ベトナム法人設立から数年がたち、事業の今後を検討していくうえで持分譲渡を検討される相談が増えております。ベトナムの場合、日本企業同士でベトナム法人の持分譲渡した場合でも、ベトナムに課税権が認められる場合があります。今回は有限会社や非上場会社の持分譲渡に伴う税務に関してご説明いたします。
譲渡に伴う税金は売手に対して課税され、税率は属性により異なります。
法人
ベトナム法人:譲渡益(=譲渡額-取得価格-譲渡費用)に対して法人所得税20%
外国法人:ベトナム法人と同様
個人
ベトナム居住者:譲渡益に対して個人所得税20%
非居住者:譲渡額に対して個人所得税0.1%。
なお、日本法人にてベトナムで譲渡における課税が発生した場合、日本側で外国税額控除の適用の検討が可能です。これは、日本、ベトナム双方での二重課税を回避するためです。
また、ベトナムでの課税権に関しては日越租税条約第 13 条に規定があり、1. 2.のいずれかの要件を満たす場合にベトナムに課税権が認められるとされています。
- 譲渡事業年度のいずれかの時点においてベトナム法人の株式の25%以上を保有する者がその5%以上を譲渡した場合
- 譲渡されるベトナム法人の財産が主にベトナム不動産で構成されている場合
上記以外の場合は租税条約を申請することによりベトナムでの納税が発生しない可能性があります。
ベトナム法人の持分譲渡に関しては、検討事項が多くあり複雑です。検討の際は専門家に確認することをお勧めいたします。
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