7月に入り、24年12月決算に伴う中国現地法人の年度対応もようやく終わりました。
 中国現地法人を有する日本本社側では、このタイミングでぜひ行っていただきたい確認事項があります。
 今回は、こちらを案内させていただきます。

年度監査報告

・関係会社残高の確認
本社含めた関連会社との取引から生じる債権・債務残高が一致しているかどうか。年度監査の手続きの一環で残高確認が届いているケースもあるかもしれませんが、本社側関連会社側の認識している残高と一致しているかどうか確認ください。

・未処分利益の確認
貸借対照表上の「未処分利益」の部分が配当可能利益となります。ただし、資本金の50%に達するまでは、毎年利益の10%を未処分利益から利益剰余金として積み立てる必要があります。配当したことのない現地法人の場合過去に利益計上した年があっても、利益剰余金の積み立て処理がなされていない事例もありますので、ご確認ください。

企業所得税の確定申告

・納税額の計算
監査報告書のPLをベースに計算されているはずです。まずはその数値が一致しているか、ご確認ください。
申告書の表示はPLの税前利益を計算し、その後、課税所得を計算するための、加算事項・減算事項を加算・減算します。その後、税金計算となり、まずは25%の基本税率をかけて税額計算を行い、小規模優遇等に該当すれば、減額計算を実施し、最後に既納付額を控除して、最終納税額を計算する流れです。

・納税調整項目
上記税額計算における加算事項・減算事項の内訳が表示されています。
「帳簿金額」「税務上の金額」「調整増」「調整減」という並びで内容に対する加減算を表示しています。
共通して出てくる可能性が高いのは交際費の加算調整(帳簿額の60%まで損金算入。ただし、売上の0.5%が上限)となります。

・繰越欠損金明細表
日本同様、中国においても繰越欠損金の控除が5年間認められています。利益計上が出来ないまま経過する場合は、5年を経過した時点で消滅することになります。
過去に欠損金があって、今後利益計上が見込まれる場合には、納税スケジュールに影響を与えるため、必ず確認をしておきたい内容となります。