入国管理法の改正により新たな在留資格が創設され、早速その在留資格であ
る「特定技能」の認定が下りるなど、活発な動きを見せております。その改正
に先駆ける形で、一昨年相続税の納税義務についての改正がされており、以前
に日本で働く外国人の相続税の状況をご紹介させていただきました。その際に
「国内財産」「国外財産」のように、財産の所在によって日本の相続税が課税
されるか否かをご覧いただきましたが、今回は相続税法上では何をもって「国
内財産」「国外財産」と判断するのか、を見ていきたいと思います。

 「国内財産」「国外財産」とは、文字通り「国内に所在する財産」「国外に
所在する財産」ですので、例えば不動産(土地、建物)については、その不動
産が日本に所在するなら「国内財産」に該当し、日本国外に所在するなら「国
外財産」に該当します。

 では、銀行預金や貸付金についてはどうでしょうか。銀行預金については、
「受入れをした営業所又は事業所の所在」が日本国内にあるかどうかにより判
断をします。そのため、日本の銀行の海外支店に預け入れをした場合には「国
外財産」と判定され、海外の銀行の日本支店に預け入れをした場合には「国内
財産」と判定されます。

 貸付金については、「債務者の住所又は本店」が日本国内にあるかどうかに
より判断をします。外国人が日本法人に貸付を行った場合の貸付金については
「国内財産」と判定され、日本人が外国法人に貸付を行った場合の貸付金につ
いては「国外財産」と判定されます。

 有価証券や法人に対する出資金についても定めがあります。有価証券につい
ては、その有価証券に係る法人の本店又は主たる事務所の所在地により、出資
金については、その出資されている法人の本店又は主たる事務所の所在地が国
内に所在するかどうかにより判断することとなります。

 近年急速にその市場が拡大している仮想通貨についての判断基準はどうなる
でしょうか。仮想通貨については、現状は債権や預金とは異なり被相続人の住
所地が国内に所在するかどうかにより判断することとなります。日本国内に居
住していた被相続人が所有していた仮想通貨については、全て「国内財産」と
いう判断となります。

 上記のような「国内財産」「国外財産」の判断は、その財産を相続、遺贈に
より取得した時点にて行うこととなります。相続の開始時点でどのような状況
であったか、正確に把握することが必要です。