中国において、外国人工作許可証と社会保障カードの統合作業に関する通知(人社部発(2024)75号)が発表されました。今回はこちらを取り上げたいと思います。
1.統合の時期
24年12月1日から
2.社会保険加入までの流れ
1)工作許可手続き
外国人来華工作管理サービスシステムにて、すべてネット上で手続きを行う。
入国後、実体としての工作許可証を取得する必要がなくなる。
すでに取得している工作許可証については「変化なければ交換なし」の原則に基づき、工作許可の延長あるいは変更手続きを行うタイミングで新システムに移行する。
2)電子社保カード
外国人が入国後、電子社保カードアプリを通じて、氏名、工作許可番号、社会保障番号等登録し、実名・本人確認完了後、電子社保カードを取得する。なお、外国人は実体の社保カードも取得する。
3)社会保険への加入
工作許可通知もしくは電子社保カードにより、社保ネットあるいは社保手続きを行う機構において加入手続きを実施する。社保手続きを行う機構は、来華工作管理サービスシステムを通じて工作許可情報を取得し、条件を満たした場合、社会保障番号を発行する。
3.今後
今回の情報統合については、手続きをスムーズに行うための統合としての側面をもつのは間違いない。情報の共有及び工作許可の実体カード廃止と効率化を図っているのが、その証左となる。
一方で、社保カードに工作許可情報が合わせて保管されるため、社会保険に未加入な駐在員をピックアップしやすくなるのは間違いない。
しかし、社保カード保有=社会保険加入という訳ではなく、また別途加入手続きをとる必要がある現状では、そこまで厳密に紐づけるかは微妙と言える。
そのため、現時点で中国の社会保険に加入していない駐在員の場合、来年以降、周りの駐在員の手続き状況に気を配り、当局の対応を注視する必要があるものと思われる。
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