2021年8月に令和4年度税制改正に関する経済産業省要望が公表されました。https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/pdf/07.pdf

  その中で、経済のデジタル化に伴う国際課税ルールについて、OECDを中心とした国際的議論が進展したことを受けて、日本においても2022年制度化、2023年実施を目標とする新たな国際課税制度の方向性として2つの柱が示されました。

 第1の柱は、市場国への課税権配分(国際課税原則の見直し)です。これはPEなければ課税なしという国際課税の大原則を見直し、一部の大規模・高利益の多国籍企業を対象に、PEがなくても市場国に一部課税権を配分するというものです。対象業種はほぼ全業種ではあるものの、全世界売上高が約2.6兆円超かつ税引前利益率が10%超の多国籍企業が前提となるため、対象企業としては多くない見込(100社程度)です。

 次に第2の柱は、グローバル最低税率課税です。これは軽課税国への利益移転や国家間の低税率競争に対応するため、グローバルに「最低税率」を設定し(15%以上)、海外子会社の不足分を日本で追加課税するものです。対象としては、全世界売上が1,000憶円以上の多国籍企業が対象となり、現地に工場など実体のある経済活動の一部は除外される見込みです。

 第2の柱については、現状の外国子会社合算税制の見直しにより対応されるものと想定されており、今後の動向に注目したいところです。