2018年3月に財政部・税務総局・税関総署より「増値税改革の深化に関する
政策の公告」(財政部 税務総局 税関総署(2019年)39号)が発表されまし
た。このうち、税率変更・交通費仕入税額控除についてこれまでに報告させて
いただきました。今回は、仕入増値税の還付について報告させていただきます。

 増値税の納税額の計算は、日本の消費税に類似しており、売上増値税から仕
入増値税を控除して計算を行います。ただし、消費税との相違点としては、売
上消費税よりも仕入消費税の方が上回る場合還付となるのに対し、増値税は、
売上増値税よりも仕入増値税の方が上回る場合は、翌月以降に仕入増値税の繰
延となり、還付されることはありませんでした。(輸出の場合は除く)

 それが今回の改正によって、一定の条件を満たす場合は、仕入増値税の還付
が認められることとなりました。
 
1.仕入増値税の還付が認められる条件
 1)2019年4月以降、6カ月連続で繰越税額の増加があり、かつ、6カ月目の
  未控除税額(2019年3月末残高からの増加額)が、50万元以上であること。
 2)納税信用ランクがA級、もしくは、B級であること。
 3)還付申請前36カ月の期間、脱税行為(不正還付、発票の偽装など)が発
  生していないこと。
 4)還付申請前3カ月の期間、税務機関からの処罰が2回未満であること。
 5)2019年4月1日以降、即時徴収・即時還付、事前徴収・事後還付という優
  遇措置を受けていないこと。
 
 ⇒50万元という基準で小規模の還付を対象外とするとともに、適正な納税対
応をとっている企業に対してのみ実施するという意図が明確になっています。

2.仕入増値税の還付の計算
 還付金額=増加した仕入増値税額×仕入構成比率×60%
※仕入構成比率とは、全ての仕入増値税に占める「増値税専用発票」「税関輸
入増値税納税証明」「税務納税証明」の合計仕入増値税の割合となります。

 ⇒仕入増値税は今回の改正により、交通費も仕入増値税の計算対象となった
り、加算対象となったりしているため、仕入構成比率はあくまでも通常の資産
及びサービスの購入に係る仕入増値税のみを還付対象とする、という解釈です。

 生産型企業で投資・仕入が先行している会社であれば、最短で19年10月以降
の還付申請が可能になるため、自社の状況が仕入先行となっている場合、要件
に合致するか、確認をお勧めします。