2019年末~2020年初から続く、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、日中間の渡航がままならないのは皆様ご承知のとおりです。現在でも、日本はデルタ株の影響を受けたとみられる感染拡大に歯止めがかからない状況であり、中国は7月末からの各地での散発的な集団発生から収束傾向が出てきている状況とはいえ、いまだ日中間の渡航規制の緩和が見通せない状況といえます。

 日中間の渡航規制に伴い、出張者・赴任者の渡航に必要な招聘状の取得の難しさはよく知られている一方で、中国現地法人の法定代表者の変更を行い、手続きが進められず困っているとのご相談を何件かお受けしておりますので、共有させていただきたく、取り上げさせて頂きます。

 現在、中国においても、マネーロンダリング規制の影響もあり、個人・法人ともに金融機関による本人確認が厳格になっております。とりわけ法人の場合、口座に関する手続きにおいては、法定代表者の確認が行われることとなってい
ます。具体的には、口座を開設する際、法人の情報を登録する際に、法定代表者の情報も登録されているため、法定代表者の変更が行われた場合には、金融機関においても、その情報の更新手続きが必要となります。その際に、法定代表者のパスポート原本の提示が求められるという流れとなります。

 昨年のコロナ拡大初期の対応としては、臨時対応として、渡航ができないことを考慮し、パスポートコピーを日本の外務省及び在日中国大使館・領事館の認証を受けたものを提示し、動画・電話等で本人確認を行う、という対応も認めてくれるケースもありました。しかし、直近ではそのような臨時対応は認められず、パスポート原本の提示が必須、となり、法定代表人が渡航できず手続きが進められない、という状況に陥ってしまうケースが見受けられます。このような中で、対応が出来ない場合は、口座を凍結する、という連絡を受けた企業もありました。

 対応としては、パスポート原本を郵送する、あるいは在中の人員に法定代表者を変更する、というような臨時対応は考えられますが、まずは現状を鑑み、法定代表者の変更につき、問題が生じないか確認を行なっていただくということにご留意ください。