2019年9月1日に発効した日中社会保障協定ですが、2024年8月31日をもって、5年となります。
実務上は5年以内の一時派遣として申請を行うことが一般的であるため、発効時に申請を行っている場合、24年8月31日をもって期限満了となります。
この件につき、最近ご相談を受けることが増えてきたため、今回はこちらについて取り上げたいと思います。
・協定における延長規定
派遣が5年を超過する場合、「延長規定」が設けられており、延長期間が5年を超えない場合、再度申請を行うことで、引き続き、派遣元の日本の公的年金のみに加入することが可能です。
・具体的な手続きの流れ
赴任時の申請同様に、
(1) 日本の年金機構に申請し、証書を受領
(2) (1)で受領した証書を中国当局に提出し、決定してもらう
という流れになります。
・中国(@上海)の取扱い
9月18日時点で判断基準は明確になっていません。
上海のホットラインで問い合わせしたところ、現在、政策は5年間の期限を超えていないため、延長の判断基準に関する政策もなく、指南・マニュアル・細則も出ていないとの回答でした。
・参考(他国との社会保障協定の取扱い)
中国と韓国、中国とドイツでも同様の社会保障協定が発効されており、延長に関する政策が発表されています。その政策では、「免除期間の延長は、業務上、必要な場合、120か月まで延長できる」と明記されています。日中でも同様に扱われる可能性があると考えられます。
なお、業務上必要な場合とは、出向契約、労働契約等で根拠資料とすることになると考えられます。
・対応
8月31日で5年を経過するため、早晩政策が発表されることになります。ついては、まずは日本での証書申請を行い、中国側で政策が発表され次第対応できるように、情報収集及び準備を進めておくことが必要になります。
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