉所得税の納付期限
源泉所得税は借入金の支払いをした翌月10日までに支払う必要がございます。

 今回は、借入金の利子を支払う場合を想定して源泉徴収の方法をご説明いたしました。非居住者や外国の法人と取引がある場合は一度源泉徴収をする必要があるか否かのご確認をお願いします。

<参考リンク>
国税庁
「令和5事務年度における法人税、法人消費税等、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の調査事績」
「令和7年版 源泉徴収のあらまし」

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