贈与税は、原則として受贈者(贈与を受けた人)が納税をする必要があります。海外に勤務している家族への贈与など、日本国内に住所がない人への贈与については、日本国内に住所がある人への贈与と異なりますので注意が必要です。本日は事例をもとに確認をしていきますので、すでに贈与をされた方、これから贈与を検討されている方は是非ご一読ください。

1.事例
 Aさんは2023の5月から5年間の予定で海外勤務を始めました。それまで海外に居住したことはありません。2024年の5月に日本に住んでいる父のBさん(海外への移住歴なし)から金銭の贈与1,000万円を受けました。この場合、Aさんの贈与税の申告はどのように考えればよいでしょうか。

2.Aさんの贈与税申告
 受贈者であるAさんと贈与者であるBさんの贈与時の住所等をそれぞれ確認していきます。受贈者であるAさんは海外赴任中だったので日本に住所はなく、贈与者であるBさんは日本に住んでいるため日本に住所があることになります。この場合、贈与された財産が国内財産および国外財産にかかわらずすべて課税対象となるため、2024年5月に受けた贈与に対して、翌年の3月15日までに贈与税申告が必要になります。
 今回の事例は、「国内に住所のある贈与者」が「国外に住所がある受贈者」へ「金銭」を贈与した場合の事例でしたが、受贈者と贈与者それぞれの住所が国内にあるのか国外にあるのか、また、贈与する財産が国内財産か国外財産どちらに該当するかで課税関係が異なってまいります。詳しくは参考として添付しております国税庁HPをご確認ください。

3.納税管理人
 次に、贈与税申告をする際の注意点ですが、Aさんのように日本に住所がない人が贈与税申告をする場合は、納税管理人および納税地を定めて、その所轄税務署長に申告・納税する必要があります。この納税管理人の届出書の提出期限は「納税管理人を定めたとき又は出国の日」になります。
 ご注意頂きたいのは納税管理人の届出書を提出するタイミングと申告期限の関係です。出国時までに納税管理人の届出をする場合は原則通り贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までが申告期限になります。しかし、贈与を受けた年の翌年1月1日から3月15日までの間に出国する場合に、出国時までに納税管理人の届出をしないときは、その出国日が申告期限となってしまいますのでご留意ください。

〈参考リンク〉
国税庁
No.4432 受贈者が外国に居住しているとき
(参考) 財産の所在
B1-28 相続税・贈与税の納税管理人の届出手続