24年9月13日に開催された全人代常務委員会において、中国における定年の延長が決定しました。
 具体的な内容としては、1.引き上げと段階調整、2.年金最低納付期間の延長、3.定年時期の調整、の3点となります。今回はこちらについて、取り上げたいと思います。

1.引き上げと段階調整(2025年1月1日開始)

  • 男性 60歳 → 63歳 4か月に1度(2037年完了)
  • 女性幹部 55歳 → 58歳 4か月に1度(2037年完了)
  • 女性工人 50歳 → 55歳 2か月に1度(2035年完了)

※女性幹部と女性工人(※ワーカー)の違いは、詳細規定はないため、会社規定において、階級等で区分するのが望ましい状況です。

今回の段階調整は2か月ないし4か月単位で調整されることになるため、調整期間内に定年を迎える方(男性:1965年~1976年生まれの方、女性幹部:1970年~1981年生まれの方、女性工人:1975年~1984年生まれの方)は、生年月日により定年年齢が異なることとなるため、注意が必要です。下記HPに早見表がありますので、参照ください。


2.年金最低納付期間の延長(2030年1月1日開始)

年金を受け取るための最低納付期間が15年→20年への延長されます。こちらも定年同様、段階調整となっており、毎年6か月ずつ延長していきます。
2030年から開始となり、2039年に完了することとなります。

例:
2030年 15年+6か月
2031年 16年
2032年 16年+6か月 と2039年まで6か月ずつ延長していきます。

3.定年時期の調整

最低納付期間を満たした場合、柔軟性のある定年を設定できることになりました。短縮、もしくは延長となります。

1)短縮の場合

法定の定年から最長でも3年を越えず、かつ従前の法定定年
(男性:60歳、女性幹部:55歳、女性工人:50歳)を下回らない範囲で設定可能です。

2)延長の場合

会社と従業員が同意した場合、3年を超えない範囲で延長可能です。

※税理士法人名南経営国際部チャンネルにて、中国における定年延長の動画を公開しております。
よろしければご覧ください。
「中国 中国における定年延長 年齢引き上げとその他調整事項」
https://youtu.be/iIbudTsyrZQ