グローバル化が進むにつれ、日本における外国人労働者数は年々増加傾向にあります。厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』では、令和5年10月末時点の外国人労働者数が200万人を超えたと公表しています。

 外国人を雇用する企業の増加が予想されますので、今回は外国人労働者の税務上の取り扱いをご案内します。


外国人労働者の給与計算
 日本の所得税法では、源泉徴収の方法について、対象者が居住者に該当するのか、非居住者に該当するのかによって、その取扱いが異なっています。

 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する者を意味します。また、非居住者とはそれ以外の者のことを指します。

 居住者の場合、国内で発生した所得(国内源泉所得)は課税され、「給与所得の源泉徴収税額表」により源泉徴収を行い、年末調整や確定申告によって年間の所得税を精算します。一方で、非居住者の場合は国内源泉所得として、給与の場合一律20.42%の税率で源泉徴収を行うこととされています。非居住者は年末調整の対象外となり、この源泉徴収にて日本での課税関係は終了します。

 ただし、非居住者等の居住地国と日本との間で租税条約が締結されている場合には、その定めにより課税が軽減、又は免除されて源泉徴収が不要となる場合もありますので、居住地国と締結している租税条約の確認が必要です。


定額減税
 令和6年度税制改正にて、定額減税が発表されました。具体的には、納税者、同一生計配偶者および扶養親族1人あたり所得税3万円、住民税1万円の減額が実施されます。この扶養親族には、所得税の扶養控除が適用されない16歳未満の扶養親族も含まれますが、外国人労働者の定額減税はどのように計算すればよいのでしょうか。 

 まず、本人の要件として、「令和6年分所得税の納税者である居住者で、合計所得金額が1,805万円以下である人」が減税対象となっています。日本人か外国人かどうかに関わらず、居住者は定額減税の対象となり、非居住者は対象となりません。

 また、同一生計配偶者および扶養親族については、「いずれも居住者に限る」と記載されています。年末調整では非居住者の親族に係る扶養控除等の適用が可能ですが、定額減税では非居住者は定額減税の計算に含まないこととなります。

 よって、本人は居住者であれば定額減税の対象となり、扶養親族も居住者のみが対象となります。年末調整の扶養範囲と異なる点に注意が必要です。

<参考リンク>
国税庁HP
「令和6年分所得税の定額減税のしかた」