皆さんは、海外との取引をする場合の消費税について、普段どのように意識をされておりますでしょうか。海外を通して取引する際の消費税の注意点をテーマごとにご紹介していこうと思います。第1回目となる今回は「輸入取引の概要」についてご紹介していきます。

誰が何に対して課税されるのか
 まず、輸入をする際の納税義務者は”外国貨物を保有地域から引き取る者”になります。ここで注意を頂きたいのは”事業者でなくても””対価を得て行われていなくても”課税の対象となる点です。私たち個人であっても海外で輸入をする際には課税がされますし、万が一無償で輸入をした際にも課税の対象になります。
 次に、実際に課税をされる外国貨物は、(1)外国から日本に到着した貨物で輸入が許可される前のもの(2)輸出の許可を受けた貨物をいいます。外国貨物の中には一部課税の対象にならないものがあり、品質表示ラベルや引っ越しをする際の荷物などは消費税が免除されております。また、課税価格の合計額が1万円以下の物品については関税が免除されており、関税が免除されるものについては消費税も免除されます。

外国貨物の課税標準
 外国貨物の課税標準はCIF価格に消費税以外の個別消費税の額および関税の額に相当する金額を加算した合計額になります。CIF価格はCost Insurance and Freightの略ですが、仕入書に記載された輸入貨物の取引価格、輸入港までの運賃及び保険料等の合計額のことを指し、日本に到着するまでにかかった価格を想像して頂ければと思います。

今回は輸入についての概要をご説明させて頂きました。輸入と一言で言っても論点は様々ありますので、次回はその中でも輸入時に気を付けて頂きたい論点をご紹介したいと思います。

<参考リンク>
国税庁
「No.6563 輸入取引」
税関
「1703 免税規定(関税定率法等)に係る消費税等適用一覧(カスタムスアンサー)」
「1006 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(カスタムスアンサー)」